●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.146 ●▲■
発行日:2010年 11月16日(火)
■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■

発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

 

 

------------------< 目 次 >------------------

 

●▲■ 韓国・ソウル、居酒屋サケ事情 @2010 ●▲■

第1ラウンド:
「日本語メニューありの日式居酒屋」
         vs.「ハングル文字メニューのみの日式居酒屋」
第2ラウンド:
「紙パックの日本清酒」vs.「びんの日本清酒」
第3ラウンド:
「日本清酒」vs.「韓国清酒」
第4ラウンド:
「日本清酒」vs.「アメリカ清酒」

 

              (text = 喜多常夫)

 

ご紹介情報●1▲「スローなブログ」で「47都道府県」続行中
ご紹介情報●2▲ フランス「ZALKIN」のキャッパー
ご紹介情報●3▲「加熱機能付き容器」、25年で6,000万缶達成

 

 

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韓国向けの清酒輸出が絶好調なことや、
韓国の居酒屋の繁盛ぶりは、業界で話題になるところ。

先月、ソウルに2泊3日で出張する機会がありました。
昼は仕事なので、2晩のみの限られた時間でしたが、
「日式居酒屋」のサケ・ショーチュー事情を観察してきました。

 

 

以下のメルマガ本文は、
この写真資料を参照しながら読んでもらうとわかりやすいです。

「ソウル居酒屋サケ事情 @2010」(2ページ)
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/Sake_Seoul_2010.pdf

 

●▲■ 居酒屋対決・第1ラウンド ●▲■
  「日本語メニューありの日式居酒屋」
       vs.「ハングル文字メニューのみの日式居酒屋」

 

ソウルの繁華街と言えば明洞(ミョンドン)が有名ですが、
最近は河南(カンナム)がとても賑やか。

「明洞と河南」を「銀座と原宿」に例えるガイドブックが多い。

しかし、漢江(ハンガン、ソウルを横切る大河)をはさんで
上下にある位置関係をみると、
むしろセーヌ川をはさむ
「シャンゼリゼとサンジェルマン」という感じ。

若者は、河南、原宿、サンジェルマンを好むよう。

 

日本語を強制していた占領時代が終わって
しばらくは、韓国の文章は漢字混じりだった。
しかし戦後すぐに「ハングル専用化運動」がおこり、
1970年代に学校で漢字を教えなくなり、
90年代に大手新聞からも漢字表記が消えたという。

いまやソウル市内を歩くと、
看板はほとんどハングル文字オンリー。

なのに、河南の繁華街を歩くと、
漢字を含む日本語看板の居酒屋が目立つ。

 

        「北海道おでん」
        「鳥まる」
        「ゆい内」
        「あじ彩」
        「庵・いおり」
        「ひかる」
などなど、

たぶん、意図してと思うけれど、
「漢字のみ」より、
「漢字・ひらがな交じり」または「ひらがなのみ」
の店名が多いような気がした。

 

さて、日式居酒屋
(「日本式」でなく、「日式」が通りがいい)
を観察すると2つのタイプに分けられる。

 

●タイプ1は、
        「日本語メニューありの日式居酒屋」。

これは日本語のインターネットでもすぐ検索できるし、
日本人ツーリストにも入りやすい。

 

●タイプ2は、
        「ハングル文字メニューのみの日式居酒屋」。

こちらは、もちろん日本語が通じない。

 

ただタイプ1もタイプ2も間違いなく、
日本の清酒が数銘柄、
それにアサヒ、キリンなど日本のビールが
(店によっては日本の地ビールも!)ある。

焼酎はというと、
タイプ1はほぼ必ず日本製焼酎があるが、
タイプ2の場合、韓国焼酎(焼酒・Soju)に押されて?
日本製焼酎は置かない店も多いようである。

料理は、タイプ1もタイプ2も、
おでん、焼き鳥、刺身、おひたし、揚げだし豆腐、、、
などなど、日本の居酒屋そのもの。

両タイプとも繁盛しているようだが、
タイプ2のほうが地元の若者たちやカップルが多く、
より繁盛の様子である。

また、店の数(=潜在市場サイズ)も、
タイプ2のほうが、「はるかに」多いように感じた。

 

 

 

●▲■ 居酒屋対決・第2ラウンド ●▲■
    「紙パックの日本清酒」
vs.「びんの日本清酒」

若者の街、河南(カンナム)で、
タイプ2の
「ハングル文字メニューのみの日式居酒屋」に挑戦。

ただ当方、ハングルは全く読めない。

店頭で、日本語で尋ねると、、、
「◎♪!▽×◇□?(チンプンカンプン)」

英語で尋ねると、
        「日本語メニューはないが英語メニューはある」
ということだったので、安堵して席に着く。

 

店の名前は「北海道おでん」。
4人席のテーブルが20くらいある店内は、
若者や会社員で満席。

 

驚いたことに、各テーブルに1個、
いろいろな銘柄の「清酒500ml紙パック」(中身は空)
が置いてある。

サケのプロモーションの意味だろう。

清酒メニューをみると、
まず「500ml紙パック」が数銘柄があって、
その下に「壜入り清酒」の銘柄がある。

 

日本では、
紙パックをテーブルに置いたり、メニューに載せるのは、
ありえないと思うが
(安売り紙パックを壜に詰め替える悪質業者はいるだろうが)、
どうもソウルの日式居酒屋では、
「紙パック・サケ」は普通なよう。

ワインでたとえて言えば、
「ロンドンでフランス風カフェに入って
        ハーフ・リットルのワインを頼んだら、
        カラフェならぬ、テトラパックのワインが出てきた」
ような状況か。

この店を見渡すと、
一番多いのはビールと韓国焼酒を飲む人だが、
清酒を飲む人も結構いて、
確かに紙パックで飲んでいるテーブルもあった。

 

韓国向け清酒輸出は急成長しているが、
輸出単価はアメリカ向けのほぼ半分で、
まさに「安売り紙パック」なみ輸出価格である。

(2010年1〜9月の清酒1リットル当たりFOB価格は
■韓国向け456円、■アメリカ向け865円。
なお、焼酎輸出についても書いておくと、
2010年1〜9月の焼酎1リットル当たりFOB価格は
■韓国向け419円、■アメリカ向け647円。
−財務省貿易統計による)

 

「居酒屋で紙パックから飲むスタイル」が、
将来有望な韓国の清酒マーケットを
安売り競争に巻き込む要因や、
清酒全体のイメージ低下にならぬよう祈るものです。

 

日本にやってくる大勢の韓国人ツーリストは、
DSやスーパーで日本の清酒紙パックの実態を見て帰るのですから。

 

 

 

●▲■ 居酒屋対決・第3ラウンド ●▲■
   「日本清酒」vs.「韓国清酒」

さて、当方はやはり、びん入りを飲みたい。

この店(「北海道おでん」)のメニューにあるびん入り清酒は、
大手ブランドでは
        ■「月桂冠」、「黄桜」、「白鹿」
地方ブランドでは
        ■「ねのひ」、「李白」、「越の華」
がある。

スパイシーな?おでんをつつきながら、
順に各銘柄を飲んで日本酒を愛でる。

やはり、日本酒は美味しい。

 

メニューをよく見ると
韓国製清酒の
■「清河(チョンハ)」
もある。
(英語メニューの表記は、Korean rice wine, Chongha)

アルコール度数13%で、冷やして飲む清酒。

1980年代に発売され、
90年代に韓国で大ヒットした製品と聞いている。

日本酒(偶々、新潟の「越の華」)と飲み比べてみた。

麹のせいか、酵母のせいか、米処理のせいか、、、
日本清酒とは酸味が明らかに違う。

でも、
スパイシーな韓国味にはむしろ合うのかもしれない。

 

「清河」は、90年代は、
ラベルに漢字表記で清河と書いてあって、
一見、日本製清酒と区別が難しかったように記憶するが、
冒頭書いたとおりのハングル化推進のため、
今は「清」の文字がデザイン的に残っているだけ。
あとはハングルなので、
パッケージ外見の上からも日本製清酒との混同はない。

 

余談ながら、、、
写真では見えない(実物を見ても気づかない人が多い)が、
「清河」のキャップには
政府管轄の封緘紙が「うっすら」印刷されている。

その他の韓国のお酒のキャップも同じ。

韓国では酒類は、キャップで管理されていて、
酒造メーカーは充填時のキャップのロスを、
厳密に申告しなければならない。

現在3社あるキャプメーカーには、
税務署出身の幹部も多いそうである。
(価格競争がなさそうでウラヤマシイ、、、
― 同じキャップメーカーとしての独白)

 

なお、飲み比べた「越の華」はじめ、
この日飲んだ多くの日本酒ののキャップは、
「KK」マークの入った、きた産業製でした。

ご愛顧、ありがとうございます。

 

 

 

●▲■ 居酒屋対決・第4ラウンド ●▲■
「日本清酒」vs.「アメリカ清酒」

次に、タイプ1の
「日本語メニューありの日式居酒屋」に入ってみる。
店の名前は「あじ彩」。

 

このお店は日本人の方が料理長で、
日本語で不自由なく注文できる。
刺身、魚料理がおいしいし、鍋物もある。

 

お酒メニューをみると、清酒は
        ■「月桂冠」、「菊正宗」、「黄桜」、「白鹿」、「剣菱」
など。

やはり紙パック清酒もメニューにあるのと、
日本であまり聞かない銘柄もいくつかある。

 

焼酎では
        ■「白波」、「いいちこ」、「美山」(月桂冠)、
        ■「さつま司」、「かのか」(アサヒの甲乙混和)
となっている。

この店は日本人ビジネスマンらしい客も多く、
「白波」、「いいちこ」をテーブルに置いている人が多かった。

 

お酒メニューには容量も記載されていて、
月桂冠の中壜だけは「720」ならぬ「750」と書かれている。

ピンと来て頼んでみると、
やはり米国月桂冠の製品。

日本製のお酒(この場合偶々、「白鹿」)と飲み比べてみたが、
やはり、日本製清酒と米国製清酒は、
基本的なキャラクター(設計?)が違うように感じる。

 

すぐ隣の日本の清酒より、
フードマイレージがはるかに多いアメリカの清酒ほうが、
コストメリットがあるのだろう。

日本製の500ml紙パック清酒がどの銘柄も4万ウォンに対し、
750ml米国月桂冠は3万7,000ウォンとむしろ安い。

ただ、一方で、
お店で一番高い清酒もやはり月桂冠(「鳳麟(ほうりん)」)で、
720mlびんが15万ウォン!

 

昨今、
韓国はFTA(自由貿易協定)に積極的で、
日本は出遅れているとの報道が盛ん。

日本からの輸入は関税が高いのではないかと思うし、
もとより日米では原料米の価格が違いすぎる。

月桂冠以外の米国製清酒や、
オーストラリア製清酒も入っていると聞く。

 

韓国向け清酒輸出の直近のデータは次のごとし。
■今年の2010年1〜9月:1,652KL(=9,178石)
■前年の2009年1〜9月:1,199KL(=6,662石)
(財務省貿易統計による)

実に「38%増!」の急成長ぶりである。
(前回メルマガで、ゲリーが書いていた、
ベトナムの「50%増!!」には及ばないが)

 

こんな韓国における清酒市場の成長ぶりを鑑みると、
そのうち、
ベトナム製清酒や中国製清酒も入ってくるかもしれないし、
韓国製清酒もラインナップが増える予感を感じる。

 

国際色豊かな状態で、
メード・イン・ジャパン清酒のブランド力を守る、
中・長期戦略が必要である。

(韓国編、次回に続く予定)

 

                 (text = 喜多常夫)

 

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さて、参考情報の紹介です。

 

●▲■ ご紹介情報 その1 ●▲■

「スローなブログ」で「47都道府県で、きた産業!」続行中
http://www.kitasangyo.com/topics.html

 

きた産業は、北海道から沖縄まで、
日本全国でお取り引きいただいています。
営業担当者が早回りでご紹介する47都道府県めぐりブログです。

直近3本では、
●富山・石川・福井編(お取引先の紹介など)
●東京編(「JOY OF SAKE」、東京に初上陸)
●静岡編(静岡県地酒まつりなど)
を掲載しています。

その前は、「47都道府県」ではないのですが、
●当社幹部の紹介(新年度キックオフ会議@大阪本社)
を掲載。

 

 

●▲■ ご紹介情報 その2:ROOTSディビジョン ●▲■

フランス「ZALKIN」のキャッパー
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/machine/Zalkin_brochure.pdf

当社は、2009年から、
キャッパー大手、(フランス)ザルキン社の日本代理店です。

既存機のオーバーホールやメンテナンスはお任せください。

スタンドアロンの半自動機「ZALKIN TM-3」もあります。
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/machine/Zalkin_TM_3_ed02.pdf

 

 

●▲■ ご紹介情報 その3 ●▲■

「加熱機能付き容器」、25年で6,000万缶達成
http://www.kitasangyo.com/SHC-System/SHC-System.htm

 

おかげさまで、「加熱機能付き容器」は、
1986年の発売以来25年で6000万缶を達成。

ご愛用ありがとうございます!

当社は、「加熱機能付き容器」の生産、販売について
ISO9001認証を取得しています。

 

 

 

 

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