●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.106 ●▲■
    発行日:2007年 11月26日(月)
  ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

------------------< 目 次 >------------------

●▲■ 「期限の呪縛」と「もったいない精神」 ●▲■
   「電気製品が時限爆弾になる日」
   「自動車はクラシックカーになる?」
   「食品は25%が廃棄される」
     お酒・食品の原料は生命(植物・動物)であることを思うと、、、

ご紹介アイテム●1▲パブの炭酸ガス使用量削減に!「ガス混合器」
ご紹介アイテム●2▲ザームの「エアテスター、ピアーシングデバイス」
ご紹介アイテム●3▲醸造所にお勧めする「殺菌剤、洗浄剤一覧」

                         (text = 喜多常夫)

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

前回のメルマガは、「食品・飲料の回収」に関するゲリーの文章だった。
その後も食品、建材、鋼材などの偽装や虚偽申告の報道が相次いでいるが、
今回は「電気製品の回収」の話を書いてみる。

●▲■「電気製品が時限爆弾になる日?」●▲■

今年春ごろから半年間くらい新聞の回収公告の切り抜きをやって、
「食品・飲料」の部分をシアトルのゲリーに送ったのだが、
それ以外の公告がどっさり手元に残った。

「家庭用品」「衣料」「ガス器具」「おもちゃ」などさまざまだが、
一番多いのは「電気製品」の回収公告だった。

電気製品回収で一番多い理由が「発火の恐れ」。
その事例を製造時期順に書くと、こんな具合。

 ■10年以内に製造されたもの●
   近年製造のパソコン用リチウム電池(ソニー)
   2005〜07年輸入のDVDプレーヤー(長瀬産業)
   1998〜07年製造の二槽式洗濯機(シャープ)

 ■10年〜20年前に製造されたもの●
   1990〜91年製造のテレビ(東芝)
   1988〜93年製造の電子レンジ(松下)
   1988〜92年製造の冷蔵庫(松下)

 ■20年以上、または30年以上前の製品●
   1986年〜製造の洗濯乾燥機(東芝、NEC)
   1982年〜製造の遠赤外線ヒーター(デンソー)
   30年以上前に製造された扇風機(三洋電機)

末尾の扇風機は、新聞報道には「30年以上前」と表現されていたが、
三洋電機のホームページを見ると、
対象機種として1956年製(なんと50年以上前!)まで書いてある。

- - - - - - - - - - -

確かに発火は怖い。
でも、20年や30年もたてば壊れて当然だろうし、
中に絶縁不良になるものがあっても無理からぬことではないかと同情する。

実際、日本の法律では、
「製造物を引き渡した時から10年を経過したら損害物賠償請求権は消滅」
(PL法第五条)となっている。
したがって、上記事例のうち1996年以前のものは法律上の責任対象ではない。

テレビで回収を呼びかけていた松下の「FF式石油温風機」
(未点検で使用すると一酸化炭素中毒で死亡事故に至るおそれあり)
の例も1985〜92年製であり、今から15〜22年も前のものだ。

自社製品でなく、10年以上前に消滅した会社の製品を回収している例さえある。
(清算済み会社がかつて製造販売した「屋根融雪装置」に発火リスクがあり、
その会社を吸収したJFEスチールが今になって回収)

あらゆる情報が「公開されるリスク」のある社会環境になったので、
不備を知りながら回収しなかったら企業イメージや信用が大きく棄損する。
法律に触れなくても、
社会的責任のため、あるいは会社信用を保つため、回収するわけである。

数万台販売した電気製品のうち、何年かして数台が発火しても、
一昔前なら「突発故障」、「偶発事故」ですんでいたものが、
現在の社会環境・時代環境では「時限爆弾」と同義になってしまった。
全品回収になれば、会社経営にとっても時限爆弾である。

- - - - - - - - - - -

人と同じく、すべての電気製品には寿命が存在し,
経年劣化した製品では事故が起きる可能性があるのは厳然たる事実。

工業製品が時限爆弾にならないようにするには、
「寿命が来たとき必ず安全に壊れる機能」が必要だろうが、
20年、30年、あるいはそれ以上のスパンでそんなことが可能だろうか?

むしろ、メーカーは、「10年で寿命が尽きてしまう設計」
「設定年数がきたら自動停止して使用不能になる機能」
に走ってしまいそうに思う。

実際、最近のパソコンなどは10年どころか、
ソフトの進化で5年もしたら買い換えざるを得ない。
実はハードも5年くらいで自動的に故障するよう設計しているのでは?
と個人的経験では疑う。
買い換えたくない人に買い替えを強いるのは資源の無駄使いと思う。

お母さん、おばあちゃんの時代から使っている、
アイロン、電気スタンド、扇風機、ラジオ、、、という、
モノを長く使うライフスタイルがあってもいいと思うのだが、
日本では(世界でも?)許されない時代なのかもしれない。

 

●▲■「自動車はクラシックカーになる」●▲■

同じ工業製品でも自動車は事情が違うように思う。
電気製品と違って自動車は定期点検や部品交換を行うこともある。

国土交通省のホームページをみると、
自動車でも膨大な件数のリコール(=回収)が行われているが、
新聞に回収公告は出ない。
たぶん、所有者に直接、通知を出すことが可能だからだろう。

自動車では製造後何年までリコールの対象になるのか、
調べてみたがわからなかった。
リコール関連法規(道路運送車両法)にも「製造後何年以内」とは書いていな
い。

が、たとえば少なくとも製造後20年、30年たった車にリコールはないだろう。
せいぜい10年程度ではないか。
その面では自動車メーカーは、電気製品メーカーより楽である。

- - - - - - - - - - -

かといって、20年、30年たった車も現実に走っている。
実は私も、
20歳から乗り始めたイギリスの車に30年余りたった今も乗っている。
凹凸を越えるとギシギシいって少々怖いが、愛着があって捨てられない。
この車は、買った当初からなのだが、
数年に一度くらいの頻度でブレーキ液が抜けてしまって、怖い思いをする。

ただ、電気製品と違って古くなった自動車の場合には、
好きな人が個人責任でメンテナンスをしながら乗る、
という共通理解が世界的にできているから許されているのだろう。

日本では、車が古くなると自動車保険さえかけづらいのだが、
イギリスには「古い車」というカテゴリーのある自動車保険があって、
保険料も返ってかえって安い(古い車に乗る人は概して事故も少ない)と聞く。
古くなった製品も使い続けられるシステムがある社会は、
より進んだ社会ではないだろうか。

車は愛好の対象になる工業製品であり、場合によっては
年数がたつと、クラシックカーとしての価値が出たりもする。

(ここまで書いて、今日(11月24日)の毎日新聞を見たら、
「消費生活用製品安全法の改正が衆議院で可決成立、
2009年4月から、湯沸かし器、風呂釜、食器洗い機など9品目は
10年前後(耐用年数)で点検することを製品に表示、
期限になれば通知し希望があれば有償で点検する」との記事があった。
車検のような義務ではなく、希望があれば点検、のようだが進歩とはいえる。
なお、テレビ、エアコン、洗濯機、扇風機、換気扇などは対象外とのこと。)

 

●▲■「食品は25%が廃棄される」●▲■

前回メルマガは、「食品・飲料の回収」に関する文章だったが、
その後も、有名銘菓や老舗料理店の、
消費期限・賞味期限・原産地に関する不正が続々報道されている。

もちろん不正はいけないが、その一方、
より新しいものを買いたい消費者行動が店頭で古いものを売れ残らせる現実、
そして、期限が来た食品を自動的に廃棄することには、一抹の不条理を感じる。

(注:概ね5日以内で品質が劣化する食品に「消費期限」、
5日を越えるものに「賞味期限」、と使い分ける。
「賞味期限」は、直ちに食べられなくなることを意味しない。
怒られそうだが、「消費期限」も、安全を見込んでいるはずだから、
冷蔵庫に入れておけば大抵は1〜2日越えても大丈夫、と個人的には考える。)

「日本の食料自給率は39%」と、40%の壁を割り込んだそう。
(カロリーベース、農水省による2006年の値)
一方で、「日本の食料廃棄率は25%以上」だそう。
(カロリーベース、農水省が2000年に作成した「食生活指針いついて」より)

期限切れの廃棄ばかりでなく、食べ残しや調理のロスもあるだろうが、
25%以上廃棄されているとは驚きだ。
食料全体の60%以上が輸入なのであるから、
船か飛行機で日本まで運んできたうち10%以上は廃棄される計算になる。

不正を一掃して日本がもっと厳格に消費期限・賞味期限を守ったら、
食料廃棄率はさらに上がって30%以上にならないか、とも懸念する。

- - - - - - - - - - -

廃棄された食品の原価や廃棄に要したコストは当然価格に反映されるから、
消費者にとってたいへんな不経済である。

なにより、お酒を含む食品の源(原料)は、
ほとんどの場合が生命(動物か植物)であるのだから、
不経済というまえに、罪悪に近いと思う。
(ご飯粒を一粒残さず食べるよう躾けられた古い世代の感傷か)

古くなった食品が食べられるかどうかを決めるとき、
臭いを嗅いだり、ちょっと味見して判断する、という「動物本来的行動」
はどこかに消えてしまって、
表示された期限のみで白黒決める、という「情報に管理された行動」
に慣らされてしまうのも、なんだか怖い。

- - - - - - - - - - -

人間社会は、技術が進み文明水準が上がるにつれ、
「期限の呪縛」にとりつかれるようだ。

電気製品、自動車、食品と分野は違うが、
共通して期限問題はますます難しくなり、
かえって浪費の方向に向かっているのではないかと危惧する。

今の地球環境を考えると、
「もったいない精神」を大前提にした期限問題への取り組みが必要だと思う。

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

 

最後に期限問題とは異なる余談を一つ。
新聞の回収公告は大抵「お詫びとお知らせ」というタイトル。
今年5月の某社の「お詫びとお知らせ」で、回収でなくこんなのもあった。

「弊社が配信しているメールマガジンにおいて
軽率な表現をいたしました。謝罪とお詫び申し上げます」

う〜ん、当社もメルマガには十分気をつけるようにいたします。

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

さて、当社商品のご紹介です。

●▲■ ご紹介アイテムその1:ROOTSディビジョン ●▲■

パブの炭酸ガス使用量削減に! 「炭酸ガス・窒素ガス混合装置」  
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/gas/Gasblender_ed04_2_WOP.pdf

BSL Gas Technologiesの「窒素ガス・炭酸ガス混合装置」は、
イギリスのパブで数万台が使用されている実績を誇ります。
また、アメリカ、ドイツでも利用が拡大しています。

炭酸ガスボンベの使用量を減らすことは、
今や地球環境のために真剣に考えねばならないテーマです!

炭酸ガス使用量削減だけでなく、泡の改善やロス低減にも役立ちます!

ビールケグの第一公式は
「炭酸ガス+窒素ガス=泡改善+ビールロス削減+ECO」です!!!
(copyright: Kita Sangyo)

 

●▲■ ご紹介アイテムその2:ROOTSディビジョン ●▲■

ザーム・ナーゲル(ツァーム)の「エアテスター、ピアーシングデバイス」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/gas/ZN_airtester.html

炭酸飲料、ビール、スパークリングアルコール飲料の、
ガス含有量やヘッドスペースエアの測定装置の世界標準機。
BCOJ(ビール酒造組合国際技術委員会)分析法に定めた器具でもあります。

なお、最近、ずいぶんの引き合いが多いですが、
ワインコルク穿孔用のバージョンもあります。
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/gas/wineairtester.html

(「セーフティーシールド」の後付けオプションを近日導入予定です。
なお、ザーム・ナーゲルの機器は2007年11月から価格を改定しています。)

●▲■ ご紹介アイテムその3:K2ディビジョン ●▲■

醸造所にお勧めする「殺菌剤、洗浄剤一覧」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/chemical/Sanitizer.html
洗壜の薬剤やコンベア潤滑剤
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/chemical/Senbin.html

色々な殺菌剤や薬品も扱っています。
多くのもので、価格を据え置いています。営業担当にご照会ください。

                           (text = 喜多常夫)

__________________________

●▲■バックナンバー閲覧可能!「メルマガ・クロニクル」

http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html

2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
__________________________

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

紹介商品に関するお問い合わせは、営業部まで。
西日本担当:大阪営業部
tel.06-6731-0251 mailto:osaka@kitasangyo.com
東日本担当:東京営業部
tel.03-3851-5191 mailto:tokyo@kitasangyo.com

__________________________

●本メールがうまく表示されない場合  ●登録内容の変更や、
配信停止希望の場合  ●メルマガに関するご意見・ご要望など、
は、メールアドレス:mailto:info@kitasangyo.com まで 。
__________________________

このメルマガは、「ご登録いただいたお客様」、
及び「当社営業担当で登録させていただいたお客様」に、
お届けするサービスです。
ご要望があってもお届けできない場合がございます。

発信専用アドレスから送付しております。このアドレスに返信
いただきましても回答できませんので、予めご了承ください。

__________________________

記載された記事を許可なく転送・複製・転載することを禁じます。
Copyright 2002-2007. Kita Sangyo Co., Ltd. All rights reserved.
きた産業株式会社 ニューズレター担当:企画・開発グループ

__________________________