●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.16 ●▲■ 
    発行日:2002年11月28日(木) 
 ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:喜多産業株式会社 http://www.kitasangyo.com
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    イントロ:「止まらぬ製造業の中国シフト」
   清酒に見る「日本の製造業かくあるべし」2例
  「一ノ蔵」さんの本社蔵と、「宝酒造」さんの白壁蔵
  製造業のキーワードは「アート」&「サイエンス」!?

ご紹介アイテム:
  ●1▲「SYAREボトル180」、高付加価値商品に!
(参考資料)180mlと200mlの商品企画のための参考資料
  ●2▲「蔵元直送酒の量り売りシステムのご提案」
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喜多産業は金属加工業(コア・ビジネスは金属キャップ製造)なので、
金属材料メーカーさん、金属加工機メーカーさんと話をすることが多い。
で、最近は寄るとさわると「製造業の中国シフト」の話ばかり。

金属製品はもちろん、電気製品、パソコン、衣料、食品、、なんでも中国製。
実際、キャップのごとき(と卑下するのもヘンだが)わが業界でも、
2002年を振り返っての最大の話題は、
業界大手のアルコア・クロージャー・システムズ(店頭上場企業)が
中国工場を開設して日本に飲料用キャップを供給開始した、ということです。

デフレ、景気後退、市場縮小がますます進行し、
経済基礎となるべき銀行や金融システムまで不安が募る状況で、
当社も、存在価値ある製造業としていかに生き残るかを、
日夜まじめに考え、悩んでいる今日この頃です。

製造業が中・長期的な意味で存続するための条件は、、、
 (1)独自技術、他社にない技術がある
 (2)価格競争に勝ち抜けるだけの競争力がある
 (3)ブランドか、信用か、さもなければ市場支配力(シェア)がある
 (4)顧客第一でマーケティングできる体質である
 (5)次世代に引き継ぐ人材の育成ができる企業である
などでしょう。この経済情勢下、(2)の低価格こそキーポイント、
と見られがちですが、実際に製造業が存続していくためには、
当然(1)、(3)、(4)、それに(5)も非常に重要でしょう。

そんな中で、この11月、非常に印象深い対照的な2つの清酒工場を、
続けて見学させてもらうチャンスに恵まれました。
宮城県の「一ノ蔵」さんの本社蔵と、「宝酒造」さんの灘の白壁蔵です。

アプローチの仕方はまさに正反対ですが、どちらも、
「日本の製造業かくあるべし」を具現化された工場と感じいりました。

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■その1>「一ノ蔵」: Traditional way in Modern

平成5年竣工の、まだ新しい「一ノ蔵」さんの本社社屋は、
うっそうとした森の中に忽然と現れます。
醸造蔵は事務所と一体に有機的に作られており、
見学通路に回ると清潔で近代的な工場レイアウトゆえ、
さぞハイテク、、、と思うとさにあらず、どの工程も手作業の連続。

製麹(せいきく)は、清酒業界の皆さんならご存知の、
昔ながらの木箱による「麹蓋」(こうじぶた)方式。
吟醸だけでなく、なんと2万石強全量(一ノ蔵は全量特定名称酒)について、
完全手作業で、麹の「盛り」や「仕舞仕事」をやっている。

さらに、米を蒸すのは連続蒸米機でなく、なんと「甑」(こしき)!
見学通路の窓のすぐ向こうに甑が見えていて、人間が蒸米を取り出す。
蒸米を出すときには甑が傾くようにはなっているそうですが、
小さな蔵ならいざ知らず、2万石強分の蒸米を甑から掘り出すなんて、
どんなに大変だろう、と要らぬ心配をします。
見学通路から見る限り、酒造りにかかわる人は例外的に多く、
数十人(!)は見えました。人件費はとても大変なはずだと思います。

伝統の技を守って「手づくりを堅持する」が基本方針とのことです。
人件費負担を補って余りある高品質とブランドを創る、経営哲学でしょう。
「ここまでこだわった生産方式はとても他社では真似できない」、
と心底感心しました。

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■その2>「松竹梅白壁蔵」: Modern solution based on Tradition

バイオ事業は分社化されましたが、宝酒造さんは清酒、焼酎、
缶チューハイ、みりん、に加え、醸造用アルコールも生産する、
日本を代表する総合アルコール飲料メーカーです。

清酒ブランドはご存知「松竹梅」でメイン工場は伏見(京都市)ですが、
私が見学させてもらった新しい蔵「白壁蔵」は、
灘工場(神戸市)内に新設され、2001年末から稼動しているものです。
松竹梅は全体で20数万石の生産量ですが、
うち白壁蔵は約1万石程度の生産で、高付加価値製品を担当する由。

6階建てのモダンな外観の白壁蔵には、
最新の「連続式蒸米機」、高度に環境管理できる「自動製麹機」、
新機構の攪拌装置つき「醗酵タンク」など、ハイテク設備が配置され、
たぶん、たった数人(!)で工場全体が稼動できそうです。

ただ仕込み方法は伝統的な「山廃もと」や「速醸もと」で、
各工程は「人間の判断」ではじめて動くように構成されているそう。
蔵のコンセプトは「伝統的清酒つくりのプロセスの実現」とのことで、
松竹梅白壁蔵のホームページをそのまま転載させてもらうと、
「総合的な知識や経験を兼ね備えている杜氏がすべての条件を判断して
造り手に指示をだし、機械の運転条件をその都度決めます」
「白壁蔵では、若い造り手たちに、受け継がれてきた杜氏の技と勘を、
そして酒を造るよろこびを伝えていきたいと考えます」

一ノ蔵さんと同じく「つくり手(人)や伝統手法」にこだわりながらも、
その取り組み方はまったくもって対照的でした。

それに、「清酒設備にここまで投資するとは!!」
と驚いたのが正直な印象。素人が見ても設備投資額はハンパではない。
清酒にかけるよほど強い意志や将来戦略ビジョンなしには、
この日本の経済環境下でこんなお蔵を新しく建てることはできない。
「とても他社では真似できない」、と心底感心しました。

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二社のサブタイトルに、"Traditional way in Modern"、
" Modern solution based on Tradition"と、
表現させてもらいましたが、

製造業の存在価値をさらに突き詰めると、
Traditional(伝統)をArtistic(アート=芸術・感性)に、
Modern(近代的)をScientific(サイエンス=科学・技術)に、
呼び替えたほうが妥当かもしれない、
「アート」&「サイエンス」こそ製造業生き残りのキーワード、
ではないかと思いました。

いずれにせよ、冒頭述べたようにアプローチの仕方は正反対ですが、
逆風環境下の清酒で「日本の製造業かくあるべし」の実例を、
目の当たりにさせてもらった気持ちです。
喜多産業も「製造業かくあるべし」を目指して、がんばります。

なおご参考に、一ノ蔵さんのホームページは、、、
http://www.ichinokura.co.jp/home.html

宝酒造さんの白壁蔵は、、、
http://www.takarashuzo.co.jp/shirakabegura/index2.htm

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さて、今回のご紹介アイテムです。

●▲■ ご紹介アイテムその1:K2ディビジョン ●▲■ 
「SYAREボトル180」、高付加価値商品に!
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/share180.html

当社オリジナルの180mlびん「SYARE(しゃれ)ボトル」は、
女性需要、ギフト需要、コンビニ需要、それにお銚子壜需要など、
複数のセグメントを多面的にカバーするべく企画した壜です。
清酒、焼酎、泡盛などにご検討ください。

なお、下記の資料は上市されている180mlや200mlの壜を、
撮影した資料です。参考にしてください。

(参考資料その1)180mlの商品企画のための参考資料
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/180ml.html
(参考資料その2)200mlの商品企画のための参考資料
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/200ml.html

●▲■ ご紹介アイテムその2:K2ディビジョン ●▲■ 
「蔵元直送酒の量り売りシステムのご提案」1-2ページ
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/hakariuri_SUR.html
「蔵元直送酒の量り売りシステムのご提案」3-4ページ
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/hakariuri_SUR.html

本メルマガ9号でも量り売りのご紹介をしましたが、
最近非常にお問い合わせが増えています。
上記資料は、弊社発行の「酒器研究」に以前掲載したものですが、
いろいろヒントになる情報が詰まっていると思います。
量り売りの樽システムや機材については、
喜多産業にご照会ください。

(text:喜多常夫 なお、今回メルマガのテーマに
させていただいた一ノ蔵さん、宝酒造さんは、
ともに喜多産業のお客様です。ありがとうございます。)
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紹介商品に関するお問い合わせは、営業部まで。
西日本担当:大阪営業部 
tel.06-6731-0251 osaka@kitasangyo.com
東日本担当:東京営業部 
tel.03-3851-5191 tokyo@kitasangyo.com
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