●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.303 ●▲■
発行日:2023年6月27日(火)
■ アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報 ■
発行:きた産業株式会社 https://kitasangyo.com
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●▲■ サケウォッチングinパリ
● 「WAKAZE パリ醸造所」訪問記・・・「低精白によるサケ造り」
● 「パリの地でフランス人が好んで日本酒を飲む日」が、ついに現実に!?
● サケ専門のマレの「京子2号店」 + 関空で見た「高価な日本酒」
text = 喜多常夫
ご紹介商品●1▲ 「FOOMA 2023」に出展、のブログ
ご紹介情報●2▲ 「サケびん口キャップ」アンケート@FOODEX 2023の結果
ご紹介情報●3▲ 「K2ガラスびん」カタログを更新
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先月5月下旬、イタリアに出張予定だった。
が、出発3日前に、行き先がフランスに変更になった。
イタリアで、当社が輸入するワイン醸造機器のサプライヤーを尋ねる予定だったが、
出発の4日前、「豪雨で洪水、街が水没、受け入れ不能」と先方の会社から連絡。
イタリア北部エミリアロマーニャ州の5月のこの洪水被害は、
日本でも一部のテレビで報道されたので、ご存知の方もいると思う。
日本の報道は少ないが、今月6月もフランスやドイツで豪雨・洪水が続発。
ヨーロッパは、日本と違って水害に慣れていない都市が多いので深刻。
地球の気候変動を痛感させられる事態である。
さて出張はというと、
幸いチケットが「パリ経由ボローニャ行き」だったので、
急遽、行き先を「パリまで」に変更して、
フランスのスパークリングワイン機器サプライヤーを訪問してきた。
で、パリに立ち寄ることになって、
おかげで今回のメルマガが書ける、という次第。
コロナ後初、4年ぶりのパリである。
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●▲■ WAKAZE パリ醸造所訪問記 ●▲■
現在、ヨーロッパには、私の知る限りで、
フランス・・・3カ所
英国・・・2か所
スペイン・・・2か所
スイス・・・1カ所
オーストリア・・・1カ所
の計9カ所のクラフトサケ醸造所が稼働している。
WAKAZEパリ醸造所=WAKAZE Kura Grand Parisは、
2019年11月開業で、「9カ所のうち7番目に開業したクラフトサケ」である。
(より詳細に言えば、ヨーロッパ初のクラフトサケ、ノルウェーの「裸島」が、
2018年にサケ醸造をやめたので、上記の「稼働中9カ所」に入っていない。
故に、WAKAZEは「ヨーロッパで史上8番目に開業したクラフトサケ」である。)
突然で直前の連絡にも拘わらず、快く見学を受けていただきました。
以下にWAKAZEパリ醸造所の基本情報をまとめておきます。
<ロケーション>
パリの南の近郊の、Fresnesフレンヌという街にある。
モンパルナスから電車+徒歩で45分くらい。
住宅街の中にあった倉庫を改装してサケ醸造所に。
<創業者・杜氏>
稲川琢磨さんが創業者で、代表取締役。
杜氏(醸造責任者)は今井翔也さんで、 取締役CTO。
今回は、今井さんに醸造所を案内していただいた。
<米・麹・酵母>
原料米:フランスのカマルグ産を90%精米で使用
麹:日本製、黄麹と白麹を使用
酵母:フランスのワイン用酵母
<設備>
洗米機:「ウッドソン」(日本)
こしき:「イーティーワイ」(日本)
仕込みタンク:「Toscana Inox」(伊)で温調つき2.5KLが12本
搾り機:佐瀬式のような「WAKAZEオリジナル機」(仏)
、、、などなどが、限られた敷地に、効率的にレイアウト・配置されている。
実際の見学記は以下の写真資料をご覧ください。
●▲■アーカイブ資料:「サケウォッチング in パリ:醸造所+レストラン編」
https://kitasangyo.com/pdf/archive/sake-watching/Paris2023-A.pdf
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日を改めて、直営のサケバー「WAKAZE PARIS(ワカゼ・パリ)」
(2022年5月にパリ市内にオープン、ちょうど1年経過)に行って、
WAKAZEのお酒、各種を飲んだ。
WAKAZEは、「フランス米」で「低精白によるサケ造り」を行う。
飲む前は内心、酒造米でない低精白だと雑味があるだろうな、と思っていたが、
程よいきれいさに出来あがっていて、驚いた。
醸造技術や、麹・酵母の選定によるところが大きいのだと思う。
フランス人に合わせた酸味も心地よい。
今、日本の蔵元の多くは「高精白米」で高価なサケを競っているが、
海外のクラフトサケ醸造所にとっては、
(北米以外の海外では高精白米が調達困難という現実があるにせよ)
「低精白の地元米によるサケ造り」が、基本的な選択肢であると思う。
米資源の有効利用の観点からも、正しい選択肢だと思う。
(品質追及のために米を削るのを惜しまない、という主張もわかるのだが)
ワカゼ・パリでは、「しめ」に「酒かすラーメン」をいただいた。
パリは知る人ぞ知る「ラーメン激戦区」だが、これは旨かった。
酒かすは、もちろんWAKAZE醸造所から持ち込まれたもの。
サケづくり同様、酒かすも資源として有効利用していく心意気も感じた。
WAKAZEは現時点で
「世界で一番生産量が多いクラフトサケ醸造所」であると思う。
(石数は非公開だが、数百石規模だと推定します。)
最近、宝ホールディングスと資本提携したことが公表されたが、
販路をアメリカに広げるのが主目的だとのこと。
今後、世界のクラフトサケブランドとなることにに期待しています。
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なお、前掲のリンク先の写真資料には、
「ワカゼ・パリ」以外の日本食レストランのサケ体験として
「ZAKURO(ザクロ)」 で飲んだ、
「惣誉」、「神亀」、「人気一・スパークリング」
「ISSÉ BIS(イセ ビス)」 の昼食で飲んだ、
「剣菱・瑞祥」
についても書いています。
パリで飲むサケは、いつもとてもおいしい。
これら3つのお店では、
お客が「ほぼフランス人」だった(日本客がほぼいない)ことも印象的だった。
当然、「サケを飲んでいるのもフランス人」である。
コロナ前は、このようなお店では、フランス人客が多いものの
「日本人客も1~3割」はいたように思う。
出典を失念したので正確に書けないのだが、
「いつの日か巴里(パリ)の地で、
仏蘭西(フランス)人が好んで日本酒を飲む日が来ぬとも限らぬ」
という意味の一文を、明治か大正に書いた文人がいたそうだ。
日本とフランスは、歴史的・芸術的・文化的に関係が深い。
昔も今も、日本文化を好むフランス人、フランス文化を好む日本人は多い。
私が初めてパリにきたのは40年以上前。
当時からパリにはすでに多くの日本食レストランはあったし、サケも飲めたが、
客のほとんどは日本人、または日本人同伴のフランス人。
日本文化を好むフランス人は多く、日本食を食べるフランス人はいたが、
サケを飲むフランス人はほとんどいなかった。
その後何度もパリに来て、徐々に変化するさまを見てきたが、
コロナを経た2023年、ついに
「パリの地でフランス人が好んで日本酒を飲む日」が、現実になったように感じた。
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●▲■ PARISのサケ小売りの実態 ●▲■
パリはいくつかの有力なサケ販売店がある。
定点観測のお店として
■オペラの「京子」
(老舗の日本食材店で、サケは日本名門酒会銘柄中心)
■オペラの「ISSÉ」
(独自に選んだサケ銘柄のポートフォリオ。醬油や酢の銘柄も多彩)
■オデオンの「LMDW」
(ウイスキーの店。日本ウイスキーに注力しているが、サケも販売)
の3店は、パリに来るたび15年ほど観察を続けている。
コロナ後初めて、お店に並ぶ日本酒銘柄を見てきた。
今回の目玉は、2022年に新しく、
■マレの「京子2号店」
(日本酒販売が主眼の店。店名は「サケ(酒)・マレ」)
が開業したこと。
目を見張るほど多くの日本酒銘柄が、県別に冷蔵リーチインに並べられていた。
さらに、パリの有名デパート
■「ギャラリー・ラファイエット」
■「ボン・マルシェ」
の、サケ専用冷蔵リーチインの中身も観察。
実際の様子は以下の写真資料をご覧ください。
●▲■アーカイブ資料:「サケウォッチング in パリ:小売店編」
https://kitasangyo.com/pdf/archive/sake-watching/Paris2023-B.pdf
サケではない話ですが、
イタリアの「ペローニ」社で委託製造する「アサヒ・スーパードライ」には、
副原料で「米」を使っていない!?
という観察写真も掲載しています。
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上記の写真資料には、
パリのシャルルドゴール(CDG)空港の免税店で、
多くの日本ウイスキー銘柄に交じって、
日本酒「美寺都」(黄桜の海外向けブランド)を発見したことも書いています。
たぶん、「CGD免税店で販売された史上初の日本酒」。
さらに、関西国際空港(KIX)の免税店でみた価格の高い日本酒
朝日山・継:40,000円
獺祭:35,000円、
山本本家・鏡:29,900円
九平次:14,920円
八海山:13,950円
IWA 5 :13,000円
満寿泉Link 8: 12,000円
などの観察記録も掲載。
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上記のうち、IWA 5はご存知の通り、
元ドンペリニヨンの醸造責任者だったジョフロワさんが造るサケ。
「IWA 5(Assemblage 3)」の製品の、
横に置いてあった英語の資料には以下のように書かれていた。
Sensory profile:
Cucumber, Green Mango, Coriander stem, Sap. Anis. Laurel…
官能的な特徴:
キュウリ、グリーンマンゴー、コリアンダー(パクチー)の茎、樹液、 アニス、月桂樹…
この表現を見て、ちょっと驚くとともに、
「サケ新時代」に入りつつあるのを感じた。
text = 喜多常夫
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さて、当社情報のご紹介です。
●▲■ ご紹介情報 その1 :ROOTS ディヴィジョン ●▲■
「FOOMA 2023」に出展ブログx2本
https://blog.goo.ne.jp/kita-slow_blog/e/31c69259a12f00a5e0beb7cbb80836dd
https://blog.goo.ne.jp/kita-slow_blog/e/017b93aff839d7ee16b1ccefd2bde574
6月6日から9日、東京ビッグサイトで開催された
「FOOMA 2023」(食品機械の国際展示会)に出展しました。
ご来場いただいたみなさん、ありがとうございました。
●▲■ ご紹介情報 その2 :KKディヴィジョン ●▲■
「サケびん口キャップ」7つの選択肢・アンケート@FOODEX 2023の結果
https://kitasangyo.com/pdf/e-academy/caps-and-corks/sake-cap-survey2023.pdf
3月7日から10日、東京ビッグサイトで開催された
「FOODEX 2023」(食品や飲料の国際展示会)に出展しました。
展示会来場者95人に、
AZK、jZK、MZK、ヴィノロック、KT+KSなど各種の「サケびん口キャップ」を開封してもらって、
どのキャップがよいかなど、アンケートを行った結果です。
●▲■ ご紹介情報 その3 :K2ディヴィジョン ●▲■
きた産業の「K2ガラスびん」カタログを更新
https://kitasangyo.com/pdf/K2glassbottle_ed5.pdf
清酒・焼酎、ワイン、ビール、スパークリングなど、
K2びんのラインナップを最新カタログに更新しています。
(更新日:2023年6月26日)
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https://kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html
2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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http://blog.goo.ne.jp/kita-slow_blog/
2006年4月以来、きた産業のトピックスを写真で収録。
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