●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.51 ●▲■
    発行日:2004年 12月17日(金)
 ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:喜多産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

------------------< 目 次 >------------------
●▲■ 「鹿児島にて、芋焼酎つくり体験記」
 ●「日本南部の地酒、焼酎」と「英国北部の地酒、ウィスキー」
 ▲ 高級脂肪酸の「クセのあるうまさ」
 ■ 菅間誠之助著「焼酎のはなし」

ご紹介アイテム●1▲ 汎用デザインの一升壜用王冠「本格焼酎」
ご紹介アイテム●2▲ 新型びん「SK−720びん」

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「今でこそ有難がられているスコッチ・ウィスキーも、
19世紀の中頃までは、スコットランドの山の中の人達の常用する
いわゆる粕取りか、どぶろく級の位置にしかなかったのである。」

「葡萄酒やブランデー、ポートやシェリーを愛用していたイギリスの
富裕階級が、どうしてこの山間の地酒を尊重するようになったか?」

「(20世紀半ば時点で、イギリスにとって)
黄金よりも価値ある外貨獲得の王座を造り出した」

これは、坂口謹一郎博士が50年前に著した
「世界の酒」の中のスコッチ・ウィスキーの記述です。
(「坂口謹一郎酒学集成」第二巻のほか、岩波新書で2002年から再版)

焼酎は、かつてスコッチがたどったような国際化を果たすのか?
いまやそのポテンシャルを備えつつあるように感じます。

南九州は別として、焼酎は半世紀前まで、少なくとも全国レベルでは
安価な大衆酒だった。それが、いまや日本国中この焼酎ブーム。

地球の裏表とはいえ、「島国日本の南方の地の地酒、焼酎」と
「島国イギリスの北部の地酒だったウィスキー」という、
奇妙に似た地理的・文化的要素が効く部分もあるかもしれません。

Shochuが、Sakeと並んで欧米市場で認知される日が近いように思います。

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こんにちは、喜多です。
今回は、鹿児島での焼酎つくり体験を書きます。

今年の4月のメルマガで、
<酒つくり体験、新潟、京都、大阪>と題して次のように書きました。

「清酒、焼酎、泡盛、ワイン、ビール、リキュール、などなど、
お酒産業の皆さんとの取引が当社の生業(なりわい)です。
(中略) が、実際の酒つくりをしたことがない。
やってみよう、と思い立ったのが1年前。今回はその体験記。」

として、新潟、京都、大阪での清酒、ワイン、ビール体験を書きました。
あと残っているのが、「焼酎」と「泡盛」。

実は、今年は私の40歳代最後の年。
50歳代に突入する前に!(=体が動くうちに?)と思い立って、
鹿児島のS酒造さんに焼酎体験をお願いしました。


●▲■ 「鹿児島にて、芋焼酎つくり体験記」
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/shochumaking.htm

S酒造さんは焼酎大手。大規模な工場を持っておられますが、
私が体験させていただいたのは、
甕(かめ)で高級焼酎を仕込む、手作り小規模蒸留所。

早朝5時から麹室で手入れをしたり、
蒸した芋を手押し車で運んで甕に投入したり、
甕の櫂入れ(重い!)をしたり、
芋(「黄金千貫」)を包丁で処理したり、、、

第一印象は、
「どの工程もハード、汗びっしょり!」
でした。が、やがて、、冷静に、よくよく観察すると
「どの工程も非常に綿密に計算され管理された作業!」
であることに感心しました。

大型工場でなく手作り蒸留所ゆえに、
よけいにその計算、管理のきめ細かさがよくわかり、
焼酎に対する理解が深まりました。

杜氏のYさん、工場長のMさん、製造部のYさん、
ほか皆々さん、本当にありがとうございました。

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今回の焼酎体験の収穫がもうひとつ。

蒸留した芋焼酎をタンクに貯蔵しておくと、
表面に油状のもの(高級脂肪酸など)が浮いてくる。
これは、蒸留酒特有のもので
酸化するとイヤな臭いになるので通常は冷却ろ過して
取り除いてから壜詰めして製品化する。

ところが今回、タンクから油分の浮いたものを試飲させてもらい、
また、無ろ過の壜詰めを飲ませてもらって、
その独特の「クセのあるうまさ」を再認識しました。

以前にグラッパの同じ部分を飲ませてもらったことがあるが、
ずいぶん違う。これが、他の蒸留酒にない、
焼酎の持てるポテンシャルかな、と思った次第。

同時に、昔の個人的な芋焼酎体験を思い出しました。

記憶の中で、最初に芋焼酎を飲んだのは、
実に20年以上前(嗚呼、歳とった)、枕崎の料理屋でした。
そのときの、クセのある味の記憶がよみがえりました。
飲みにくかったけれど、ハマる味だった。

言葉を変えれば、この20年で焼酎はずいぶん「きれい」になってしまい、
かつての強烈な個性が希薄になったのかもしれません。

ウィスキーがシングルモルトに回帰しているように、
かつての個性ある焼酎が注目される日が来るのかもしれません。

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長くなって恐縮ですが、もう少し書きます。
今回体験に行く前に本棚から取り出して改めて読み返した本が
菅間誠之助著「焼酎のはなし」。

焼酎ブームで、焼酎に関する著作や特集雑誌は最近とても多い。
詳しく蔵元を取材しているし、細かなことをよく調べてありますが、
読んだ後、もう一度読み返そうと思う本はそう多くない。

近著ではなく出版以来20年経過した本ですが、
菅間さんの「焼酎のはなし」は読み返すべき内容と含蓄のある著作。

素人にわかりやすい内容ながら、
深い知識と造詣を元に歴史・文化から蒸留技術や味わい方まで
包括的に焼酎・泡盛を概説している。

明治34年には、鹿児島県下に3969(!)の焼酎製造場があった、
昭和25年、鹿児島の焼酎種麹は黒:白:黄=74:16:10(!)だった、
地酒(ぢしゅ、木灰を入れる九州独特の清酒)を蒸留した焼酎があった、
などなど、ずいぶん意外で、興味深い内容も多い。

そして、焼酎の隆盛を、20年前にすでに予見している。
業界人は書架に備えるべき一冊ではないかと思います。
(インターネットで見る限り新本はすでに入手困難なようですが。)

さて、焼酎つくりの合間に工場を歩いていて、偶然、
工場の一画に「菅間誠之助文庫」とある書架を見つけました。
お酒、焼酎、泡盛、九州、沖縄、、、などに関する蔵書が並ぶ。
(菅間さんは一時S酒造さんの顧問をされていた由)
菅間さんの本を読んでS酒造さんに来たことが不思議な縁に思えました。


菅間誠之助さんは、酒類全般、とくに焼酎で著名ですが、
むしろ泡盛にずいぶん貢献された方です。
で、次回「はいさい、沖縄にて泡盛見学記」に続きます。

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さて、当社の商品ご紹介です。

●▲■ ご紹介アイテムその1:KKディビジョン ●▲■ 
汎用デザインの一升壜用王冠「本格焼酎」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/closure/RMC_shochu.htm

黒地に「本格焼酎」と印刷した一升壜用王冠ですが、結構特徴があります。
●アルミ冠頭の取り口は、手指保護の「折り返し」タイプ。
●「妊娠中や授乳期の飲酒は、、、」の注意表示印刷あり。
●替栓(中栓)はブリキ不使用のオール樹脂で「プラマーク」入り。
●「PETスポット箔あり」(=TCAハイバリア)と「なし」があります。
●「PETスポット箔なし」(=コスト優位)でも栓抜けの心配がない。

ケース単位出荷可能。ぜひ、ご採用ください。
同デザインのPPキャップ(30mmスタンダード、PETライナー)もあります。


●▲■ ご紹介アイテムその2:K2ディビジョン ●▲■ 
焼酎に、清酒に、ワインに!新型びん「SK−720びん」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/SK720.htm

シンプルで親しみやすい丸壜で、30mmスタンダードPPキャップ口。
リーズナブルなコスト。
焼酎のほか、清酒、ワイン、リキュール、健康飲料などにどうぞ。

               (text:喜多常夫)

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