●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.108 ●▲■
発行日:2007年 12月27日(木)
■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com
------------------< 目 次 >------------------
年の瀬のご挨拶。 それに、2007年の●と▲。
- - -(その1)2007年の▲(若者)酒は飲まない,自動車はいらない,休日は自宅
- - -(その2)2007年の▲(人間)ニュースインタビューで薄笑いの人たち
- - -(その3)2007年の▲(格差)原料価格高騰と業界再編
- - -(その4)2007年の個人的●&▲ ギネスビール、アイラ島
- - -(その5)2007年の●「CSR」(企業の社会的責任)と「KRA」
(text:喜多常夫)
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今年も暮れようとしています。一年間お世話になりました。
http://www.kitasangyo.com/2008message/message_2008.html
(↑「クリスマス&年賀のカード、それに年末年始の休日のご案内」)
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今年は、業界にとって良いことが少なかった年だったように思いますが、
1年を振り返って、「2007年の●(マル=良かったこと)」と、
「2007年の▲(サンカク=ちょっと困ったこと)」を書きます。
- - -(その1)2007年の▲
(若者)「酒は飲まない、自動車はいらない、休日は自宅」
これは今年8月の日経新聞のタイトルです。(日経流通新聞に詳報)
首都圏の20代を調査した記事でした。
2007年は原産地・賞味期限偽装の事件が続発しましたが、
個人的にはそれ以上に看過できない<事件>だと思いました。
「酒は飲まない」
「自宅でビール類を飲まない」若者は50.6%で、
驚くべし、わずか4年で10ポイント以上増加している。
3人に1人は「全く飲まないか、飲んでも月に1回以下」だそう。
わが業界にとって、まことに大▲(サンカク)です。
飲まない理由で「お酒に弱い」(50.5%)はまだいいにせよ、
「お金がもったいない」(29.6%!)、
「おいしいお酒がない」(26.2%!)とは、嗚呼、何たること。
「大人社会への通過儀礼として上司や先輩と飲むことが減り、
酒の味を覚えない」、と書かれていました。
「車はいらない」
「自動車が欲しい」若者は5年間で22.9ポイントも低下(!)。
必ずしもお金を持っていないわけではないが、
「維持費がかかるし、休日に遠出をするわけではないし、
車に価値を感じないよう」だそうです。
「休日は自宅」
「ほとんど家」「家にいることが多い」をあわせると43.1%(!)。
遠出はせず、外出は歩いていける範囲(1マイル消費)が多く、
パソコン、テレビゲーム、家事をする時間が増えたそう。
縮み志向は行動範囲だけでなく、メールにも表れていて、
「携帯メールの回数自体は激増したが、
やり取りする相手は減って、わずか平均3.9人」なのだそうです。
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これが首都圏の20歳代の実体か、
サケは飲まない、モノはそれほど欲しくない、交流範囲もごく狭い、
パソコンのバーチャル世界で時間を費やす、、、
まるで「近未来SFに登場する希望なき市民」のように感じます。
物欲が良い訳ではありませんが、これでは夢がない。
わがアルコール飲料業界にとって重大事であるのと同時に、
この若者たちが担う日本社会の将来はどう変わっていくのか、
大きな不安を覚えます。
2007年の▲▲(ダブルサンカク)でした。
年金記録も老人医療も消費税も日本の将来に関わる大問題ですが、
若者の生活意識も隠れた重大事ではないでしょうか。
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- - -(その2)2007年の▲(人間)ニュースインタビューで薄笑いの人たち
お酒業界と関係ないことで恐縮ですが、
日本社会はどう変わっていくのか、と書いたついでに、気になることをもう一
つ。
凶悪事件、殺人事件が多かった2007年でしたが、皆さんは、
目に余るテレビのニュース、ワイドショー的報道が多すぎると思われませんか?
事件を客観的に報道してもらうのはいいのですが、
なにか事あらば連日のように、
犯人の足取り、現場の見取り図、推察される動機、などを繰り返し報道し、
また、同級生や近所の人に執拗にインタビューする。
果ては、加害者の学生時代の作文や写真の紹介、
加害者や被害者のお祖父さん・お祖母さんまでインタビューするのが、
普通になってしまって、なんだか異常です。
もう一つ危惧するのは
インタビューを受けて事件について語る人が、
微笑みながら(薄笑い、といったほうが適切)答えている場合が多いこと。
老若男女に関わらずそういう場面をテレビニュースで随分見かけました。
凶悪事件のインタビューに、なぜ人々は薄笑いなのか、
若者だけでなく、日本人全体の精神構造が、
いびつになってきているのではないか。
大いに危惧します。2007年を振り返っての▲(サンカク)でした。
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- - - (その3)2007年の▲ (格差)原料価格高騰と業界再編
我がお酒・アルコール飲料や、食品業界に話を戻せば、
2007年は「値上げ<発表>の年」でした。
ビール、焼酎、輸入ワイン、醤油、牛乳、ラーメン、パン、麺類。
ほとんどの食品が値上げを発表しました。
2008年はまさに、「値上げ<実施>の年」ですが、
大手流通はPB商品で逆に値下げするなど波乱含みで、
まことに▲(サンカク)な状況です。
オーストラリアの干ばつ、バイオエタノール原料との競合、
投機資金の流れ込みなど、日本からコントロール不能な事象が、
大豆、小麦、飼料、原油、などの価格を支配する時代です。
価格転嫁は避けられない状況ですが、
顧客や販売先を失う覚悟で値上げできるところも少ないでしょう。
値上げ出来るところ、競争に翻弄されるところ、
2008年は、企業間で格差が生まれる年だと思います。
キリンが協和発酵を傘下にとか、
アサヒがカゴメに出資とか、
SABミラーとモルソン・クアーズ(アメリカのビール2位と3位)が事業統合とか、
2007年は一昔前には想像し得なかった再編がありましたが、
2008年は再編がさらに加速する年であるとも思います
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ついでながら、我が王冠・キャップ業界も、
世界的再編と原料高騰の影響を受けていることを書かせてください。
キャップ原材料のアルミの話をすると、
ペシネ社(アルミでフランス最大手)を統合したばかりの
アルキャン社(アルミ世界2位、カナダ)を、
アルコア社(アルミ世界1位、米)が買収しようとして失敗。その連鎖で、
リオ・ティント社(鉄鋼石など資源大手、英豪系)がアルキャンを傘下に。
新聞報道でご存知の方も多いと思いますが、さらに現時点では、
BHPビリトン社(世界最大の資源会社)がリオ・ティント買収に動いている、
と、<何ガナンダカワカラナイ状態>の2007年でした。
そんな影響もあって、
王冠・キャップの原材料であるアルミやスチールの価格は
とてつもなく高騰しました。
さらに、買収劇当事者たちの、
アルコアは日本を含めた世界にキャップ子会社を持つし、
アルキャンが買収した仏ペシネは大きなキャップメーカーでもあるし、で、
王冠・キャップのような小さな産業も世界の影響を受けています。
(日本のアルコアクロージャーさんの親会社は、
アルコアからニュージーランドの会社に移ることにになった由)
当社も生き残りを図っていきたいと思います。
心苦しいのですが、2008年は値上げをお願いせざるを得ない状況です。
みなさま、なにとぞ宜しくお願いいたします。
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- - -(その4)2007年の個人的●&▲ ギネスビール、アイラ島
さて、いやな話ばかりでなく、●(マル)の話も書かねばなりません。
当社の2007年の最大のハイライトは
アイルランドのダブリンにあるギネスビール研究所に、
「ラボ用缶ビール充填装置」(ルーツ機械研究所製)を納入したこと。
ビデオでお見せするとこんな機械です。
http://www.kitasangyo.com/video-library/mpg06.htm
液体窒素滴下を備えた特殊なテスト用充填装置で、
CE規格をクリアして、厳しい要求基準に応えるのは大変な苦労でしたが、
世界ブランドのギネスに設備を納入できたことは、
大変うれしくて、2007年の最大の●(マル)でした。
(注:ギネスビールはディアジオ社の中核企業。
ディアジオはジョニーウォーカー、スミノフ、J&Bなど、
数十のブランドを傘下に持つ、世界最大のアルコール飲料企業)
そして、もうひとつ●だったのは、
ダブリンで立会い期間中に連日飲んだギネスが美味しかったこと。
ギネス醸造所は首都ダブリンの街中にあり、
ここから日本を含む世界に向けて出荷されるのですが、
<現地で飲むお酒は美味しい>の法則が、
非常に強く成立している事例だと思いました。
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一方、個人的に密かな▲(サンカク)は、アイラ島にいけなかったこと。
Islayと書いてアイラと発音する。英国北部のこの島は、
シングルモルトウィスキーの聖地。シーウィード(海草)の香りの、
ラフロイグ、ボウモア、ラガヴーリン、ブナハーヴンなど、、、があるところ。
アイルランドとアイラは地図で見ると遠くない。
アイルランドのギネスに納品検収に行くとき、実は密かに、
土日を利用してアイラ島にいけないかと、乗り継ぎを調べてみました。
ところがグラスゴーから小型飛行機がでるだけで、乗り継ぎはとても悪い。
しかも土日は1日1便、天候次第でキャンセルも、ということで断念。
シングルモルトの聖地を見れなかったのは残念。
いつかは行きたい、と思います。
(楽しみを残す、という意味では●か?)
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- - -(その5)2007年の●「CSR」(企業の社会的責任)と「KRA」
「企業の社会的責任(Corporate Social Responsibility、CSR)」
という言葉は随分一般化しました。
利益追求だけでなく、地域社会や環境に貢献すべき、
持続可能な社会を目指すために企業も社会や環境などに
責任を持つべきであるという概念です。
で、KRAは、、、、、というと、私が勝手に作った造語で、
「きた産業がお酒・アルコール飲料業界に果たすべき役割
(Kita sangyo's Responsibilty at Alcoholic beverage industry、KRA)」
大それた希望的な造語ですいませんが、
勝手に、2007年の●だと思っております。
この業界に身をおくものとして、
単にキャップ、壜、機械などのハードを提供するだけでなく、
お酒・アルコール飲料文化に貢献できるような企業にならねばならない、
と言った意味をこめて、CSRに引っ掛けて(?)作った造語です。
KRAは、CSRとあわせて本年度の当社経営方針に書き込みました。
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KRAを実践し、皆様のお役に立つべくがんばります。
今年もお世話になりました。
2008年もなにとぞ宜しくお願いいたします。
きた産業株式会社 代表取締役 喜多常夫
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