●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.185 ●▲■
     発行日:2013年9月17日(火)
  ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■

発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

 

------------------< 目 次 >------------------

●▲■ サケ小売店3店ウォッチング@和蘭陀&英国 ●▲■

●■ ヨーロッパ初のサケ専門店「サケリシャス」
●■ ワイン専門ながらサケも充実「ヘドニズム・ワイン」
●■ 欧州随一のサケ銘柄数「ジャパンセンター」

<おまけ>キリン、アサヒ、サッポロ@英国&欧州大陸&米国西海岸

                  (text = 喜多常夫)

ご紹介情報 ●1▲「スパークリング・サケ設備、7つの設置事例」
ご紹介情報 ●2▲「AZK」(サケびん口対応キャップ)の汎用品
ご紹介情報 ●3▲「ISO 9001、東京支店も取得」

 

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

 

7月にアムステルダムとロンドンに行ったのですが、
そのとき立ち寄った3つの特色ある「サケ小売店」について書きます。

以下の写真資料を参照しながら本文を読んでもらうと、
よりわかり易いいと思います。

      ●▲■ アーカイブ資料 ●▲■

「サケ・ウォッチング@ロンドン
   小売店3態+日本食レストラン3態+マイクロ蒸溜所」(6ページ)
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/sake_London_2013.pdf

      ●▲■ アーカイブ資料 ●▲■

「サケ・ウォッチング@アムステルダム
        小売店+居酒屋+マイクロ蒸溜所」(4ページ)
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/sake_Amstrdam_2013.pdf

 

 

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

 

●▲■ ヨーロッパ初のサケ専門店
       「サケリシャス」@アムステルダム ●▲■

「サケ+デリシャス(美味しい)」からつけた名前でしょう。
オランダ人のTimさんが2012年に始めたお店で、
「ヨーロッパ初のサケ専門店」を自称。

アメリカでは、SF、NY、シアトルにサケ専門の販売店がある。
しかしヨーロッパのサケの小売店は、、、

あとで紹介するロンドンのサケのお店は、
選りすぐりのサケ銘柄を取りそろえているけれど、
本業はワイン専門店や日本食品販売であって、
サケ専売ではない。

パリでは、サケ専門店「Ise? Bis」が2011年に開業して、
素晴らしいサケ銘柄を扱っているが、
飲むためのカウンター席もあるので飲食店兼業ともいえます。

サケリシャスは日本食品販売や飲食店を兼業していない。
その点で、たぶん本当に「ヨーロッパ初のサケ専門店」。
(但し、日本ビール、日本ウイスキー、梅酒など、
サケ−清酒−以外の日本の酒類はおいていますが。)

オランダは、
東インド会社全盛の時代から日本と歴史的な縁が深いし、
「欧州サケ5大輸入国」(=英・仏・独・蘭・伊)の1つだから、
ヨーロッパ初のサケ専門店がオランダにできるのは
自然な成り行きと言えるかもしれません。

英・仏・独・伊に比べて、蘭は圧倒的に人口が少ないので、
一人あたりサケ消費量はたぶん欧州一でしょう。

 → このお店のサケのラインナップは、、、
     大七、福光屋、御前酒、南部美人、
     梵、仙禽、浦霞、土佐鶴、久保田、
     雪の茅舎、秋鹿、木戸泉、近江酒造、など

 → サケリシャス専用レーベルもあって、、、
     木下酒造製(英国人のハーパーさんが杜氏)

 → 大手では、、、
     月桂冠、黄桜、白鹿、大関、など

日本でも珍しい貴醸酒、長期熟成古酒、
それにスパークリング・サケも各種あって、
サケ全般を網羅しています。

それぞれの壜にはそのサケの製品情報、
サケのタイプ、産地、テースティングコメントなど、を書いた、
サケリシャス・オリジナルの「首かけ」がついていて選びやすい。

 (ちょっとPR:まだまだ欧米の消費者にとっては、
   サケブランドをどう選択したらいいのか情報が少ない。
   積極的に裏ラベルに英文で説明すべきだ、といつも感じます。
   当社の関連会社、大晃印刷は海外向けラベルの提案をしています。
   ご照会ください。)

720mlびんで30ユーロ台が大半で、
リーズナブルな価格設定であるなあと感心しました。
(1ユーロ130円とすれば4,000〜5,000円くらい。)

- - - - - - - - - - - - - -

サケリシャスでは日本ビールも観察しました。

大手3社の330ml小壜を販売しています。
ただし日本製でなく、全て委託生産品。
裏ラベルにぎっしり書かれた小さな文字列をよーく観察すると、、、

 ●「キリン一番」は、
   「ドイツ、ヴァイヘンシュテファン醸造所」と委託先を明記。
  ●「アサヒスパードライ」は、
   「チェコ製」と生産国だけ記してある。委託先名はない。
  ●「サッポロプレミアム」は、
   「Brewed & bottled under license in the EU」とだけあって
    具体的な生産国・委託先は不記載。

あとで、ロンドンとサンフランシスコで売られる、
同じビール3社のラベル表記について述べますが、
委託先はそれぞれ違って、味も結構違います。

 

サケリシャスには、
大手銘柄のほかにも小壜のビールがいくつか並んでいる。
日本の地ビール?と思いきや、そうではなかった。

たとえば「生・IKI」というビールを観察すると、
「柚子と煎茶を使った生きビール」と日本語表記がある。
日本製かなと思ったが、あにはからんや、ベルギー製。

また「欧和・OWA」というラベルのビールには、
「Brewed by Japanese Brewer in Belgium」
と書かれていました。

大手3社を含め、ビール類は日本製でないけれど、
日本発の銘柄、あるいは日本文化にインスパイアされた商品、
という点では首尾一貫しています。

Timさんに聞くと、
なんと本人は日本に来たことがない(!)そうで、
それでよくサケ専門店をはじめたなあ、と驚きましたが、
日本のサケにホレ込んでいる事はよくわかりました。

 

 

●▲■ ワイン専門店でありながらサケも充実
         「ヘドニズム・ワイン」@ロンドン ●▲■

オランダから国が変わって英国。
ロンドン中心のピカデリーからの徒歩圏内には、
いくつもサケ(日本酒)を販売する小売店がある。
そのなかでサケ関係者は一度訪れるべきお店、と思ったのが、
「Hedonism Wines」というワイン専門店。

「ロンドン中心部のワイン専門店」イコール、当然ながら、
「世界最高水準のワイン店」であるわけで、
広い店内に実に豊富なワインコレクションを持つ。
なんと日本ワインの「甲州」も3種ありました。
(中央葡萄酒、丸藤葡萄酒、山梨ワイン)

そして、驚いたことに、
お店の一角の冷蔵ショーウィンドーには、
たくさんのサケ(清酒)コレクションが!

 → このお店のサケのラインナップは、、、  
     浦霞、真澄、出羽鶴、天狗舞、黒龍、
     土佐鶴、久保田、手取川、獺祭、
     i sake、明石鯛、など

 → 大手銘柄は、、、
     残念ながら、おいていませんでした。

ヘドニズムワインではサケは「全て」冷蔵保管。
実際のサケの回転率はそれほどよくないだろうから、
冷蔵で「老(ひ)ねる」リスクを大きく低減できてありがたい。
品質管理に好感を持ちました。

私が立ち寄った時には偶々不在でしたが、
資格を持つサケ専門の販売担当者もいるとのことでした。

 

ウイスキー売り場もあるのですが、
スコッチばかりでなく、ジャパニーズが相当量並ぶ。
サントリー、ニッカのほか、イチローズモルトも各種ある。

そして本格焼酎も数種類が置いてある。
(二階堂、西酒造、知心剣、一刻者、など)

日本人経営ではないのにこれだけ日本の酒類を網羅するとは!
驚きのお店でした。

なお、「ヘドニズム」とは、「快楽主義」のことです。

 

 

●▲■ ヨーロッパ随一のサケ銘柄数
        「ジャパンセンター」@ロンドン ●▲■

ヘドニズムワインから歩いて10分くらい。
古くから日本人観光客におなじみの「ロンドン三越」の隣に、
「ジャパンセンター」があります。

日本食材を大規模に販売するお店で、
サケについても実に豊富な銘柄がそろっています。

 → このお店のサケのラインナップは、、、 
     八海山、久保田、大七、梵、初孫、
     浦霞、天鷹、高清水、爛漫、楯野川、
     香住鶴、満寿泉、開運、南部美人、
     鷹長(油長)、羅生門、菊姫、春霞、
     雪の茅舎、桜室町、まんさくの花、、、
     ほか、たくさん

 → 大手では、、、
     月桂冠、松竹梅、大関、白鹿など

 → スパークリングでは、、、
     月桂冠ZIPANG、松竹梅・澪、泡々酒など

 → カリフォルニア産サケでは、、、
     月桂冠、松竹梅、大関、の様々な製品
     (日本製より価格が安い。)

サケ銘柄数では間違いなく英国随一、
たぶん、ヨーロッパでも随一だろうと思います。
冷蔵棚と常温棚で分けて管理されているのも好ましい。

「月桂冠」には特に力を入れているようで、
専用の棚があって多くの製品が揃っているほか、
月桂冠とジャパンセンターの連名パンフレットもある。
「月桂冠を楽しむ(若かりし頃の)エリザベス女王」
の写真なども飾ってあって、英国国民にアピールしそう。

一方、ジャパンセンターでは
焼酎や日本ウイスキーにはあまり力を入れていないようで、
キャッシャー後ろの高い棚に数種類あるだけでした。
手が届く棚には並んでいませんでした。

- - - - - - - - - - - - - -

実は、「ジャパンセンター」(とお隣の「ロンドン三越」)は、
2013年9月(今月)でお店をしめる(!)ので、
記録の意味でも紹介した次第。
ただ、三越は「閉店」だけれど、
ジャパンセンターは「移転」だそうです。
ただ、私が訪問した時点では移転場所未定、とのことでした。

なお、ジャパンセンター近く、
ピカデリー北のBrewer St.(※)あたりには、
他にもいくつか日本食材やアジア食材の専門店があって、
サケも各種がそろっています。

ただこれらのお店を今回のぞいた範囲では、
品揃えや棚取りなど、かつて(5年前、10年前)より
サケに対する情熱が薄れたように見えました。
ご近所のジャパンセンターのサケ品揃えが、
あまりにも豊富なこともあったのでしょう。
が、ジャパンセンター移転で、また様子が変わるかもしれません。

 (※)Brewer Streetという名前からして、
   かつてビール醸造所でもあったのでしょうか。
   マイクロ・サケ醸造所を作るのにふさわしい名前であるなあ、
   と思います。
   ロンドンでは最近、
   マイクロ蒸留所(ジンなどのスピリッツ)が増えている。
   蒸留釜の最低容量基準が緩和されたことによります。
   たぶん、法律的にマイクロ・サケ醸造所も可能だと思います。
   「ロンドンとNYには10年以内に、
   マイクロ・サケ醸造所ができる」と、個人的には予測しています。

 

 

●▲■ キリン、アサヒ、サッポロ飲み比べ
     @英国&ヨーロッパ大陸&アメリカ西海岸 ●▲■

ジャパンセンターでは、日本ビールも観察しました。

「キリン一番」、「アサヒスーパードライ」、「サッポロプレミアム」
の3種が、小壜入り(330ml)で冷蔵リーチインに並んでいます。
キリンだけ少し高くて£1.90、他は£1.70。

英国で販売される壜ビールは、
ラベルの記載によれば以下のような委託状況。

 ●「キリン一番」は、
   「英国のWells & Young’s 社」と委託先を表記。
  ●「アサヒスパードライ」は、
   「英国のShepherd Neame社」と委託先を表記。
  ●「サッポロプレミアム」は、
   「Brewed & bottled under license in the EU」と表記。
    オランダで見た物と同じです。

 

先述の、オランダの状況(=欧州大陸の国々の状況)を、
ペーストで再録すると、

 ●「キリン一番」は、
   「ドイツ、ヴァイヘンシュテファン醸造所」と表記。
  ●「アサヒスパードライ」は、
   「チェコ製」と生産国だけ表記。
  ●「サッポロプレミアム」は、
   「Brewed & bottled under license in the EU」と表記。

税金や流通コストの関係でしょうか、
キリンとアサヒは、英国と欧州大陸で委託先が違います。

実は7月のヨーロッパのあと今月9月はアメリカ出張があって、
この原稿を書いているのは米国サンフランシスコのホテル。
昨晩、当地でも3社の日本ビールを飲みくらべたのですが、
ラベルで見たアメリカ西海岸での委託先はこんな具合。

 ●「キリン一番」は、
   「米国のアンハイザー・ブッシュ(AB)社」と委託先を表記。
    かつて表記はAB社の西海岸CA州のLA工場のみだったけれど、
    最近は東海岸VA州のウィリアムズバーグ工場も併記される。
  ●「アサヒスパードライ」は、
   「カナダのMolson Canada社トロント工場」と委託先を表記。
  ●「サッポロプレミアム」は、
   「カナダ、オンタリオのSapporo Brewing Co.」と表記。
    以前はSleeman社(サッポロの子会社)と記していたと思いますが、
    同所にSapporo Brewing社を設立されたのでしょう。
    その意味では、委託でなく自社醸造と言うべきかもしれません。

短い期間に様々な国で日本ビールを飲む体験をしたけれど、
素人感覚でも「どれも日本製と味が違う」と思いました。

ビールの味の善し悪しを判別する技量はありませんが、
個人的な好みを書くと、以下とおりです。

●キリン一番は、
  「ドイツのヴァイヘンシュテファン製」と
  「アメリカのAB製」がgood!
●アサヒは、
  「英国のシェパードニーム製」がgood!
●サッポロは、
  「カナダのサッポロ製」がgood!

ただ、帰国して日本製を飲むと、、、
やっぱり日本製が一番おいしいなあ、と思いました。

(今回はサントリーのビールが出てきませんでした。
  現在、サントリー社としては、
  欧州でビールを販売していないと思います。
  けれど、アイルランドのジャパニーズ居酒屋で、
  プレモルを見つけて飲んだ話は、いずれまた書きます。)

                (text = 喜多常夫)

 

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

 

さて、情報紹介です。

 

●▲■ ご紹介情報 その1:ROOTSディビジョン  ●▲■
「スパークリング・サケとリキュールの生産設備、7つの設置事例」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/machine/spark_sake_eq.pdf

スパークリングの清酒やリキュールでは、
豊富な設備設置実績を持っています。

タンク内の二次醗酵、
タンク内の炭酸ガス添加、
充填、パストライザーまで、一連の設備に対応します。

シャンパンのような「びん内二次醗酵方式」についても、
豊富なノウハウを持っています。

 

●▲■ ご紹介情報 その2:KKディビジョン  ●▲■
サケびん口(一升壜口)対応キャップ「AZK」の汎用デザイン品
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/closure/AZK_hanyo.pdf

従来の「アルミ製冠頭+替栓」を
「プラスチック製冠頭+替栓」にして、
開封時の安全性を大きく改善した新製品。
その独特のデザインも好評をいただいています。

1ケース単位で出荷可能な汎用デザイン品を準備しています。

 

●▲■ ご紹介情報 その3:KKディビジョン  ●▲■
「ISO 9001の認証、東京支店でも取得」
http://blog.goo.ne.jp/kita-slow_blog/e/b2fe30a96f0d515c82763b2fa54cfbf5

当社は2001年にISO9001の認証を取得していましたが、
認証事業所は製造部門のある
大阪(本社、本社工場)と奈良(工場)だけでした。

2013年度から全事業所でISO9001を取得するという
会社方針のもと取り組んできましたが、
このたび東京支店でも認証を取得。

そのことを紹介した当社のブログです。

これを機に、全社を挙げて、
さらに製品品質の向上を目指していきたいと思います。

 

 

__________________________

●▲■バックナンバー閲覧可能!「メルマガ・クロニクル」

http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html

2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
__________________________

●▲■ブログもやってます!「スローなブログ」

http://blog.goo.ne.jp/kita-slow_blog/

2006年4月以来、きた産業のトピックスを写真で収録。
__________________________

 

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

紹介商品に関するお問い合わせは、営業部まで。
西日本担当:大阪営業部
tel.06-6731-0251 mailto:osaka@kitasangyo.com
東日本担当:東京営業部
tel.03-3851-5191 mailto:tokyo@kitasangyo.com

__________________________

●本メールがうまく表示されない場合  ●登録内容の変更や、
配信停止希望の場合  ●メルマガに関するご意見・ご要望など、
は、メールアドレス:mailto:info@kitasangyo.com まで 。
__________________________

このメルマガは、「ご登録いただいたお客様」、
及び「当社営業担当で登録させていただいたお客様」に、
お届けするサービスです。
ご要望があってもお届けできない場合がございます。

発信専用アドレスから送付しております。このアドレスに返信
いただきましても回答できませんので、予めご了承ください。

__________________________

記載された記事を許可なく転送・複製・転載することを禁じます。
Copyright 2002-2013. Kita Sangyo Co., Ltd. All rights reserved.
きた産業株式会社 ニューズレター担当:企画・開発グループ

__________________________