●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.113 ●▲■
発行日:2008年4月8日(火)
■お酒・アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

  ------------------< 目 次 >------------------

●▲■ 「地ビール醸造所」は21世紀に入って80社減
●▲■ 「ワイン醸造所」は2000年以降、約30社増
●▲■ 「ワイン特区」「梅酒特区」、ひそかに「焼酎特区」
●▲■ 「租特87条」と「もし世界が100人の村だったら」?

                    (text = 喜多常夫)

ご紹介アイテム●1▲ 酒・焼酎・ワインの量り売りシーン
ご紹介アイテム●2▲ 地ビールの缶詰ラインのビデオ
ご紹介アイテム●3▲ [パッケージのチカラ]

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●▲■ ●▲■「地ビール醸造所」は21世紀に入って80社減

当社は、95年に地ビールが解禁されて以来、
地ビール・地発泡酒の醸造所数を継続調査してリストを公開しています。

2008年4月1日付で地ビールリストを更新しました。
http://www.kitasangyo.com/BEER/Brewery_Map/MAP.html

 

解禁になって最初の5年は増え続け、
2000年の年末で地ビールと地発泡酒が302社営業していました。

21世紀になって減り始めました。
2001年:新規開業10社、閉店22社
2002年:新規開業7社、閉店14社
2003年:新規開業3社、閉店22社
2004年:新規開業5社、閉店8社
2005年:新規開業3社、閉店8社
2006年:新規開業1社、閉店18社
2007年:新規開業0社、閉店11社
2008年:新規開業0社、閉店6社(3月末まで)

以上を通算すると、
21世紀に入って新規開業29社、閉店109社、差し引き80社減。
4月1日現在、日本全国で222か所が営業中。

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今年に入って3ヶ月で6社減(廃業、倒産、民事再生など)。
残念ながら、ほかにも、
リストからは削除していませんが休業状態のところや、
「年内閉鎖宣言済み」のところが数社あります。

全体として非常に厳しく、
地ビールで多くのお得意先を持つ当社も大変苦しい状況です。

しかし、一方では、
着実に固定客や観光客で売上を稼いでおられるところ、
需要好調で壜詰め設備を更新されるところ、
また、海外にまで販路を広げている地ビールもあります。

苦難の道ですが、
クラフトビール本来の楽しみや、地ビール文化は、
これからがさらに深まる、と期待するものです。

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参考までに、アメリカのクラフトビールの最新状況が、
ちょうど配信されてきたので、記載しておきます。

2006年:新規開業94社、閉店53社
2007年:新規開業83社、閉店40社
2007年末現在で全米で開業しているクラフトビールは1,406社

クラフトビール・セグメントの2007年の成長は、
容量ベースで12%、金額ベースで16%

全ビールに占めるクラフトビールの比率は
容量ベースで3.8%、金額ベースで5.9%
              (Brewer's Associationによる)

一時の隆盛はないものの、産業として着実に定着しているようです。

 

 

●▲■ ●▲■ 「ワイン醸造所」は2000年以降、約30社増

当社では、2003年から全国のワイナリーのリストを作り、
自社栽培や契約栽培のブドウ品種を継続調査して公開していますが、
2008年4月1日付でリストを更新しました。

http://www.kitasangyo.com/Wine/winery_list_ed07.pdf

2000年以降に新設されたワイナリーは黄色マーカーで区別しています。

リストにはブドウ以外のワインも含まれていますが、
ブドウのワインに限ると、
2000年以降、新規開業42社、閉鎖は10社程度、差し引き約30社増。
4月1日現在、日本全国で190か所が営業中。

(注:ワイナリーの閉鎖は正確なデータがないので、10社「程度」です。
またデータ加工の都合で、地ビールは2001年以降、ワインは2000年以降。
当社独自の調査で、国税局などのデータとは必ずしも一致しません。
地ビール、ワインのリストでお気づきの点があればご連絡ください。)

なお、自社栽培・契約栽培のブドウについても調査しています。
http://www.kitasangyo.com/Wine/Analysis_of_Winery_ed07.pdf

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さて、新設ワイナリー42社を分類すると次のようになります。

-1 ブドウ栽培から始める民間資本の新設ワイナリー23か所
-2 第三セクターなど、行政主導の新設ワイナリー6か所
-3 ブドウ栽培は前提としない小規模ワイン醸造所8か所
-4 上記に属さない、その他のケースが5か所

「ブドウ栽培から始める」が最大多数であるのは喜ばしいこと。

一方、20世紀にはなかった新パターンは、3番目の、
「ブドウ栽培は前提としない」というもの。

たとえば、カナダでよく見かける「ワインBOP方式」のもの。
http://furano-nord.com/wine.html (北海道・ノースカントリー)
http://www.hondawinery.co.jp/ (福島・ワイン工房あいづ)
(醸造設備を貸して、好きな果汁からワイン醸造できる場を提供)

また、「商店街活性化ワイン」と銘打つケースもある。
http://oppama-wine.com/index.html (神奈川・追浜ワイン)
http://www.c-h-web.com/wine/ (熊本・荒尾乃葡萄酒)
(商店街!で醸造設備を導入して、果汁からワインを醸造)

これらは「ワイン免許」には間違えないのですが、
「ワイナリー」と言うべきかは議論の分かれるところでしょう。
ただ、非常においしいワインもあります。

(なお、きた産業は、新設42のワイナリーのうち、
半数の約20社とお取引いただいています。ありがとうございます。)

 

 

●▲■ ●▲■「ワイン特区」「梅酒特区」、ひそかに「焼酎特区」

地ビールは逆風でワインは順風、と見るべきでしょうか。
確かに、このままいけば2010年ころにはワイナリーが200箇所を超え、
地ビールは200箇所を割り込んで、軒数は逆転しそう。

しかし、こういったことは時代とともに、というか、
税制・政策とともにあるもの。
盛衰は一人地ビールだけのものではありません。

先日ある方に聞いた話ですが、
「戦前から戦後、ワイン免許が取りやすかった時代があって、
大阪府下だけでも119のワイナリーがあった、それが今では7社」
といった歴史もあります。

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時代の流れとともに法律は変わるもの。

地域活性化のため「どぶろく特区」に続き、
「ワイン特区」や「梅酒特区」を認可する法案があると聞いています。

普通、酒造免許を取るには年間6キロリットル以上必要ですが、
「特区内では、ワイン2キロリットル(約2800本分!)、
梅酒1キロリットルに引き下げる」ということです。
(この法律が成立するのかどうかは未確認)

これとは別に、すでにひそかに?「焼酎特区」も存在します。
http://www.imoya.jp/ (徳島・鳴門のいも屋)
http://www.tango-jizake.com/sake/tutinoko_shocyu.html (京都・酒源)
(地元のさつま芋前提で新規免許を取得、焼酎を製造)

その昔、集落毎に酒・醤油・味噌醸造所があったように、
身近に小さな醸造所・蒸留所があって地産地消、というスタイルは、
日本型酒文化として好ましい方向だと思いますが、、、

産業全体として活性化されるような、
高齢化社会・アルコール飲料需要減少社会と整合性のある、
また、
日本の酒文化にプラスに働く施策であることを、希望するものです。

それと、法制上の話をすれば、「事情が変わればなくすぞ」的な、
例外法、特別措置法、時限立法が増えるのは好ましいとは思いません。
(期限のたびに業界で延長の陳情をせねばならない法律は、
官僚の支配力強化システム、政治家の資金集めシステムではないか、
と思います。個人的意見ですが。)

 

 

●▲■ ●▲■「租特87条」と「もし世界が100人の村だったら」?

一番多い酒造免許である、清酒の場合はどうでしょうか。

日本酒造組合のウェブサイトによれば、清酒の製造免許場の数は、
2000年は2152者、直近データの2005年は1938者と約1割減。

現時点ではさらに減っているし、
免許はあっても製造していない蔵も多い。

清酒だけでなく、ワイン、焼酎、地ビールにも共通して
中・小規模の酒造メーカーの経営に大きく影響するのが、
業界の大きな関心事、「租税特別措置法87条」。

本来更新されるはずが、ガソリン税制のごたごたで棚上げ。
衆議院の再可決でたぶん承認されるとみられるものの、
現時点では「期限切れ」状態です。

業界通の方に聞いた話ですが、
「酒税全体では1兆5千億円。
租特87条の減税額は70億円強で、酒税全体のわずか0.5%以下。
たとえば清酒の場合、課税移出数量上位50社位が適用外だが、
それ以下の千数百社(清酒メーカーの90%以上)が適用対象」
なのだそうです。

酒税を負担している企業は数千社あるはずですが、
たぶん総額1兆5千億円の6-7割くらいは、
一握りの大手企業が負担しているのでしょう。

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一時話題になった「もし世界が100人の村だったら」
という本を連想しました。
縮小して見たら全体像が浮き彫りになる、という話。

全世界を人口100人の村に縮小したら、その村には
  「57人のアジア人、21人のヨーロッパ人、
   14人の南北アメリカ人、8人のアフリカ人」
がいる、といった具合で、一番印象的なのは、

「6人で全世界の富の59%を所有し、その6人ともアメリカ国籍」

という件(くだり)。

確かにその通りだけれど、
世界は6人では成り立たないし、アメリカ人だけでも成立しない。

残りの94人がいるからこそ世界は成り立つし、
文化の多様性が保たれる。

 

フルに税金を負担されている企業から見れば、
「租特87条は不公平税制」でしょうし、
淘汰が早く進むべきだ、という考えもあるでしょうが、
特にお酒文化には「多様性」が不可欠だと思います。

               (text = 喜多常夫)

 

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さて、当社商品のご紹介です。

●▲■ ご紹介アイテムその1:K2ディビジョン ●▲■

酒・焼酎の量り売りシーン
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/hakariuri_J_03_1.pdf

ワインの量り売りシーン
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/hakariuri_wine_02.pdf

当社で受注させていただいた事例です。
量り売りは、「環境にやさしい」という切り口で、
新しい提案をしていきたいと思います。

 

●▲■ ご紹介アイテムその2:ROOTSディビジョン ●▲■
地ビールの缶詰ラインのビデオ
http://www.kitasangyo.com/video-library/mpg02.htm
http://www.kitasangyo.com/video-library/mpg03.htm

1000cphと250cphの地ビール缶詰めラインのビデオです。
特に250cphはワンマン・オペレーション可能。
商品ラインナップのテコ入れに、アルミ缶をご検討ください。

 

●▲■ ご紹介アイテムその1:KK & K2ディビジョン ●▲■
[パッケージのチカラ]
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/packaging_power.pdf

王冠・キャップや壜・缶などを納入させていただいた事例です。
パッケージのデザインコンシャス化を進めています。

 

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http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html

2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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