<醤油>

 世界ブランドのキッコーマンほか、醤油の全国銘柄は今では数えるほど。しかし現在でも、伝統の銘柄を守っている醤油会社は全国に1,500社程度もあるそうです。(ただしほとんどが委託製造で、実際に原料から仕込みをしているのは200社程度?)
 ところが、戦前~1970年代まではさらに多く、全国に数千社(時期によっては一万社近く)の醤油蔵があったのです。清酒と同じく、味噌・醤油は、地域や集落毎に大抵1社はあるような地場産業でした。筆者の身内でも、母方の祖母の実家と、叔母の嫁ぎ先が、かつて醤油を作っていました。そのくらい、身近で数多くある商売だったということだと思います。
 お酒の「一升壜」(30mm王冠口)と区分するために、醤油用に「2立(リットル)壜」(29mm王冠口)が随分流通していた時代もありました。(「2立壜」は1970年代から自然消滅。29mm王冠が記載されていた王冠JIS規格も1994年に失効。)
 ここに掲載するのは、当社が1980年以前に製造していた醤油王冠のデザインの元になった銅板です。確認はできていませんが、廃業された醤油蔵のものも多いと思います。また、今ではなくなった29mm王冠のものも随分あります。王冠銅板で、日本の醤油産業の歴史の一断面をご覧ください。(text=t.kita)

「亀甲満」(会津若松) 「キッコーソ」 「キッコーキクショー」
     
「キッコーマルハチ」 「キッコータマキュウ」 「鈴木醤油」
     
「七福」(愛知) 「七福」(愛知) 「藤村醤油」(茨城)
     
「藤村食品」(茨城) 「ヤマホ」 「ヤマジョウ」
     
「ヤマヰ」 「ヤマイズミ」(愛知) 「ヤマイズミ」(愛知)
     
「ヤマシン」 「イゲタ」(会津若松) 「ニシキ」
     
「イゲヒチ」 「ヒシタ」 「ヒシクラ」
     

「カギショウ」

「ヨシダ」 「小田庄」(大阪)
     
「上ホ」 「フンドーダイ」 「三ツ十」
     
「マルヤ」 「ユミ印」 「桜」
     
「元禄」 「マンサン」(愛知) 「アサヒ」
     
<2010年12月17日出展>  
「井ヅヘイ」(豊橋)