●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.181 ●▲■
     発行日:2013年5月30日(木)
  ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■

発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

 

------------------< 目 次 >------------------

●▲■ 「プライベートブランドのお酒」観察 ●▲■ 
   ●▲ NB製のPB(!)が主流
   ●▲ PBロゴとNBロゴが併記された製品
   ●▲ NBよりPBが高価?!

      (text = Sienna K. Emiri シーナ・K・エミリ)

ご紹介情報 ●1▲サケびん口用のキャップ「AZK」の汎用品
ご紹介情報 ●2▲仏・ヴァランタン社の「シャンパンコルカー」
ご紹介情報 ●3▲仏・CDa社の「半自動タックラベラー」

 

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

 

  ●▲■ 「PBのお酒」は花盛り・・・NB製のPB !

PB(プライベートブランド)といえば、
かつては食品、調味料、台所洗剤などでした。
しかし数年前から、機能性下着など衣料品PBが増加、
そして今やスーパーやコンビニでは「PBのお酒」が花盛りです。

代表的な事例をピックアップしてみます。

 ■「セブンプレミアム(セブン&アイのPB)」のお酒■

   缶ビール「100% MALT」byサッポロ
    第三のビール「THE BREW」byサントリー
    缶チューハイ「CLEAR COOLER」byアサヒ
    清酒「純米酒」(1.8L紙パック)by月桂冠
    本格焼酎「芋職人」(1.8L紙パック)by濱田酒造
    梅酒「香り豊かなうめ酒」(2L紙パック)byメルシャン

 ■「トップバリュ(イオンのPB)」のお酒■

   甲類焼酎(2.7L PETボトル)byメルシャン
    甲乙混和焼酎「いも焼酎」(1.8L紙パック)by合同酒精
    ワイン「酸化防止剤無添加」(720mLびん)byメルシャン

 ■ COOP(日生協連合会とコープこうべ)のロゴ入りのお酒■

   ウイスキー「NEW CALM」(1.8L PETボトル)byニッカウヰスキー
    清酒「灘の恵み」(1.8L紙パック)by菊正宗酒造
    ワイン「カベルネソーヴィニヨン」(720mLびん)by神戸ワイン

 

byのあとの社名は実際の製造者ですが、すべて、
   「NB(ナショナルブランド)あるいは大手企業が受託生産」
したものですね。

すこし前までは、
   「PBはNBの対抗商品」
したがって
   「PBの生産委託先は中堅・中小メーカー」
というスキームだったと思いますが今や様変わり。

言葉の上では矛盾するようですが、
   「NB製のPB」
が主流なのです。

 

  ●▲■ 「NBロゴとPBロゴが正面に並ぶ」

お酒だけではありません。
日清食品、キューピーマヨネーズ、日本ハムなど、
トップシェア企業がPB生産を引き受けているのですね。

コンビニで、
「日清食品」のロゴと「セブンプレミアム」のロゴが
なかよく正面に並んでいるカップラーメンを見つけました。

「NBロゴとPBロゴは水と油」
すこし以前まではそれが常識だったと思うのですが!

 

正面にロゴを併記する事例はまだ少ないにしても、
裏面にははっきり製造者名を書いたものがとても多い。

かつて食品、調味料、日用品のPB製品では、
「販売者:XXXX」とだけ表示して、
生産者を記載しないもの(非公開)が多かったのが、
最近は生産委託先企業名を明示したものが増えています。
(注:酒類は従来から生産者の表示が法令で義務づけられています。)

大手企業で製造したことを明示することは
消費者の安心感になるからでしょう。

問い合わせ先さえPBオーナー企業ではなく、
生産しているNB企業、というPB商品もありました。

 

ビール類やRTDでも、
PBロゴとNBロゴが正面に並ぶのは違和感がなくなりました。

 ■「サッポロ」「サントリー」「アサヒ」のロゴと、
「セブンプレミアム」のロゴの両方が正面に印刷されている事例■

   缶ビール「100% MALT」byサッポロ
    第三のビール「THE BREW」byサントリー
    缶チューハイ「CLEAR COOLER」byアサヒ

ワインでも似た傾向が始まっているように感じます。

「PBとNBはパートナー状態に突入」なのでしょうか。

 

 

  ●▲■ 新形態PBその1「PBロゴなし」

ビール類では、
  「流通大手の専売商品、ただしPBのロゴはない」
という商品も増えています。

 ●イオン限定販売のビール●

   「ROYAL PILS(ロイヤルピルス)」byアサヒ
    「ROYAL BLEND(ロイヤルブレンド)」byサントリー

 ●セブンイレブン先行販売のビール●

   「グランドキリン」byキリン

 

これらの商品は、
イオンやセブンイレブンのロゴマークは入っていませんが、
イオンやセブンイレブンでしか売っていません。

「限定販売」や「先行販売」という表現を使っていますが、
「PBロゴマークなしの新形態のPB」にも見えます。

NB企業といえども、
PBオーナーとのコラボレーションなしには
生き残れない時代!?なのでしょうか。
(PBオーナーといっても、具体的には、
流通二巨頭のセブンアイとイオンの影響力が圧倒的ですが。)

それに、、、
NBはPBに比べて原価にしめる広告宣伝費が大幅に高いはず。
ひょっとして、NB企業も自社NB製品より、
受託PB製品をつくったほうが儲かる!?のかも??

 

  ●▲■ 新形態PBその2「NBデザインそのまま採用」

ビールやRTDでは、
   「缶印刷はNB製品そのまま、
    ただしCOOPのロゴが小さく印刷されている」
という商品も見つけました。

 ■NB商品にCOOPのロゴを印刷したお酒■

   第三のビール「金麦」byサントリー
    缶チューハイ「直搾り」by宝酒造

 

大量に仕入れるので安く売れますよ、という意味でしょう。

NB企業側も通常より安く販売されることを許容する理由になるし、
量産メリットがあるでしょう。
わざわざPBのための酒質設計を行う必要もないし、
ネーミングやパッケージデザインを考える必要もない。

消費者としても馴れた味の商品を安心して買えますね。

 

  ●▲■ NBよりPBが高価?!

ビール類を例に、
PBとNBの価格を観察してみました。

まず「輸入」PBの事例。

 ■トップバリュ■

   ビール「バーリアルラガー」韓国製:\158
    第三のビール「バーリアル」韓国製:\88

NBに比べて安い、という「PBのレーゾンデートル」を
これはしっかり守っていますね。

 

しかし、これら輸入PBビール類の棚はかつてほど広くなく、
国産PBビール類の棚取りの方が今や広いようです。

その価格はこんな具合。

 ■セブンプレミアム■

   缶ビール「100% MALT」byサッポロ:\198
    第三のビール「THE BREW」byサントリー:\123

 ●イオン限定販売●

   缶ビール「ROYAL PILS」byアサヒ:\198
    缶ビール「ROYAL BLEND」byサントリー:\208
    第三のビール「みがき麦」byサッポロ:\100

上記は、5月に店頭で実際に購入した時の価格です。

これらの価格は、大手のNB製品、すなわち
ビール(スーパードライ、一番搾り、プレモル、黒ラベルなど)
第三のビール(のどごし生、金麦、麦とホップ、クリアアサヒなど)
と比べて、特に安いわけではない、
むしろ高いPBもありますね。

銘柄の設定価格によるのでこれらの事例だけで判断できないにしろ、
「PBのプレミアム化戦略」が見てとれます。

 

清酒の紙パックでも、
NB(まる、月-つき、天-てん、など)は2リットル(増量)が基本なのに対し、
セブンプレミアムやコープのPB製品には1.8リットルがあって、
価格もむしろ2リットル NBより高く設定されています。

もちろん非常に安い2リットルPB清酒もありますが、
1.8リットルPB清酒のほうが目につきました。

ワインでも、売り場で一番安いのはNB製品で、
PBはむしろより高い価格である場面が多くありました。

 

成熟マーケットではなんでも2極化するのでしょうか。
PBのお酒も、
「NBより低価格のPB」と
「NB並み、またはより高価なプレミアムPB」に2極化して、
しかも、プレミアムの方が増えているように見えます。

低価格PBを縮小してプレミアムPBを伸ばす戦略は
セブンアイが一番リードしているようですが、
ほかのPBも同じ路線のようです。

社会の高齢化や、
景気が上向いていることも関係しているように思います。

 

縮小する酒類市場の中で、
NB製品は厳しい価格競争をしいられています。
そんな中で、
お酒の「プレミアムPB」は今後市場を形成していけるのか、
それともやはり「低価格のPB」に帰結するのか、
注目すべきビジネスモデルだと思います。

 

以上、ニッポンのPBのお酒の観察記でした。

(PS)
個人的には、、、
   「お酒はPBではなく生産者ブランドのモノをのみたいなあ」
と思います。
味の好き嫌いや、値ごろ感もありますが、
お酒のコア・ヴァリューはブランドだと思うので。

                   (text = Sienna K. Emiri)

 (きた産業の情報誌「酒うつわ研究」13/IV掲載の
  「シーナズ・ウォッチング」に加筆修正したものです。
   訂正とお詫び:「酒うつわ研究」2ページのキャプションで
   誤りがありました。缶ビール「ROYAL BLEND」の生産者は
   正しくはサントリーです。修正版を以下のサイトで公開しています。)
http://www.kitasangyo.com/Archive/SUR/sienna_pdf/SUR_1305-SW_R1.pdf

 

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

 

さて、情報紹介です。

●▲■ ご紹介情報 その1:KKディビジョン  ●▲■
新製品:サケびん口用のキャップ「AZK」の汎用品
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/closure/AZK_hanyo.pdf

斬新なデザイン、より安全な開封性のAZK。
ケース単位で出荷可能な汎用品を10種類準備しています。

サケびん口(一升びん口)規格の720mlびんが増えています。
是非、ご検討ください。

 

●▲■ ご紹介情報 その2:ROOTSディビジョン  ●▲■
仏・ヴァランタン社の「シャンパンコルカー」「キャップシューラー」

http://www.kitasangyo.com/Products/Data/machine/valentin.pdf

ヴァランタンはシャンパーニュに本拠を置く、
伝統あるシャンパン機器の会社。

「シャンパンコルカーとワイヤー装着機のモノブロック機」は、
世界中で長年使われている信頼あるモデルの改良機。
「キャップシューラー」は1ヘッドでプリーツとフォールドの2工程を処理、
作業効率が大幅アップします。

 

 

●▲■ ご紹介情報 その3:ROOTSディビジョン  ●▲■
仏・CDa社の「半自動タックラベラー」

http://www.kitasangyo.com/Products/Data/machine/CDalabeler.pdf

CDa社は、年間400台以上のラベラーを製造する専業メーカー。

使いやすく、リーズナブルな価格の半自動ラベラー、
2ロールタイプの「ニネット・ドゥ」をお勧めしています。

 

__________________________

●▲■バックナンバー閲覧可能!「メルマガ・クロニクル」

http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html

2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
__________________________

●▲■ブログもやってます!「スローなブログ」

http://blog.goo.ne.jp/kita-slow_blog/

2006年4月の以来、きた産業のトピックスを写真で収録。
__________________________

 

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

紹介商品に関するお問い合わせは、営業部まで。
西日本担当:大阪営業部
tel.06-6731-0251 mailto:osaka@kitasangyo.com
東日本担当:東京営業部
tel.03-3851-5191 mailto:tokyo@kitasangyo.com

__________________________

●本メールがうまく表示されない場合  ●登録内容の変更や、
配信停止希望の場合  ●メルマガに関するご意見・ご要望など、
は、メールアドレス:mailto:info@kitasangyo.com まで 。
__________________________

このメルマガは、「ご登録いただいたお客様」、
及び「当社営業担当で登録させていただいたお客様」に、
お届けするサービスです。
ご要望があってもお届けできない場合がございます。

発信専用アドレスから送付しております。このアドレスに返信
いただきましても回答できませんので、予めご了承ください。

__________________________

記載された記事を許可なく転送・複製・転載することを禁じます。
Copyright 2002-2013. Kita Sangyo Co., Ltd. All rights reserved.
きた産業株式会社 ニューズレター担当:企画・開発グループ

__________________________