●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.139 ●▲■
発行日:2010年4月14日(水)
■お酒・アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com
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●▲■ ドイツのワイン機材展示会、
日本の学会・醸造機材展示会(の夢) ●▲■
●▲■ 「サケwatching inミュンヘン」 ●▲■
■▲ドイツはいまのところ「700円未満」クラブ
(text = 喜多常夫)
ご紹介アイテム●1▲「エコロボ」ビール用混合ガス供給装置
ご紹介アイテム●2▲「BRX」LN2滴下つきラボ用ビール缶づめ機
ご紹介アイテム●3▲「BRZ」LN2滴下つきラボ用ボトル缶充填機
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●▲■ ドイツのワイン機材展示会
先月、10年ぶりくらいでドイツのワイン機材展示会、
「インターヴィティス‐Intervitis」に行ったので、
今回は展示会(と学会)について思うところを書きます。
OIV(ぶどう・ワイン国際機構)の速報によれば、
2009年の全世界のワイン生産量は、
2億6,500万ヘクトリットルだったそう。
1位イタリアが4,800万ヘクトリットル
2位フランスが4,600万ヘクトリットル
ドイツは1/5以下の900万ヘクトリットル
ドイツは、ワインを造っているとはいえ、
欧州内ではむしろ英国とならぶワイン輸入大国。
それに、ドイツといえば、ワインよりビール。
業界の皆さんは、ドイツの展示会と言えば
「インターブラウ・ドリンクテック」(ミュンヘン)とか
「ブラウBEVIALE」(ニュルンベルグ)を思い浮かべると思います。
そんなわけで内心、
ドイツのワイン機材展示会は規模が縮小しているだろうなあ、、、
と思いながらシュツットガルトまで出かけたのです。
しかし、
久しぶりに「インターヴィティス」に行ってみると、
フランス、イタリアの主要ワイン機材展示会、
「ヴィニテック展示会」(仏・ボルドー)、
「SITEVI展示会」(仏・モンペリエ)、
「SIMEI展示会」(伊・ミラノ)、
と何ら遜色ない規模と内容。
メードイン・ジャーマニー、という集客力もあるだろうけれど、
実際には仏「ヴィニテック」や伊「SIMEI」に出てくる
イタリア、フランスの常連出展企業が7〜8割の感覚。
市場規模が1/5のドイツで、
これだけの展示会を行うワイン機械産業の活力に感心しました。
ヨーロッパのワイン生産量は中・長期的に明確な減少トレンド。
20年前と比べると、フランスワインは3割減、
イタリアワインは2割減といったところ。
(ドイツの20年前は東西統一の年で統計データが検索できなかったが、
たぶんイタリアと同じく2割減くらい)
その逆風の中でも展示会は連綿と続き、
器材メーカーは展示会ごとに新しい提案を持ってくる、
本当にたいしたものだ、
、、、感心して帰ってきました。
ドイツにはガイゼンハイムという、
世界に冠たる(思わずDeutschland ?ber allesが出てくる、古いか)
ワイン教育・研究拠点があることも効いているように思います。
●▲■ 日本の学会・醸造機材展示会(の夢)
翻って日本はどうか。
かつて日本でも、酒造や醸造関連の展示会があったが、
絶えて久しい。この10年ほど行われていない。
日本の清酒生産量の350万石(2009年)をワイン風に言うと、
630万ヘクトリットル。
単式蒸留焼酎の300万石は540万ヘクトリットル。
二つ足すとドイツワインの900万ヘクトリットルより規模が大きい。
これからさらなる減少トレンドとはいえ、
関連機材の展示会を行うに足る産業規模だと思います。
清酒、焼酎だけでなくビール、ワイン、ウィスキーも含め
酒類の学会発表、または醸友会講演などで、
英語発表も交えてアジアからの参加者をつのり、
それに合わせて展示会を行う、
というのが、私の思うところです。
たとえば次のようなスキーム。
東京で連続5日の「アジア酒類学会ウィーク」をつくって、
「1日目:清酒、2日目:焼酎・泡盛、
3日目:ビール、4日目:ワイン・ウィスキー」
5日目は全国の好きな酒類企業へのエクスカーション(見学)
アジアと世界の醸造技術者を呼び込むために、
半分くらいは英語セッションまたは同時通訳ありとする
当然、外国からの発表者も歓迎する
合わせて「醸造・蒸留・醗酵の機材展示会」も実施
メードイン・ジャパン、という集客力もあるだろう
自動車も家電もアジアのセンターは中国に移りつつあるようですが、
酒類・醸造技術では日本がアジアのセンター、
またはアジアのリーダーとして
日本で学界や展示会をおこなうべきではないでしょうか。
それだけの蓄積と技術があると思います。
「日本酒・焼酎の国際化」もまた、
「日本の醸造・蒸留業界の国際化」に伴って進む部分もあるでしょう。
ビールにしてもワインにしても、
アジアの人はドイツやフランスやアメリカに行かなくても、
日本で勉強できる、
そんな環境も作るべき(作る実力はある)と考えます。
勝手な私見を書きましたが、
放言をお許しください。
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シュツットガルトの「インターヴィティス」の展示の模様は、
ブログで紹介しています。
http://blog.goo.ne.jp/kita-slow_blog/
一部の地ビール関係者には懐かしい
マンハイムの「トラさん」も登場!
「白ワイン用ブドウをホールバンチでポンプに投入するデバイス」、
不活性ガスを使わなくても酸化を極端に低く抑えることができる装置、
なんていうのもでてきます。
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●▲■ 「サケwatching inミュンヘン」
前半、カタい話になったしまったので、
後半は好評の「サケwatching」シリーズ。
ミュンヘンにはたくさんの日本食レストランがあるけれど、
サケの「種類」が楽しめる店はそう多くない。
今回は2軒をサンプリングしてサケ探訪をしてまいりました。
花冷えのミュンヘンで、おでん(!)や寿司を肴に
「李白」
「七田(佐賀・天山酒造)」
「田酒」
「開運」
「獺祭」
「越後鶴亀」、
「加賀雪梅(石川・中村酒造)」
その他諸々の美酒を、鯨飲(?)した写真記録。
「サケwatching inミュンヘン」
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/sake_Munchen.pdf
2ページ目、3ページ目には、
いまやドイツ最大の寿司ベンダー、「ノルドゼー」
(400店舗以上を展開するシーフード・レストラン/テイクアウト)や
回転ずし大手で18店舗を展開する「Sushi Circle」(ドイツ人経営)の写真、
それに、デパート、日本食料品店の、
清酒、焼酎、梅酒の品ぞろえも写真で紹介しています。
●▲■ ドイツはいまのところ「700円未満」クラブ
長くなりますが、最後にドイツ向けの、
清酒、焼酎の輸出統計を紹介しておきましょう。
2009年の貿易統計をみると、
ドイツ向け清酒輸出は1,500石(1石=約180リットル)で、
世界9位の輸出相手国(中国と香港を別カウントして9位)。
ヨーロッパでは英国が1位、ドイツが2位ですが、
過去数年のレンジで見ると、
2007年、2005年、2004年などは英国よりドイツが多い。
2009年のデータを並べて書くとこうなります。
ドイツ:
輸出量1,500石
輸出額1億0,200万円
1.8リットル当たり輸出価格693円
英国:
輸出量1,700石
輸出額1億8,100万円
1.8リットル当たり輸出価格1,081円
誠に勝手な分類ですが、
世界の輸出相手国を1.8リットル当たり輸出価格で、
●「1,000円以上」クラブ
■「1,000円未満700円以上」クラブ
▲「700円未満」クラブ
に分けてみましょう。
●優等生の「1,000円以上」クラブは、
アメリカ、香港、シンガポール、イギリス、フランスなど。
■及第点の「1,000円未満700円以上」クラブは、
中国(883円)、韓国(763円)など。
▲要注意「700円未満」クラブは、
ドイツ(693円)、台湾(543円)、ブラジル(489円)など。
(個人的意見ですが「清酒の1.8リットル当たり輸出価格は、
1,000円以上を目指すべき」と考えます。
財務省貿易統計は酒税抜きのFOB価格(日本の港の船積み価格)。
一方、都心部で売られるNBの2リットル紙パックは、
ご存知の通り小売価格900円台(もちろん税込)が一般的。
これを1.8リットル換算すると800円台、酒税を抜くと700円未満。
語弊があるかもしれませんが、「700円未満」クラブは、
「安売り紙パック清酒を輸出する感覚に近い」のではないかと思います。)
ドイツは2009年が693円で「700円未満」クラブですが、
この5年間をみると徐々に改善されてきている。
2005年 523円
2006年 541円
2007年 554円
2008年 666円
2009年 693円
ドイツはアメリカ製清酒の輸入が特に多い国。
多分、数百石は入っている。
日本製清酒がアメリカ製清酒と棲み分けるためにも、
2010年は「1,000円未満700円以上」クラブへの昇格を祈ります。
日本酒、がんばれ!
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焼酎は、
まだまだ絶対量が少ないとはいえ、
やはりドイツと英国がヨーロッパの輸出先の双璧。
これも並べて書くとこんな具合。
ドイツ:
輸出量70石
輸出額1,300万円
1.8リットル当たり輸出価格1,820円
英国:
輸出量60石
輸出額800万円
1.8リットル当たり輸出価格1,433円
(注:財務省統計には本格焼酎のほか、連続蒸留焼酎を含む)
ミュンヘンの日本食料品のご主人によれば、
「清酒、梅酒はドイツ人が買うけれど、
焼酎はまだ日本人が買うケースがほとんど」
ということでした。
今後ドイツ人に焼酎をどう拡販していくかが課題でしょう。
焼酎も、がんばれ!
(text=喜多常夫)
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さて、ご参考情報の紹介です。
●▲■ ご紹介アイテムその1:ROOTSディビジョン ●▲■
「エコロボ」ビール用混合ガス供給装置
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/gas/ECO2_ROBO_ed.1.1.pdf
樽からビールを押し出すとき、
「窒素と炭酸の混合ガス」を使うことで、
炭酸ガス(温暖化ガス)使用量を減らすのはもちろん、
オーバーカーボネーションを防ぎ、
注ぐときのロスも少なくなります。
また、飲み比べをすると8割近い人が
「混合ガスのビールが飲みやすい」と回答。
エコロボは、窒素ガス発生装置を内蔵した、
混合ガス供給装置です。
YouTubeでビデオもご覧いただけます。
http://www.youtube.com/watch?v=6GBDcIRXNJ8
●▲■ ご紹介アイテムその2:ROOTSディビジョン ●▲■
「BRX」LN2滴下つきラボ用ビール缶づめ機
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/machine/BRX_jpn_.pdf
世界唯一の、
液体窒素滴下装置つき、ビール・炭酸飲料のラボ用缶詰め機。
内外の大手ビールメーカーの研究所でご採用いただいています。
●▲■ ご紹介アイテムその3:ROOTSディビジョン ●▲■
「BRZ」LN2滴下つきラボ用ボトル缶充填機
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/machine/BRZ_JPN_ed01_1.pdf
世界唯一の、
液体窒素滴下装置つき、ボトル缶の充填機。
無ガス飲料用です。
「BRX」と「BRZ」のビデオは下記でご覧いただけます。
http://www.kitasangyo.com/video-library/video-top.htm
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●▲■バックナンバー閲覧可能!「メルマガ・クロニクル」
http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html
2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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