●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.138 ●▲■
      発行日:2010年3月19日(金)
■お酒・アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

 

------------------< 目 次 >------------------

●▲■FOODEX 2010報告、その4
    「台湾・シングルモルト」と「台湾・吟醸酒」に驚く

●▲■FOODEX 2010報告、その5
    アンケート「外国人100人に聞きました」

ご紹介情報●その1▲「祝!ガラスびんアワード2009受賞」
ご紹介情報●その2▲「メヒーンのビール充填機のビデオ」

                    (text=喜多常夫)

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酒造業界の方にご紹介しておきたいエピソードがあって、
前回に引き続き、
3月2日から5日まで幕張メッセで行われた、
FOODEX 2010(国際食品・飲料展)の報告を書きます。

前回の「その3」の続きで、「その4」で始めます。

 

 

●▲■FOODEX 2010報告、その4

 

 ●台湾のシングルモルトに4連発ビックリ●

台湾のウィスキー???

と、誰しも疑問に思うのではないでしょうか?
私も、台湾にウィスキー蒸留所があるのを、
寡聞にして知りませんでした。

台湾初のウィスキー蒸留所、
「KAVALAN - カバラン」がFOODEXにブースを出していました。

http://www.kavalanwhisky.com/index.html

 

正直なところあまり期待せず、
試飲させてもらったのですが、、、

ビックリ!の出来栄え。

ウィスキーの味を論評する技量は持ち合わせていませんが、
素人感覚でも、なかなかいける、
いや、素晴らしい出来!と言っていいでしょう。

聞けばIWSCで「銀賞・ベストインクラス」を受賞したそう。

そこで二度めのビックリ。
受賞はなんと、ウィスキー発売の翌年!?

この蒸留所はまさに「できたて」で、
2006年に蒸留開始、2008年から販売開始。
そして翌2009年にはIWSC受賞なのだそう。
(IWSC:インターナショナルワイン&スピリッツコンペティション
サントリーさんやニッカさんのウィスキーも過去に受賞した、
権威あるロンドンのコンテスト)

ウィスキーは5年、10年とエージングするもの、
という固定観念を持つ身(誰もそうだと思いますが)には、
まったく驚きです。
エージング信奉者の坂口謹一郎先生が存命なら目を?きそう?

蒸留所の写真を見せてもらって、
三度めのビックリ。

立派な英国製ポットスチルもさることながら、
英国風パゴダを備えた新築工場は、
サントリー山アやニッカ余市に並ぶのではと思える規模。

四度目のビックリは、その価格。
台湾国内の市販価格は2,100台湾元(=約6,000円!)。

う〜んん、、、

台湾ウィスキーの実力、
そしてそれ以上に、
大胆な設備投資とマーケティング戦略(価格設定)に、
驚きを禁じえませんでした。

「デフレ・しかたない論」が支配的な今の日本には、
こんな大胆な企業はないでしょう。

 

KAVALANウィスキーは、
「Mr. Brown」ブランドのコーヒーを作る台湾大手、
金車グループが設立した蒸留所で、シングルモルトのみです。

 

 

  ●台湾の清酒・純米大吟醸にもビックリ●

当社の今年のFOODEXの展示テーマは、
「世界のサケ、焼酎、梅酒」でした。

アメリカ、ブラジル、韓国、カナダなどの清酒と並んで、
多少の縁あって「初霧」という台湾製の清酒、数本も、
当社ブースに展示していました。

台湾では、TTL(台湾・タバコ・リカー社。
日本の場合と同じく、国営専売公社が民営化された企業)
が、ビール、紹興酒などと合わせて、
清酒「玉泉」を造っているのをご存知の方は多いと思います。

が、この「初霧」はTTL製ではなく、
戦後、台湾初の民間清酒醸造所の製品。
霧峰郷農会(「農会」は日本の農協)が2008年に開業した醸造所です。

http://www.wffa.org.tw/front/bin/ptdetail.phtml?Part=beer01

 

展示会も後半になって、
飾っているだけでは能がない、少し試飲してみようと、
この「初霧」の純米大吟醸を開けて当社スタッフで試飲してみて、、、

ビックリ!でした。

台湾ウィスキーに続き、
台湾清酒「初霧」も素晴らしい出来栄え。
控えめな吟醸アロマの質もよい。

中国故事表現で「白眉(はくび)」というと褒めすぎかもしれないけれど、
英語表現でいえば「イマキュレイト(欠点のない)」は確実。

その後、
当社ブースに来場された日本の大手酒造メーカーの方何人かに、
こっそり飲んでもらいましたが、
皆さんが褒めておられました。

清酒設備や焼酎蒸留機は日本から買ったそうですが、
原料米は、山田錦などの専用米ではなく、
台湾で食用米として人気が高い「益全香米」という種類。
(農協なので自分のお米)

経営者や杜氏さん(両方とも台湾人の方です)が、
よほどの技量なのでしょう。

展示会のあとになって、
台湾国内の販売価格が気になって聞いてみると次のごとし。

 「初霧 純米大吟醸」が600元、1,700円
  「初霧 吟醸」が450元、1,300円
  「不染」(独自酵母を使った最高級品)が880元、2,500円
  (すべて700mlびんの価格)

高すぎもせず、もちろん安売りでなく。
プレミアム感を維持できる、いいところを突いた価格設定ですね。

台湾国内の清酒需要はこの10年ほどで大幅減と聞いています。
多分、日本国内の清酒需要の減少より減り方がひどい。
主に清酒飲酒層の高齢化によるものだと思いますが、
TTLの生産も、日本からの輸出も随分減りました。

そんな環境下でこんな高品質の清酒が、
新規参入者として登場するとは!

「清酒需要逓減・やむなし感」が支配する今の日本には、
新規にサケブルワリーを立ち上げる投資家や企業はないでしょう。

日本国外でこそ、新しいサケ潮流が始まるのかもしれません。

 

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●▲■FOODEX 2010報告、その5

 ■「外国人100人に聞きました」■

フーデックスは海外の出展者がずいぶん多い。

そこで一計を案じて、
当社ブースに立ち寄った外国人100人に、
「サケ・パッケージ・デザインの嗜好調査」を行いました。

漢字ラベル、平かなラベル、浮世絵ラベルなど
典型的なラベルを見せてどのサケが好きかを答えてもらう、
色々な色のサケ壜を見せて買いたい色を選んでもらう、
など4問。

詳しくは近々弊社の「酒うつわ研究」誌で、
写真入りで紹介すると思いますが、
ここでは、文章で報告できる2項目を報告しておきます。

 

 ■外国人はテロワールが好き?■

ダミー裏ラベルサンプルを4種作って
「どの裏ラベルのサケを買いますか?」
と外国人に聞いた結果は、次のごとし。

  1位:「テロワール、地域、AOC」に重点:56人
   2位:「吟醸」であることに重点:21人
   3位:「食とのマッチング」に重点:13人
   4位:「サケ特性」の解説に重点:10人

 

テロワール、地域情報が圧勝。

海外の人は、そのサケがどの地域で作られたものか、
そもそも、日本製かどうかも含めてだとは思いますが、
そんな情報を裏ラベルに期待するようです。

飲んでほしい温度、アロマの種類、日本酒度などの情報は、
ビジュアル表現が難しいせいもあるかもしれませんが、
人気がありませんでした。

 

 ■外国人はサケZORKと冠頭・替栓が好き■

4種のキャップのびんを外国人に見せて、
「どのキャップのサケを買いますか?」
と聞いた結果は、次のごとし。

  1位:「サケZORK」キャップのサケ:38人
   2位:「冠頭・替栓(一升壜用王冠)」のサケ:33人
   3位:最近輸入ワインに多い「ステルヴァン」のサケ:23人
   4位:30mmスタンダードの「PPキャップ」のサケ:6人

 

アンケート取り始めのころは、「サケZORK」圧勝の雰囲気でしたが、
会期後半で「冠頭・替栓」が人気急上昇で、最後はツートップ状態。

意外だったのは、
実際には一番多く利用されているPPキャップが全く不人気だったこと。

どうも、キャップにネジがあると、
清涼飲料にはよくても、サケには高級感不足とみられるようでした。

サケ・焼酎・梅酒等の輸出のパッケージデザインは、
まだまだ検討余地があるなあ、と感じたFOODEX 2010でした。

                    (text=喜多常夫)

 

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さて、ご参考情報の紹介です。

 

ご紹介情報●その1▲「祝!ガラスびんアワード2009受賞」

http://blog.goo.ne.jp/kita-slow_blog/

「ガラスびんアワード2009」の優秀賞に、
はせがわ酒店企画の、
FIFAワールドカップ南ア大会公認「日本の酒」シリーズの
「1.5リットルびん」が選ばれました。

弊社の「セレブ1500」壜と「Sake ZORK」キャップをご採用頂いた商品です。

壜デザインもさる事ながら、
「Sake ZORK」キャップとのマッチングがよかったのだと思います。
http://www.kitasangyo.com/Archive/PDA/PDA_45.pdf

 

 

ご紹介情報●その2▲「メヒーンの6ヘッドビール充填機のビデオ」

http://www.youtube.com/watch?v=wFZ7KZARuOU

アメリカ・メヒーン社の、
コンパクトなインライン型ビール充填機。

新潟、スワンレイク・ビールさんへ納入させていただいた時の、
ビデオ画像です。

地ビールブームの時に日本各地に10台以上納入させていただいて以来、
久しく新規導入がなかったのですが、
近年、また何台かご用命いただいています。

かつては4ヘッドでしたが、
6ヘッドになって使い勝手も向上しています。

ビール充填機のことなら、
きた産業・ルーツ機械研究所にお任せください。

ほかにも、このサイトで色々なラインナップの動画がご覧になれます。

http://www.kitasangyo.com/video-library/video-top.htm

 

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