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●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.22 ●▲■
    発行日:2003 年3月20日(木) 
 ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:喜多産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

------------------< 目 次 >------------------
●▲■イントロ:晴天の霹靂、「プラマーク」の話題(続編)
ご紹介アイテム●1▲ 「プラマーク入り1.8リットル壜用王冠」

●▲■話題:「財務省、どぶろく製造の数量条件を撤廃」
坂口謹一郎先生の、驚くべき先見力
「口噛みの酒」が飲める日も近い?かな

ご紹介アイテム●2▲ 「スプントと浮標式糖度計」

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●▲■イントロ:晴天の霹靂、「プラマーク」の話題(続編)

本題(「どぶろく構造改革特区」)に入る前に、
前回に引き続き、4月1日がタイムリミット(!)の包材識別表示の話題。

一升壜の話なので、主に清酒・焼酎業界向けの話題ですが、
他業界の方もご参考にしてください。

前回の3月11日時点では、全国の清酒・焼酎メーカーの状況として
「感覚的に次のような感じです」と倉田が書きました。

>>ラベルに表示:5−6割程度
>>中栓に印刷表示:1−2割程度
>>未着手、模様眺め、無関心:2−3割程度
>>資材再検討(スチールを重く、オールプラスチックなど):若干

本日3月20日時点では、「私の感覚では次のような感じ」です。

>>ラベルに表示:5−6割程度 → 6−7割程度
>>中栓に印刷表示:1−2割程度 → 1−2割程度
>>未着手、模様眺め、無関心:2−3割程度 → 1割程度
>>資材再検討(スチールを重く、オールプラスチックなど):若干→若干

ラベル表示が一番多いようですが、
中栓に印刷表示、という事例も予想以上に多い模様です。

経済産業省のガイドブックによれば、

「識別マークは各構成部分に直接表示するのが原則、
ただし、ほぼ同時に捨てられる構成部分については、
まとめていずれかの部分に一括して表示することができる。」

うーん、解釈が難しい。
ともあれ、当社では汎用デザインの中栓を準備いたしました。

●▲■ ご紹介アイテムその1:KKディビジョン ●▲■
「プラマーク入り1.8リットル壜用王冠」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/closure/KS_plamark.html

まだまだ、方向ははっきりしない点もあるようですが、
汎用デザイン品で、当面の対応をしていただいて、
業界の状況推移を見るのも良いのではないかと思います。
また、汎用デザイン王冠は資材圧縮(=資金流動化!!)にも役立ちます。

ケース単位で受注いたします。営業担当にご照会ください。

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●▲■話題: 「財務省、どぶろく製造の数量条件を撤廃」

3月3日付日経新聞:「財務省は構造改革特区の一環で、特定地域に
限り農家や民宿などに自家醸造酒(どぶろく)の製造・販売を認める
規制緩和策の骨格を固めた。(中略) 現行規制では1.8リットル壜
換算で3300本を越える生産量が必要で新規参入は難しいため、特区に
限り数量条件を撤廃する方針。ただ製造を認める酒類は厳密に定義し、
雑酒の中で「コメ、コメこうじ、水を原料に醗酵させ、ろ過しない
もの」に限る。(後略)」

このニュースを見て想いおこしたのは、坂口謹一郎先生の「忘れられた酒」、
「日本酒の開放」など、1971年から80年にかけて書かれたいくつかの文章。
(岩波「坂口謹一郎・酒学集成」第1巻に収録)
「清酒は、特級・一級16%、二級15%」と法律で決まっていた昔に、
日本酒の開放には三つのことが必要だ、という趣旨を述べられています。

1)低アルコールの日本酒
2)清酒の古酒
3)濁酒・どぶろく

いかに博学・碩学とはいえ、驚くべき先見力、というべきでしょう。
ご存知のとおりこの20年の間に、
清酒の「低アル酒」・「古酒」は市場の重要な一角を築きつつあります。
そして今回の「どぶろく特区」認可の動き。

1)低アル酒については、
「<延喜式>(927年)記載の醸造方法」や、
「戦前の清酒の度数(18%から10%まで千差万別)」を引用され、また
「ギリシャ・ローマ時代などのワインの水割り」までも引き合いに出され、
低アルコール清酒の必要を説かれています。

2)古酒については、
「<本朝食鑑>(1695年)の清酒の壷保存」の記載、
「江戸時代以前は3年、5年あるいは7年を経た清酒を珍重し、
 値段も高く取引されていた」こと、
「長野で偶然発見された清酒の300年古酒が、スペインで体験した
 100年物シェリーそっくりだった」ことなどのエピソードで、
清酒の重要なバリエーションになる、と説かれています。

3)そして、どぶろくについては、
「ウィーンのホイリゲ(ワインの濁り酒)がいかにうまいか」の例、
「味噌汁をろ紙で濾したらうまくない、
 清酒に比べた濁酒のうまさはこれで御想像がつこう」、
「日本の歴史で古代から明治32年(自家醸造禁止)まで何百年もの間、
 澄み酒(清酒)と濁酒(どぶろく)が共存していた」などを引例されて、
日本酒本来の楽しみとして、どぶろくの重要性を説かれています。

さらには「イギリスのエールはホップなしで造られていたが、
 ホップを使うようになって低濃度による酒味の単調が救われたともいわれる。
 万一日本酒をビールに近い低アルコール濃度にまで下げるとすれば、
 どうしても濁酒の形をとるようになるであろう」、
といった記述(個人的にこれはとても含蓄深いと思う)もあります。

最近、「どぶろくをつくろう」という本を読みました。
本の後ろを見ると、81年初刷で、なんと2002年40刷(!)
りっぱなミドルセラーですね。(前田俊彦編、農山漁村文化協会刊)

明治後期の税務官吏の過酷極まりない取締りの史実や、
徴税効率のために自家醸造が禁止されたことが収録されています。
そしてもちろん、どぶろく、焼酎、ワイン、ブランデーの
自家醸造法の図入り解説あり、でいろいろ認識を新たにしました。

財務省どぶろく特区容認の報の日、3月3日の夜のTVニュースでは、
早速どぶろくで祝杯をあげている岩手の民宿が放送されていましたが、
あれって、いったいどうやって作ってるのだろう?
そういえば自家醸造ビールも各地で集まりがありますが、
もう自家醸造は実質黙認状態なのでしょうか???


私は、米粒が残ったどぶろくは飲んだことがないのですが、
市販の濁酒やホイリゲのワイン、ヘフェ(酵母)ヴァイツェンなど
のうまさは身にしみてよく知っています。

どぶろくはもちろん、
そのうち「内緒だけど、秘蔵の口噛み酒よ」なんて、
民宿の女将さんじきじきに口噛み糖化(最も原始的な酒造方法)
したどぶろくまで登場するのでは?
できれば、女将さんより娘さんの口噛み酒のほうがいいなあ、
なんて、不埒な期待や想像をしながら、
歴史は繰り返す、温故知新、を感じています。


(参考資料)全国では神事関係目的のどぶろくが多く継承されており、
www.medias.ne.jp/~fzen/newpage3.htm
(長草天神社(愛知県大府市)のホームページ)
には、どぶろく醸造をしている全国の神社と、酒造数量のリストがあります。
岐阜県白川村の5つの神社では、
合わせて16キロリットル強も作っているんですね!

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●▲■ ご紹介アイテムその2:ROOTSディビジョン ●▲■
ビール醸造所に「スプントと浮標式糖度計」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/brewing/Spund.htm

突然、ビール関係の商品紹介になりますが、
地ビールの皆さん、4月からの減税分で予算を取ってもらって、
壊れたスプントは、入れ替えてください。

なお、スプントはガス入り清酒、ガス入りワインにも、
もちろんガス入りどぶろくにも応用できると思います。

先述した坂口謹一郎先生いわくの、
「万一ビールに近い低アルコール濃度にまで下げるとすれば、云々」にも
応用可能かもしれません。  (text:喜多常夫)

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