●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.193 ●▲■
     発行日:2014年4月23日(水)
  ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■

発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

 

------------------< 目 次 >------------------

●▲■ ロサンゼルス
       サケ & 日本のアルコール飲料売り場観察 ●▲■

  ●▲■ 普通のスーパーやドラッグストアにもサケ!
   ●▲■ 日本ビールや焼酎はどうなっているか?
   ●▲■ 最も置いてあったサケは「月桂冠」と「Tyke」!

                  (text = Yuki Olsen)

ご紹介商品 ●1▲ 「びん燗火入れ」のための替栓
ご紹介商品 ●2▲ 「びん燗火入れ」のためのPPキャップ
ご紹介商品 ●3▲ 「クリアカートン」のご案内

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皆さんこんにちは。
アメリカ合衆国から、Yukiがお伝えします。

カリフォルニア州ロサンゼルス地区に住み始めて、
今年で20年。

1994年に結婚してこの地に来たのですが、
この年はたまたま日本でビール醸造の規制緩和があり、
日本地ビール時代の幕開けとなった年でもありました。

その地ビールがきっかけで、きた産業の喜多社長と知り合って、
以来20年の付き合いです。

昨年から喜多社長に、
「西海岸の日本酒や日本食事情をレポートしてほしい」
と頼まれていたのですが、
「西海岸」と一言にいってもメキシコ国境からカナダまで、
カリフォルニア、オレゴン、ワシントンと3州にわたっており、
とても簡単にはレポートできません。
(「アメリカの」と言われないだけよかった!)

それでぐずぐずしていたのですが、悩んでいても仕方ない。
とりあえずは身の回りから書こうと思い
ようやく重い腰をあげました。

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さて、私が住んでいるところは、
ロサンゼルス国際空港から南の海岸沿いの
「サウスベイ」と言われる地域で、
昔から日系コミュニティが栄えていたところです。

特にトーランス市やその隣のガーデナ市には、
多くの大手日本企業のアメリカ本社や、
様々な日系企業が軒を並べています。

日本人、日系人も多く住んでいますので、
当然、日本のマーケット、日本の飲食店もたくさんあります。

そういう幸いな(?)環境にいますので、
日本酒を飲みたいとか、日本食を食べたいというのに
苦労をすることはありません。

したがってこのレポートは、
西海岸全体、あるいはアメリカ全土という
レベルでのお話ではありませんので、
その点はどうぞご了承ください。

 

サケや日本のアルコール飲料を販売するお店を
5つのカテゴリーに分けて観察しました。

   1. 日系マーケット
    2. 一般大型チェーンスーパーマーケット
    3. スペシャリティーマーケット
    4. 大型ビバレッジ専門店
    5. ドラッグストア

 

以下の文章は、このサイトの写真資料を見ながらお読みください。
拡大してみると、各商品の値札も見えますよ。

      ●▲■ アーカイブ資料 ●▲■

「ロサンゼルス / Sake & 日本のアルコール飲料
                   売り場レポート」(10ページ)

   http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/LA_SAKE.pdf

 

 

では、一主婦=消費者の目線で、
日本酒=sakeや他の日本のアルコール飲料が
どのようなところでどれくらい売られているかを
見てみましょう。

 

 

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     ●▲■ 1. 日系マーケット ●▲■

トーランス市にある
「ニジヤマーケット(Nijiya)」と
「マルカイマーケット(Marukai)」に行ってみました。
(スマートフォンを見るふりしながら撮った写真を資料に掲載)

さすがに日系マーケット、sakeの種類は揃っています。

日本から輸入されているもの:

  大手ブランドでは、
        菊正宗、松竹梅、日本盛、白雪、
        澤之鶴、月桂冠、白鶴、大関、剣菱、白鹿など

  地酒ブランドでは、
        八海山、菊水、初孫、水芭蕉、
        男山、酔鯨、奥の松、〆張鶴、末廣、
        獺祭、南部美人、大七、一本義など

  スパークリングでは、
        ZIPANG(月桂冠)、STARS(黄桜)、
        澪(松竹梅)、花泡香(大関)など

アメリカで醸造しているもの:

       宝酒造の「花」「玲」「オーガニック生」
        月桂冠、大関、ヤエガキ、など

日本製、アメリカ製と分けていなくて、
棚には混在して並べてある状況です。

また、現地系マーケットではめったに見られなかった
「焼酎」があるのも日系の特徴です。

       霧島、いいちこ、よかいち、さつま五代、
        白波、宝山、海童、島唄、一刻者、など

同じ棚に、韓国のJINROやPETボトル入りマッコリもありました。

日本のビールは、

       アサヒスーパードライ
        キリン一番搾り
        サッポロプレミアム

が圧倒的。これは日本でも同じでしょうか。

こちらで販売されている日本のビールは、
アメリカで醸造しているのがほとんど。
酒税が低いこともあり、不思議なことですが、
日本で買うよりずっと安く買うことができます。
売り方も24本入りケースで売っているところが多いようです。

 

 

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 ●▲■ 2. 一般大型チェーンスーパーマーケット ●▲■

アメリカのスーパーですが、2つのカテゴリーに分けられます。

一つはいわゆる一般的な食品を安価で売っている
ヴォンズ(Vons)、ラルフス(Ralphs)、アルバートソン(Albertson)
と言った全国規模の一般大型チェーンスーパー。

これはロケーション次第で置いてある食品や値段が違います。
メキシコ人が多い地域では当然テキーラやビールが多くワインは少ない、
高級住宅地と低所得地域では置いてあるパンの種類も値段も違う、
といった具合です。

もう一つはスペシャリティマーケットと言いましょうか、
つまり、多少値段は高くとも、
普通のスーパーマーケットでは売っていないようなものを
取り扱っているところ(後述)。

ここでは一般大型チェーンスーパーの
ラルフスを観察しました。

このお店は、日本酒が買える程度の所得層の地域、
でもそれほど高額所得層地域ではない立地と捉えてください。

スーパーとはいえ、驚くほどの種類の、
ワイン、ビール、ハードリカーを揃えています。

私にとって感慨深いのはクラフトビール(地ビールですね)。
巨大なビールの陳列クーラーの1/4くらいを占めるにいたっています。

私が地ビールビジネスに足を踏み入れた20年前には、
やっとシエラネバダやサミュエルアダムスが
一般的に注目されはじめたくらいでした。

現在、何十種類ものクラフトビールが並んでいるのを見ると、
ずいぶん発展したものだと感無量です。

 

さて、肝心のsakeですが、
もちろん置いてありました。

しかし、ビール、ワイン、ウォッカやテキーラなどに比べれば
種類も数も極端に少なく、
陳列棚の一番下とか一番端の
探さなければわからないようなところに
ちょこりと置いてある程度です。
やはり売れ筋とはいえないのでしょう。

ラルフスでおいていたのは4銘柄。

棚のフェース取りの幅広い順に:

  1.アメリカ製月桂冠
   2.Tyku(アメリカのブランドのサケ)
   3.アメリカ製松竹梅
   4.アメリカ製ヤエガキ

日本ビールは、キリン一番、サッポロが置いてあり、
アサヒは偶々品切れでした。

陳列の仕方からみると、
ジャパニーズ・サケよりはジャパニーズ・ビールの方が
目立つように置かれているように思えます。

 

 

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   ●▲■ 3. スペシャリティマーケット ●▲■

スペシャリティマーケットは、
一般スーパーマーケットと違うものを売るのが特徴。
当然、一般スーパーでは見ない酒類やブランドを置いています。

それぞれ明確な商品ポリシーのある、
3つの店舗を観察しました。

  トレーダージョーズ(Trader Joe's)
       →ストアブランド(PBのこと)や輸入食品に特化

  ホールフーズマーケット(Whole Foods Market)
       →オーガニックやヘルス食品に特化

  ブリストルファームズ(Bristol Farms)
       →鮮度や味では間違いないハイエンド食品に特化

 

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  <トレーダージョーズ(Trader Joe's)>

なんと
「Trader Joe San (トレーダージョーさん)」と名付けられた
ストアブランドの
ギンジョー・サケ(720ml $9.99)と
スパークリング・サケ(300ml $2.99)を発見。

ラベルは、
「ちょんまげのカブキ役者(ねぶた?)」と
「日本髪を結った女性の横顔」のイラスト。
TJらしく面白い。中身のSakeは日本製だそうです。

そのほかには、
「月桂冠」(アメリカ製、750ml $4.99)が置いてあり、
サケは以上の3種類でした。

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  <ホールフーズマーケット(Whole Foods Market)>

サケは2箇所に分けて販売されていました。

1箇所目は冷蔵ショーケース。
「Chilled Bubbles、Wine、Sake(サケ)」という表示があって、
サケがあることを表示しています。
おいてあるのは
アメリカ製では、
    「月桂冠」、サケワン社の「Moonstone」など、
日本製では、
    「白鶴生酒」、月桂冠のスパークリング「ZIPANG」など。

2箇所目は、アジア食のデリと寿司売り場のすぐ下の棚。
寿司とのセット買いを提案する売り方でしょう。
ずいぶん多くの種類がおいてありましたが、
なかでもアメリカブランドのサケ、「Tyku」が目立っていました。

また、日本の地ビール、
「コエドブルワリー」と「常陸野ネストビール」もあります。

このお店は、
逆にアサヒやサッポロのような名の知れたビールをケースで置く、
などということはありません。
同様にバドワイザーやミラーもない。
そういうのは普通の店で買ってくださいというスタンスで、
「今日はジャパニーズにするからSakeを買って行くわ」
というように、食と酒とのペアリングを考えるような
おしゃれな人たち=ある程度の所得層がターゲットです。

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  <ブリストルファームズ(Bristol Farms)>

高級、ハイエンドの食品が並ぶお店。
店員の知識も高く、酒類売り場にもスペシャリストがいて、
料理や予算に合わせてワインなどを選んでくれます。

サケの棚は珍しく一番上。
置いてある銘柄は、

  日本製では、
     「李白」「雪の茅舎」「一人娘」「月桂冠」など
   アメリカ製では、
     「月桂冠」、「桃川」(サケワン)など

「雪の茅舎」純米吟醸には、
特別な説明ボードがあったのが印象的でした。
(説明ボードの内容は、アーカイブ資料でご覧ください。)
日本酒に慣れない人にこういう情報提供をするのはとても大切だし、
販促に効果的だと思いました。

 

 

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   ●▲■ 4. ビバレッジ専門店 ●▲■

かつて近所に一軒はあった「あの角のリカーストア」。
世界的な現象でしょうが、
こちらでも残念ながら時代の波にもまれ
姿を消しつつあります。

かわりに台頭しているのが大型ビバレッジ専門ストア。
サウスベイにもベヴモ(BevMo!)という店が2店舗、
トータルワイン(Total Wine)という店が1店舗あります。
両方を観察しました。

 

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  <ベヴモ(BevMo!)>

BevMo!のTorrance店の店長、Chris Piscopoさんから
話を聞くことができました。

  「サケは60〜70種類ほどを置いていて、
    小壜(375ml〜300ml)がよく売れている。
    日本ビールは12種類程度で缶も壜も同じくらいの割合。
    焼酎は3?4種だがそれほど売れているというわけではない。
    急成長しているのがウィスキーで、
    「山崎」は仕入れが追いつかないほど。」

  「BevMo!はカリフォルニア、アリゾナ、ワシントンの3州で
    160店舗で営業。
    取り扱う酒類はワインが圧倒的に多いが、
    最近ではハードリカーが急増。
    5年前に比べると酒類の全体的な売り上げはそう変わらない。
    しかし、サケ、日本ビール、特にウィスキーは増加している。」

うれしい話です。ウィスキーが売れているというのは意外でしたが、
そういえば以前の喜多社長のメルマガにもそう書かれていましたね。

ちょうど日系マーケットのニジヤの隣にBevMo!があるので、
時折覗くのですが、
たまに「5セントセール」というのをやっています。

つまり、1本目を表示価格で買うと
2本目は5セントで買えるというセールです。

少々高いワインを買っても、
半額だと思えば気が楽なのでよく利用しています。
(それが「手」でしょうが、、)

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  <トータルワイン(Total Wine)>

Total Wineの方は
あいにくマネージャーと話はできなかったのですが、
店内の写真を撮ることはできました。

ウェブサイト情報からすると
15州にわたって101軒の店舗で営業展開。

ちょっと信じがたい数字ですが、
典型的な店舗で、
8000種(!)のワイン、2500種(!)のビール、3000種(!)のリカー
を扱っているとのことです。

お店に入ると、
あまりの広さとお酒の種類の多さに圧倒されます。
ここまでたくさんあるとどれを選んでいいかわからなくなり、
私のような一般素人は迷子になってしまいそうです。

「Plum Wine & Sake」の棚が2コマとってあって、
サケは日系マーケットについで種類も数も豊富。
日本製、アメリカ製の両方を販売。

日系にはサケワン(オレゴン州の清酒メーカー)の商品は少なかったですが、
このお店にはずいぶんたくさんありました。

 

 

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   ●▲■ 5. ドラッグストア ●▲■

最後に、
「まさかここにはないだろう」と思って覗いてみた
ドラッグストア。
驚いたことに、月桂冠と松竹梅、
そしてTykeがありました。

ただ、サケがあるのに日本ビールはありません。
バドワイザーなどと比べて高価ですし、
売り場面積の制限なども考慮すれば納得できます。

 

 

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       ●▲■ まとめ ●▲■

5つのカテゴリーのお店で写真を撮りながら観察した結果、
最も置いてあったサケ銘柄は:

     月桂冠(アメリカ製の1.5L壜か750ml壜)
      Tyke(シャンプーボトル風のサケ)

Tykuは、全面がフィルムでカバーされているので、
ちょっと見にはプラスチックボトルのようですが、
断面が三角形のガラス壜。キャップも三角形です。
よく見ると「温故知新」などと日本語で書いてあります。

 

次に多かったのが:

     松竹梅(アメリカ製)
      大関(アメリカ製)
      白鶴「生」の小壜(日本製)
      そして梅酒

 

日本から輸入されたプレミアムなサケ(日本酒)は
日系マーケットに多くありましたが、現地系マーケットには少ない。

現地系マーケットはアメリカで醸造したもの、
ラベルが英語だけのものの割合がぐっと増えます。

梅酒は両マーケットで意外と多く売られています。
甘くて飲みやすいのが理由かもしれません。

日系と比べて現地系マーケットで比率が高いのが、
フルーツフレーバー酒やにごり酒ですが、
どうも、味というよりは、
おしゃれなボトルのデザインが先行しているような感じがします。

もし味が先にくるとしたら、
一般的なアメリカ人には、
熱燗で一杯というよりは、
ワイン感覚のサケが受け入れられやすいと思います。

                (text = Yuki Olsen)

 

 

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さて、商品紹介です。

 

●▲■ ご紹介商品 その1:KKディビジョン ●▲■

「びん燗火入れ」のための替栓
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/closure/binkan_hiireKS_ed5.pdf

充填・キャップ打栓後に、
65℃程度の温水シャワーで殺菌し、
酵素活性をとめて安定化を図る商品が増えています。

一升壜や一升壜口の720ml壜で「びん燗火入れ」を行うための
耐熱替栓です。

 

●▲■ ご紹介商品 その2:KKディビジョン ●▲■

「びん燗火入れ」のためのPPキャップ
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/closure/PP_variations.pdf
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/closure/binkan_gas_PP_ed4.pdf

「びん燗火入れ」を行うための
30mmスタンダードサイズの耐熱PPキャップです。

 

●▲■ ご紹介商品 その3:K2ディビジョン ●▲■

「クリアカートン」のご案内
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/Clearcarton_ed05.pdf

PETシートで作った透明のカートン。
各種サイズを準備しています。

 

 

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http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html

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