●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.261 ●▲■
発行日:2020年4月13日(月)
■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com
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《きた産業の新型コロナウイルス対応》
「神社仏閣とお酒」に関するフィールドワーク、その3
●▲■ 松尾大社@京都 & 三輪大社@奈良 & 梅宮大社@京都
●▲■ 明治神宮@東京 & 伏見稲荷@京都
●▲■ 番外:コルク供養神社@山梨 & 日本清酒発祥神社@宮崎
ご紹介情報●1▲ 「焼酎の国際化はどうすべきか」Tips #52
ご紹介情報●2▲ ガラス栓「ヴィノロック」
ご紹介情報●3▲ 「神社仏閣とお酒」ed.4.0
text = 喜多常夫
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《当社、きた産業の新型コロナウイルス対応》
すでに2月末から一部でテレワークや時差出勤を実施していましたが
政府の緊急事態宣言を受け、
本日4月13日から以下の通り対応を強化します。
●大阪工場(お酒のキャップなどを生産)を、
今週からGW前までの3週間について、
本来15日稼働のところ、10日稼働(5日休業)に抑制
●東京支店と大阪本社の管理・営業部門について、
交代勤務やテレワークで出勤者を概ね半分に抑制
受注しているキャップ、びん、缶、ラベル、機械などについて
特段の納期遅れなどは発生しない見込みです。
お客様にご迷惑をおかけしないよう万全を期してまいりますが、
急な対応ができない場合もあります。ご理解の程お願いいたします。
※以下はお取引先さまへの案内文です。
http://www.kitasangyo.com/company/covid19-200409.pdf
上記は4月9日に決めた対応ですが、
4月11日の「出勤者を最低7割削減」という
安倍首相の要請を踏まえ、さらに強化する場合もあります。
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以下のイントロの短文は2週間ほど前に書いたもの。
状況は厳しさを増していて、
素人が書いた文を配信すべきか迷ったのですが、
100年前、いったん収束後の秋の再流行が酷かったことなど、
示唆もあると思うので、そのまま配信することにします。
100年前の「スペイン風邪」のパンデミックが時々引き合いに出る。
1918年から1920年にかけて世界の感染者は5億人と言われる。
死者数は数千万人とも1億人ともいわれ確定できないが、少なくとも
第一次世界大戦(1914~1918年)の死者よりは多いという。
●1918年春の「第1波」にくらべ、
同年秋の「第2波」が圧倒的に死亡率が高かった
●若年層の死亡率が高く、
アメリカでは死者の50%が20歳から40歳
などの特徴があったようだ。(Wikipedia)
今回のコロナウイルスが同じであれば大変なことだ。
「第2波が来る」とは「津波」と同じである。
スペイン風邪のウイルスの遺伝子が同定されたのは
流行から80年後の1997年のことで、
PCR解析が実用化されたことがきっかけ。
アラスカの寒村の永久凍土に埋葬されていた、
スペイン風邪で亡くなったイヌイットの墓を掘り起こし、
取得した生体標本をPCR解析し、H1N1型だとわかった。
(「ウイルスは生きている」中屋敷均、講談社、2016年)
「PCR」は、今や全国民の知るところとなった言葉。
今のH1N1型インフルエンザ(A型インフルエンザ)は、
ほとんどがスペイン風邪の生き残りと考えられるそうだ。
1918年当時の技術ではウイルスを同定できなかったし、
ワクチンや治療薬ができたわけではない。
だが、、、
●スペイン風邪は流行の始まりから
3年で自然に世界的に終息した
前掲の中屋敷さんの著作によれば、
スペイン風邪に限らず、強毒性ウイルスは、
「自然に弱毒化」し、数年で死亡率が減る例が多いそうだ。
宿主(人間)たちに免疫が徐々に形成されるから
強毒性ウイルスは宿主の死亡とともに減るから
弱毒性ウイルスは宿主が生き残って優勢になる
強毒だと宿主を失って増殖できないからウイルス自体が変化する
などの説があるそうだ。
一方で、「突然、強毒性に変化」するのもウイルスの特徴で、
2009年の新型インフルエンザ(H1N1型)はその事例。
一日も早く薬ができるに越したことはないが、
最悪でも、
コロナウイルスに「自然弱毒化」の傾向が当てはまり、
早く世界的な自然終息となることを願うばかりである。
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さて、しばしコロナを忘れ、
前回、前々回に引き続き「神社仏閣とお酒」の3回目。
実際に私が参拝した神社仏閣を、
グループ化して比較考察したもの、その3です。
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●▲■ 松尾大社@京都 & 大神神社@奈良 & 梅宮大社@京都
>>>>>「酒を造る人の神社」
酒造家が崇拝する神社といえば、この3つだろう。
すでに、
「松尾大社」は、京都の伏見稲荷とともに、
「どちらも渡来人の秦氏に由来」であることを書いた。
「梅宮大社」も、鹿児島の竹屋神社との比較で、
「どちらもコノハナサクヤヒメの出産に由来」するが、
解釈違いで「清酒の神」と「焼酎の神」であることを書いた。
したがってここでは、
「大神(おおみわ)神社」についてのみ書く。
日本最古の神社と言われ、
本殿を持たず背後の三輪山をご神体とする。
(三輪神社ともいう。関西ではこちらが通りがいい)
ご神体が山や岩(古神道の典型)であっても、
歴史とともに本殿ができてしまう事が多いが、
大神神社は古(いにしえ)の形態を残していると言われる。
三輪山には登って参拝ができる。
受付で白い「たすき」を受け取り、首にかけて白装束代わりとする。
頂上の「岩」にお参りして帰ってくるのに1時間半ほど。
山は撮影禁止、弁当も禁止、皆さん寡黙に歩く。
勾配のきつい坂道だが、神山なので裸足で登る人も多い。
全国の蔵元に「杉玉」(酒林)を授与していることが、
大神神社が酒の神社といわれる最大の所以だろう。
境内には「活日(いくひ)神社」という摂社があるが、
活日は大神神社で酒を醸造した日本最初の杜氏と言われ、
杜氏の神となっている。
金沢の福光屋さんの献灯があった。
万葉集(7~8世紀編纂)で三輪の枕詞は「味酒(うまさけ)」。
参道にある蔵元、今西酒造さんは1660年創業という古さ。
この地が古くから酒造に関係していたことがわかる。
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3つの神社の「酒造家人気ランキング(?)」をつけると、
あくまで個人的推定だが、
「1 松尾大社、2 大神神社、3 梅宮大社」の順だろう。
推定1位「松尾大社」の「お札」は、
全国多くの清酒や焼酎の蔵元のほか、
ビールやワインの醸造所、ウイスキー蒸溜所でも見かける。
アメリカ、カナダ、英国のサケ醸造所でも見た。
松尾様のお札は、二千カ所以上はあると思う。
推定2位「大神神社」の「杉玉」も全国の蔵元にある。
毎年の新しい杉玉は、数百個らしい。。
ただ、杉玉は他県の民間業者も作るほか、
自前で作ってしまう蔵元も多い。
2年目・3年目の杉玉や、大神神社以外の杉玉を含めると
二千以上かもしれない。
大神神社の杉玉は、神山・三輪山の杉を使って作る。
下に板が垂れていて、その表裏に
「志るしの杉玉」「酒の神様 三輪明神」とあるのでわかる。
大神神社には、「酒栄講(さかえこう)」という
大正時代に始まった酒造家の講があって、
その会員に「志るしの杉玉」が配布されるのだそうだ。
酒栄講のお供えには
アサヒビール、サントリー、ヒガシマル醤油などもあって、
清酒以外の関西の酒造・醸造業者もメンバーのようだ。
推定3位「梅宮大社」は以前書いた通り、
場所がら伏見や灘の蔵元の信仰が多いようである。
「日本第一酒造の祖神」の碑や看板があるものの、
今はむしろ「子授けの神」として有名である。
3位の梅宮大社の祭神は、
酒解神(サケトケノカミ)
酒解子神(サカトケノコカミ)
など4神で、ずばり酒の神である。
一方、1位の松尾大社の祭神:
大山咋神(オオヤマグイノカミ、山の神)
中津島姫命(ナカツシマヒメノミコト、水の神)
2位の大神神社の祭神:
大物主神(オオモノヌシノカミ、国造りの神)
は、酒と関係ないわけではないが、直接的な酒の神ではない。
梅宮神社が酒造家一番人気でもよさそうに思うが、
明治、大正、昭和、平成と時代を経過するなかで、
このような人気順になったのだと思う。
なお、3つの神社の中で、酒造免許を持つのは、
大神神社だけである。
(やや古いが、加藤百一、醸造協会誌1978年11月号)
神饌田(しんせんでん)という田の米から
神職が濁酒を造って、お神酒とするそうだ。
●▲■ 明治神宮@東京 & 伏見稲荷@京都
>>>>>「日本一のお神酒」
東京の「明治神宮」は、
日本一、奉献のお神酒が多い神社ではないか。
参道にズラリと並ぶ奉献菰(こも)樽は見事、
多くの人が背景にして記念写真をとる。
松尾大社の奉献樽も多いが、2倍はあるだろう。
菰樽は全国の酒造業者からの奉納である。
ほかに、新酒の時期には中央会を通じて、
全国の清酒・焼酎のびんが本殿横にお供えされるそうだ。
明治神宮には「奉献ワイン樽」もある。
フランス・ブルゴーニュの228リットル樽で、
明治天皇が葡萄酒を好まれたことに由来、
と案内板に書かれている。
明治神宮は、
日本一、奉献のお神酒の「種類が多い」神社ではないか。
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京都の「伏見稲荷」は、
日本一、「お神酒が売れる」神社ではないか。
伏見稲荷については既に書いた。
全国に三万社以上あるお稲荷さんの総本宮である。
(稲荷には、別に、豊川稲荷など寺院系稲荷もある。)
本殿には、常時、
多くの一升壜の奉納のお神酒が供えられているが、
ここで書きたいのは別のお神酒である。
2時間ほどかけて、三ノ峰、二ノ峰、一ノ峰を歩いてめぐる
「お山巡り」が正式な伏見稲荷の参拝コースだが、
コース途上には10軒ほどの茶店が点在している。
そして、それぞれの茶屋が独自の
「稲荷山御神酒」ラベルの酒(一合壜や3デシ壜)
を販売している。
酒の銘柄は月桂冠、松竹梅、山本本家、沢の鶴などである。
お山巡りの道筋には無数の「お塚」(祠や神様)がある。
参拝者は茶店で買ったお神酒を決めたお塚にお供えする。
お下がりとして持ち帰る人も多い。
以前のメルマガに福徳長酒類さんの「福徳大明神」のことを書いたが、
「自分のお塚」を持つ会社や商売人もたくさんいる。
伏見稲荷のお神酒は、販売量日本一だと思う。
稲荷山を合計すると
優に年十万本以上売れるのではないか。
●▲■ 番外:コルク供養神社@山梨 & 日本清酒発祥神社@宮崎
>>>>>浅間神社@山梨 & 都万神社@宮崎、
両方とも祭神はコノハナサクヤヒメ
いままでは、実際に訪問した神社仏閣について、
個人的観察(または勝手な意見)を書いたものだった。
一方、以下の2つは、訪問したことがないけれど、
タイトルに鑑み、最後に収載するものです。
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山梨の「浅間神社」(甲斐国一之宮神社)では、
毎年3月にコルク供養祭があるそうだ。
1年間に回収箱で集めた数千個のワインのコルク栓を、
祭りで燃やして(焚き上げて)供養する。
ネットで祭りの写真を見ると、燃やされるワイン栓は、
天然コルクもあるが、DIAMやノマコルクも多い。
浅間神社の祭神が酒の神、コノハナサクヤヒメなので
2001年に一宮町ワイン会がはじめたそうで、
今では10社以上のワイナリーが参加している。
浅間神社境内にはコルクの樹が植えられているそうだ。
山梨大学ワイン科学研究センターにもあるが、
コルク樹は日本では珍しい。
余談だが、西宮の私の自宅にもコルク樹が一本ある。
当社は祖業がコルクの輸入・加工業。
戦前に祖父がポルトガルからコルク樹を持ち帰った。
そのオリジナルの樹は既にないが、そのどんぐりからの実生で、
唯一生き残っているのが自宅の一本である。
気候が合わないのか樹勢はよろしくないが、大切にしている。
昔は日本酒の栓もコルクだった。
また、
自動車のマツダ
PETボトル大手の吉野工業所
シュリンクラベル大手のフジシール
などの有力企業はすべて祖業がコルク商である。
コルクは実にいろいろな企業に貢献した。感謝。
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宮崎の「都万(つま)神社」も
コノハナサクヤヒメを祭神とする。
知らなかったのだが、この神社にも
「日本清酒発祥の地」という標柱があるそうだ。
以前のメルマガで、
奈良の正暦寺
島根の佐香神社
兵庫の庭田神社
の3つの寺・神社に「お酒の発祥地」の碑があることは書いたが
4つめなので、ぜひ書いておかねばならない。
この地は、コノハナサクヤヒメとニニギノミコトが
出会った所と言われ、
コノハナサクヤヒメが酒の神なので、
「日本清酒発祥の地」なのだそう。
コノハナサクヤヒメは三皇子を出産したが、
母乳だけでは足りなかったので、
甘酒を造り乳代りとしたともいわれる。
「日本清酒発祥」より「日本酒発祥」が無難に思えるが、
いろいろな発祥地があるのは、日本酒の奥深さともいえる。。
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《前回メルマガの修正》
出雲大社のお神酒について、
祀りごとには「一夜酒」と「清酒」を使う。
「一夜酒」は境内の「御供所(ごくうしょ)」で造るが、
清酒は、伊勢神宮と同じく、出雲大社も外部調達。
「八千矛」(やちほこ)が出雲大社の清酒のお神酒。
と書きましたが、誤りでした。
「一夜酒」と「清酒」の両方を境内の御供所で造る。
御供所で造る清酒は祭神の大國主大神のみに供え、
その他の神々には「八千矛」を供える。
が正しい内容でした。
以上で、3回連載の「神社仏閣とお酒」のメルマガを終わります。
text = 喜多常夫
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さて、商品紹介です。
●▲■ ご紹介情報 その1 eアカデミー情報 ●▲■
「焼酎の国際化はどうすべきか」Tips #52
http://www.kitasangyo.com/pdf/e-academy/tips-for-bfd/BFD_52.pdf
当社のPR誌「酒うつわ研究」最新号に
寄稿していただいた論文です。
●▲■ ご紹介情報 その2 K2ディビジョン ●▲■
ガラス栓「ヴィノロック」
サケ(口内径20)用と、ワイン(口内径18.5)用の新資料
http://www.kitasangyo.com/pdf/package/closures/vinolok.pdf
印刷や着色の資料
http://www.kitasangyo.com/pdf/package/closures/vldeco.pdf
●▲■ ご紹介情報 その3 アーカイブ情報 ●▲■
「神社仏閣とお酒」ed.4.0
http://www.kitasangyo.com/pdf/archive/sake-info/Sake_Shrine.pdf
今回の3回連載のメルマガに内容が追い付いていませんが、
写真で見ていただけます。全27ページの大作。
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●▲■バックナンバー閲覧可能!「メルマガ・クロニクル」
http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html
2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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2006年4月以来、きた産業のトピックスを写真で収録。
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