●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.48 ●▲■
    発行日:2004年 10月15日(金)
 ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:喜多産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

------------------< 目 次 >------------------
●▲■“お酒パッケージ考:何故そのパッケージ?”

ご紹介アイテム●1▲(参考資料)「ワインのかもし醗酵」
ご紹介アイテム●2▲清酒、生酒、本格焼酎、泡盛「汎用キャップ」
ご紹介アイテム●3▲和紙の風合い「Fバックのご案内」

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(本稿は「酒類の主流パッケージ分析」と「何故そう変化したか」
に関する小論で、小社発行「酒うつわ研究」誌9月号掲載の、
「シーナズ・ウォッチング」を再編集したものです。)


●▲■焼酎甲類の現状分析→ ●▲■PETボトル
業界情報によれば、大型PETボトルが占める割合は66%、
中でも4リットル (片手で持てない!) が大半とのこと。
その次は1.8リットル紙パックで9%程度。ガラスびん比率は少ない。

疑問は「なぜ故に紙でなくPETにシフトしたのか?」。
もしも何かが違っていたら清酒のように紙パック全盛に、あるいは、
ウィスキーのようにガラスびん主流になっていたのでしょうか??


●▲■清酒の現状分析→ ●▲■紙パック
現在、紙パック43-45%、1.8リットル壜(一升壜)が30%程度と推定。
紙パックは、中・小壜を含めたガラスびん全体のシェアに迫る勢い。

紙パックのネックは、安価な商品のイメージ。
清酒全体のイメージへの影響も否定できませんね。
紙パックを一切出さない有力なお蔵もあります。

焼酎甲類で「なぜ紙でなくPETにシフトしたのか」と書きましたが、
清酒の場合には「なぜPETでなく紙なのか?」ですね。
「もしも」何か少し違っていたらPET全盛になったのでしょうか??


●▲■ビール&発泡酒の現状分析→ ●▲■アルミ缶
2003年現在、缶65%、びん18%との業界推定。(あとは樽など)
ボトル缶も缶の統計に含まれ、ほとんどがアルミ製。
地ビールでさえ缶ビールがある国は日本以外ないですね。

ドイツではデポジット適用の影響で
2003年秋から缶ビールが激減(半減)しましたが、
そういった特殊要因がない限り今後さらに缶が伸びると思います。


●▲■ワインの現状分析→ ●▲■ガラスびん
フルボトル(720/750mlガラスびん)が60%以上、
その次に360mlと500mlのガラスびん、との業界推計。

過去にはPETボトルやバッグインボックスなどいろいろ試されましたが、
現状ではほとんどがガラスびん。今後もガラス主流でしょう。
逆に、欧米ではバッグインボックスなどの市場が出来つつあります。

なお、従来日本のフルボトルは720でしたが、
メルシャンさんはいつの間にか世界標準の750に切り替えているのですね。


●▲■焼酎乙類の現状分析→ ●▲■かろうじて、ガラスびん
びん49-51%、紙パック40-41%というのが業界筋の推定シェア。
紙パックが伸びてはいますが、1.8リットル壜(一升壜)も多いし、
ブームもあって900ml、720mlのガラスびんも増加中。

今後紙パックはさらに増えるのでしょうか?
それともガラスびんに回帰するのでしょうか??


●▲■泡盛の現状分析→ ●▲■ガラスびん
統計は見つかりませんでしたが、95%以上がガラスびんでしょう。
写真は、根強く流通する「琉球泡盛」共通リユース壜。
容量は600mlで、キャップはロールオンではなくスクリューキャップです。
(すいません、写真は「酒うつわ研究」で見てください)


●▲■ウィスキー&ブランデーの現状分析→ ●▲■ガラスびん
ガラスびん100%、、、だと思っていたら
店頭には普及価格品を中心に結構大型PETボトルが並んでいる。
欧米では小型のPETボトルもあるし、一部でPETが定着するのかも。

余談ですがウィスキー、ブランデーは700mlが多い。なぜなんだろ?


●▲■(番外編1)醤油の現状分析→ ●▲■PETボトル
かつては2リットル壜(一升壜のような醤油専用リユースびん)だった、
その後、一時PVC(塩ビ)ボトルが増えたのが記憶にありますが、
塩ビ・モノマーが指摘されたりして今ではすっかりPETボトル。

昭和40年ころにキッコーマンさんが
紙パックを真剣に検討されていた、と読んだことがありますが、
結局、なにが、紙でなくPETボトルにさせたのでしょうか、、、?


●▲■(番外編2)ミルクの現状分析→ ●▲■紙パック
日本だけでなく世界中で「ミルクは紙パック」、の感あり。
軽量ガラスびんの巻き返しあれども、宅配牛乳まで紙パックが多い状況。

1930年代にはアメリカでピュアパックが、
1950年ころにはスウェーデンのテトラパックが、
それぞれミルク容器として紙容器を開発したのがコトのはじまり。

ミルクが紙パックになった理由は、、、結局のところ、
両社が競争し強力に制覇を争ったから!ではないでしょうか?


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●▲■何故そのパッケージになったか?→ ●▲■清酒の事例研究

清酒やパッケージの歴史に関する文献を読むと、、、

「江戸時代の四斗樽の量産が清酒の流通を大きく発展させ、
明治まで樽で流通した。明治中期にびん入りの「蔵元直詰」が始まり、
灘で最初の「人工吹き」の一升壜が採用される。
その後「半人工機械吹き」壜の時代を経て、
大正末に徳永硝子という会社が「自動製壜」機械を導入して
一升壜の量産を始め、昭和初期以降一気に一升壜が広まった」

という流れです。これは、欧米の変遷とほぼ同じでしょう。
ワイン・ビールが樽からガラスびんになったのが20世紀初頭。

ワインのコルク栓に今もよく見る、
「mis en bouteille au chateau(シャトー直詰)」が始まったのも
日本酒の王冠表示やラベル表示に今もよく見かける、
「蔵元直詰」が始まったのも同じころ、同じ経緯でしょう。
(「蔵元直詰」は昔の誰かが仏蘭西語を和訳したのでしょうか??)

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紙パックの歴史について調査した内容を述べると、、、

「最初の紙容器清酒は昭和40年代の180ml箱型テトラパック。
屋根型トップの1.8リットルパックは、
当初は牛乳パック式の注ぎ方で普及しなかったが、
T社が口栓方式を導入して普及しだした。
一方、D社はバッグインボックスタイプをずいぶん推進したが、
結局現在の紙パック形式が主流に。アルミラミ内面の導入で
昭和50年代後半から普及スピードが上がり、
近年2リットル、3リットルが主流になって現在に至る」

という流れ。「軽量と、びんより安い小売価格」が需要拡大のポイント。


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さて、以上は客観事実ですが、結局つまるところ、
何故ゆえ清酒は紙容器主流になったのか?今回の私の結論は、、、

ミルクのキャプションに書きましたが、
「ピュアパックとテトラパックが競いあったことが
世界のミルク容器を紙にした」ように、清酒の場合は、
「T社とD社(というか、凸版さん大日本印刷さんですが)の
二大巨頭企業が技術開発とマーケティングを競い合ったことが
紙容器主流になった原因ではないか」と感じました。

T社とD社が「もしも」PETボトルで競い合っていたら
清酒はPETボトル主流になっていたかもしれませんね。

お醤油も、ある時点で誰かが「もしも」違う決断をしていたら
今頃紙パック全盛だったかもしれません。

政治は二大政党制、産業界は二大巨頭体制が究極なのか。。。

日本ではガラスびんが苦戦していますが
「もしも」ガラスびんメーカーが二大巨頭企業体制であったなら
もっとびんが普及していたかもしれない。

歴史に「もしも」はないのですが、、、 Text Sienna K. Emiri

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さて、参考情報と、当社商品のご紹介です。

●▲■ ご紹介アイテムその1:<参考情報> ●▲■
(参考資料)「ワインのかもし醗酵」
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/maceration01.htm
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/maceration02.htm
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/maceration03.htm

突然ですが、最初はワイン関係の参考資料。
赤ワインのかもし醗酵の技術についてまとめた資料です。


●▲■ ご紹介アイテムその2:KKディビジョン ●▲■ 
清酒、生酒、本格焼酎、泡盛、、、「汎用キャップ」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/closure/RMC_SUR.htm

清酒、生酒、本格焼酎、泡盛、、、などのニューデザインが登場です。
「妊産婦に関する警告表示」入りもあります。
在庫圧縮と資材管理の合理化にご検討ください。


●▲■ ご紹介アイテムその3:KKディビジョン ●▲■ 
ガラスびん包装材「Fバックのご案内」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/Fbag.htm

和紙の風合いでガラスびんを包装するFバック。
各種サイズの既成品を在庫していますので小ロット対応可能です。

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●▲■バックナンバー閲覧可能!「メルマガ・クロニクル」

http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html

2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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