●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.233 ●▲■
発行日:2017年8月22日(火)
■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■

発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

 

 

------------------< 目 次 >------------------

●▲■ 「サケ・ウォッチングinハワイ」

  ●■ ホノルルで「Joy of Sake」初参加
■▲ ハワイのサケ観察@販売店
▲● 10社以上あった! ハワイのサケ製造者の歴史

                      text = 喜多常夫

 

ご紹介情報●1▲ 清酒にも「びん内二次醗酵の機械・資材」
ご紹介情報●2▲ ガラス栓「サケヴィノロック」
ご紹介情報●3▲ サケびん口(一升壜口)キャップのご採用事例

 

 

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

 

  8月某日、しののめ、ホノルル空港に着いた。

 

「東雲」とかいて「しののめ」。

飛行機は日本を夜出発、地球の自転方向に夜を早送りですすみ、
明け方、まさに東の雲とともにハワイ諸島が見える。

日付変更線を越え、2度目の今日の朝、ホノルル空港に着く。
(正式には今年から、日系初の連邦上院議員にちなんで
「ダニエル・イノウエ空港」と改称)

 

ホノルルまで来たのは、
「Joy of Sake(サケのイベント)」参加のため。

Joy of Sakeは東京でも開かれるが、
私は参加したことがなく、
今回のホノルルが初体験。

ちょっとしたご縁があって、
遠路ホノルルまで出かけた。

 

 

で、今回のメルマガは、
Joy of Sake、ハワイのサケ事情、ハワイのサケ製造の歴史
などを書きます。

 

 

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■
●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

 

まず、Joy of Sakeについて。

   ●▲■ Joy of Sake 2017 Honolulu ●▲■ 

Joy of Sakeは東京、NYでも開かれるが、
ホノルルが元祖。

2001年から始まって今年は16回目。
内心、16年もたつと縮小気味では、、、と思っていたが、
大盛況で驚いた。

2017年8月4日、場所はハワイコンベンションセンター。
前売りで1人95ドル(1万円以上)と高価だが、
1,500人もの出席者。

 

日本の審査員(酒類総研、酒造組合ほか著名な技術者の方々)と
アメリカの審査員が出品酒を評価して、
金賞、銀賞を決める(「全米日本酒歓評会」)。

その入賞酒・出品酒を一般の皆さんが飲めるイベント。
日本食レストランが多数出展しているのも集客力を高めている。

今年は日本の37都道府県の158蔵から381銘柄、
それに、カリフォルニア、オレゴン、ミネソタからも出品。

 

テーブルに数百種類並んだ出品酒を
スポイトで自分のグラスにとって味わう。
広島の新酒鑑評会と同じイメージ。

 

主催者の1つ、World Sake Importsのブースでは

 出羽桜、真澄、越乃寒梅、
玉川、惣誉、手取川、
賀茂泉、聖徳銘醸、内ヶ崎酒造

などの社長さんが交代で自社のお酒をアピール。

「1,500人の一斉カンパイ」も行われて、
多いに盛り上がりました。

 

 

   ●▲■ Joy of Sakeの由緒 ●▲■ 

Joy of Sakeの出品酒リスト冊子の見開き第1ページには

 The Joy of Sake is dedicated to the memory of Takao Nihei
(Joy of Sakeは二瓶孝夫のメモリーにささげられる)

とある。

 

ホノルルには1908年から1989年まで
「ホノルル酒造」(銘柄「宝正宗」)という清酒会社があった。

二瓶孝夫さん(1994年没)は、ホノルル酒造の副社長だった人。
清酒製造技術で実に様々な功績を残された方であり、
ブラジルやカリフォルニアでもサケ醸造指導をおこなった。

二瓶さんがいたからこそ、
今のアメリカと世界のサケブームがあるといっていい。

また、ハワイのサケ造りの歴史を収集・記録された事でも
大きな功績がある。(70年代、80年代の醸造協会誌などで発表)

 

その二瓶さんとクリス・ピアスさんの出会いがJoy of Sakeの原点。
(ピアスさん:コラムニスト、World Sake Imports創業者)

 

今年になって、偶々、
ピアスさん、二瓶美佐代さん(二瓶孝夫夫人)、
と所用のメールのやり取りをしたことが、
今回の私の参加のきっかけ。

 

ホノルルではお二人にお会いできて大変光栄でした。
また様々なお話をうかがい、昔の資料も頂きました。
ありがとうございました。

 

 

以上、および以下の話は、
この資料を見ながら読んでいただくと
より分かり易いと思います。

 

   ●▲■ アーカイブ資料
「サケwatching in Hawaii」全9ページ ●▲■

 http://www.kitasangyo.com/pdf/archive/sake-watching/sake_hawaii.pdf

 

 

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■
●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

 

次に、ハワイの3箇所の店頭で、
サケの銘柄や価格を観察した記録。

 

   ●▲■ サケ観察・その1「ローソン」 ●▲■ 

家族連れ日本人旅行者ご用達の、ワイキキシェラトン。
1,700室の巨大ホテル。
1階のコンビニ(「ローソン」)は朝から晩まで大繁盛。
その店頭でサケ・焼酎を観察。

 

日本製のサケ:
●「久保田・千寿300ml」     $17.99
●「獺祭300ml」             $17.99
●「八海山300ml」           $18.99
●「松竹梅・澪300ml」       $11.99
●「ふなぐち菊水アルミ缶200ml」$6.95
その他

アメリカ製のサケ:1種のみ
■「松竹梅・玲」(宝USAの製品)$10.99

焼酎:
●「いいちこ200ml」         $9.99
●「白岳200ml」             $9.99

 

「ワイキキ海岸で夕陽を見ながら日本酒を一献」
、、、と思ったけれど、
ハワイ(および多くのアメリカの地域)では
海岸や公共の場での飲酒は禁止。

買ったお酒はホテルの部屋のベランダで楽しみました。
(ハワイのホテルは大抵、各部屋に小さなベランダがある)

 

なお、サケもビールも、
お金だけもって買いに行ってもダメ。
どう見ても50歳、60歳の人でも、
パスポートなど、年齢が分かる証明書の提示が必要です。

 

 

   ●▲■ サケ観察・その2「ホールフーズ」 ●▲■ 

アマゾンによる買収が話題の「ホールフーズ」。
全米に店舗がある高級食材店。

日本で言えば、
東京の紀ノ国屋、大阪のイカリスーパーだが、
規模は桁違いに大きい。

ホノルルではなく、
カイルア(ホノルルから30分ほど離れた比較的大きな街)の
ホールフーズに行ってみた。

 

カイルア店はホールフーズとして典型的なサイズ・構成の店舗で、
酒売り場はまるまる1列分。
20m以上、左右の全棚に膨大な量のワイン、ビールが並ぶ。

 

サケは、日本製3種、米国製3種の計6種が売られていた。

日本製のサケ:
●「太平山・生もと純米」    $40.99
●「鳴門鯛・生原酒720ml」   $39.99
●「松竹梅・澪300ml」       $8.99

アメリカ製のサケ:すべて宝USAの製品
■「松竹梅・にごり酒1.5L」  $15.99
■「松竹梅・吟醸300ml」     $8.99
■「松竹梅・生酒300ml」     $8.99

 

 

なお、日本ウイスキーも3種あった。
●「サントリー・季750ml」   $42.99
●「KIKORI・750ml」         $44.99
●「ニッカ・カフェグレーン750ml」$69.99

前2者は知らない銘柄だったので調べてみた。

「季(とき)」は米国限定モデル。
「KIKORI(木こり)」はなんと米が原料(!)で、
樽貯蔵。熊本で製造。
2015年からロサンジェルスの会社が販売。

 

なお、上記全ての価格の末尾が99セント。
1ドル以下の原価は99セントに切り上げ?
「.99」が好きな国である。

 

 

   ●▲■ サケ観察・その3「The Sake Shop」 ●▲■ 

ネットで「The Sake Shop」というサケ専門店を見つけた。
「Hawaii's first retail sake store」とある。

ワイキキから2kmくらい離れた道路沿いの店。
どんな銘柄を置いているのかと期待して、
わざわざ店までいったのだが、、、店は閉じていた。

「事情により閉店。再開を期しています」の貼り紙、残念。

サンフランシスコやNYではサケ専門店があるが、
ハワイではまだ難しいのかもしれません

 

 

   ●▲■ アーカイブ資料には、ほかに ●▲■ 

■ホノルルの神社のお神酒(おみき)
(ホノルルの出雲大社は有名だが、
金毘羅さん、大宰府天満宮、東本願寺などもある。
厳島神社の鳥居もある。)

■ホノルルのラーメン屋のお酒
(日本食が20軒ほどならぶ「ワイキキ横丁」
のラーメン屋で飲んだ北海道の「男山」。
6oz(約1合)15ドル也、とても旨かった。)

なども記載しています。

 

 

 

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■
●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

 

最後に、ハワイのサケ製造者の歴史。

 

ハワイには「ホノルル酒造」だけでなく、
かつて10社以上のサケ醸造所が存在した。

今回のハワイ訪問では、
二瓶夫人から貴重な写真や資料を頂けたほか、
ホノルルの図書館で古い書籍や新聞を閲覧しました。

 

アーカイブ資料の4~9ページには、
ハワイのサケ製造者の歴史資料を掲載しています。

 

  ●▲■ 歴史・その1「ホノルル酒造」 ●▲■ 

ホノルル酒造は、
実は今も存続しています。

ハワイ初の清酒醸造会社
「①ホノルル日本酒醸造
Honolulu Japanese Sake Brewing Co., Ltd.」
は、1908年に設立された。

酒造が禁止された禁酒法時代の1923年に
「②ホノルル酒造製氷
Honolulu Sake Brewery & Ice Co., Ltd.」
に社名変更。
家庭に冷蔵庫が普及していなかった時代、
氷を売って会社を支えた。

禁酒法後に清酒製造を再開したが
第二次大戦中は再度、清酒酒造は禁止。

終戦後、ふたたび清酒製造を再開。
大いに繁盛した時期もあったが、
1986年に宝酒造によって買収され、
ハワイでのサケ製造も1992年で終えた。

しかし「宝正宗」という銘柄は引き継がれ、
現在も宝USAが製造する。

現在のラベルには
「③Honolulu Sake Brewing Co., Ltd. Berkeley CA」
と表示され、カリフォルニアに会社が存続していることがわかる。

 

ホノルル酒造があった住所
「2150 Booth Road, Honolulu」に行ってみた。

今は一帯が戸建ての住宅地。
かつては「Western World's First Sake Brewery」という
ハワイ州観光局の名所標識もあったそうだが、それも今はない。

25年前までここに酒造会社があって
数千石のサケを製造していたとは想像し難かった。

 

 

   ●▲■ 歴史・その2「ホノルル酒造以外」 ●▲■ 

 

「ホノルル酒造」以外に、
こんなサケ醸造所が存在していました。

  モヘアウ日本酒醸造所
(ハワイ島ヒロ)

  布哇清酒会社
(オアフ島ホノルル)

  ヒロ精酒株式会社
(ハワイ島ヒロ)

  日米酒造株式会社
(ハワイ島ヒロ)

  国粋株式会社醸造所
(ハワイ島ヒロ)

  神田商会
(オアフ島ホノルル)

  富士酒造株式会社
(オアフ島ホノルル)

  ヒロ酒造会社
(ハワイ島ヒロ)

  馬哇酒造株式会社
(マウイ島クラ)

 

ホノルルの図書館での調査では、
上記以外にも社名を見つけた(アーカイブ資料参照)が、
それぞれの会社が実際にどの程度稼動したのかは不明です。

 

多くの人がハワイでサケ製造に取り組んだが、
人々の記憶にのこることなく消えていったものが多い。

しかし彼らの苦労の歴史があってこそ、
今の北米の、そして世界の、サケ人気があるのだと思う。

ハワイでサケ造りに挑戦された多くの日系人・日本人に、
心から敬意を表し、
カンパイをささげます。

 

           text = 喜多常夫

 

 

  (追記)ハワイでは、本格いも焼酎を作る
「Hawaiian Shochu Company」も訪問したのですが、
それはまた、別に機会に書きます。

 

 

▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

 

 

さて、情報紹介。

 

●▲■ご紹介情報 その1 ROOTSディビジョン ●▲■
「びん内二次醗酵スパークリングの機械・資材一覧」(2ページ)
http://www.kitasangyo.com/pdf/machine/for-sparkling-cider-and-brandy/ch_equipment3r.pdf

 

ジャイロパレット、ネックフリーザーなどは、
スパークリングワイン用の特殊機器ですが、
清酒のスパークリングにもご採用いただいています。

スパークリングの設備と資材については、
多くの実績とノウハウがあります。

 

(ホノルル酒造は、戦前に炭酸ガス入り清酒発売。
戦後もフルーツフレーバーの炭酸ガス入り清酒、
「ポリネシアン・チャンピオン」を製造していたそうです。
ガス入り清酒の商品化も日本よりハワイが早かった?)

 

 

●▲■ ご紹介情報 その2:K2デイビジョン ●▲■
サケびん口(一升壜口)規格のガラス栓「サケヴィノロック」(2ページ)
http://www.kitasangyo.com/pdf/package/closures/SVL.pdf 

 

口内径20mmのサケびん口(一升壜口)規格に対応する
ヴィノロックを新しく開発。

チェコのプレシオサ社との共同開発です。

 

 

●▲■ご紹介情報 その3 パッケージデザインアーカイブ ●▲■
「サケびん口(一升壜口)キャップのご採用事例」
http://www.kitasangyo.com/pdf/archive/package-designs/PDA_245.pdf
http://www.kitasangyo.com/pdf/archive/package-designs/PDA_246.pdf
http://www.kitasangyo.com/pdf/archive/package-designs/PDA_244.pdf

 

伝統的な「KT+KS(冠頭と替栓)」と、
新製品の「AZK」への変更事例の資料です。

 

スクリューキャップよりプレミアム感のある
サケびん口(一升壜口)の720mlびんが増えています。

お酒のパッケージはお任せください。

 

 

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■
●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

 

__________________________

●▲■バックナンバー閲覧可能!「メルマガ・クロニクル」

http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html

2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
__________________________

●▲■ブログもやってます!「スローなブログ」

http://blog.goo.ne.jp/kita-slow_blog/

2006年4月の以来、きた産業のトピックスを写真で収録。
__________________________

 

●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■ ●▲■

 

紹介商品に関するお問い合わせは、営業部まで。
西日本担当:大阪営業部
tel.06-6731-0251 mailto:osaka@kitasangyo.com
東日本担当:東京営業部
tel.03-3851-5191 mailto:tokyo@kitasangyo.com

__________________________

●本メールがうまく表示されない場合  ●登録内容の変更や、
配信停止希望の場合  ●メルマガに関するご意見・ご要望など、
は、メールアドレス:mailto:info@kitasangyo.com まで 。
__________________________

このメルマガは、「ご登録いただいたお客様」、
及び「当社営業担当で登録させていただいたお客様」に、
お届けするサービスです。
ご要望があってもお届けできない場合がございます。

発信専用アドレスから送付しております。このアドレスに返信
いただきましても回答できませんので、予めご了承ください。

__________________________

記載された記事を許可なく転送・複製・転載することを禁じます。
Copyright 2002-2017. Kita Sangyo Co., Ltd. All rights reserved.
きた産業株式会社 ニューズレター担当:企画・開発グループ

__________________________