●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.309 ●▲■
  
  発行日:2024年1月29日(月)
    ■ アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報 ■
  
    発行:きた産業株式会社 https://kitasangyo.com
  
  
  
      ------------------< 目 次 >------------------
  
        ●▲■ 「パーカピタお酒消費量」で、「お酒の基本3法則」を検証する
  
          ● 基本法則1 「先進国における伝統酒逓減の法則」
          ● 基本法則2 「グローバル化に伴う酒類多様化の法則」
          ● 基本法則3 「アルコール摂取量減少の法則」
  
          ■ 日本の「ワイン」・「清酒」・「ビール」のパーカピタ消費量
          ■ フランス・イタリアの「ワイン」のパーカピタ消費量
          ■ ドイツ・アメリカ・チェコの「ビール」のパーカピタ消費量
  
          text = 喜多常夫
  
          ご紹介情報●1▲ サケびん口キャップ「AZK」がバイオ樹脂10%に
          ご紹介情報●2▲ 「ガッシング付きハンドシーマー」
          ご紹介情報●3▲ きた産業の「CSR/ESGレポート」
  
  
  
  
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          大学の学生さんに酒類産業のことを話すとき、
          お酒には次の「基本3法則」
          ● 基本法則1 「先進国における伝統酒逓減の法則」
          ● 基本法則2 「グローバル化に伴う酒類多様化の法則」
          ● 基本法則3 「アルコール摂取量減少の法則」
          があります
  と説明してきました。
  
  
    昨年末に日本ブドウ・ワイン学会で講演するために、
    ワインのパーカピタ(per capita=一人当たり)消費量を調べました。
    (ワインは、日本国内で消費量が「伸びている」お酒なので)
  
    併せて、「減っている」清酒やビールのデータも調べたのですが、
    パーカピタ消費量は「お酒の基本3法則」をよく表していると思ったので、
    今回はそれを書きます。
  
  
  
  
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    ●▲■ 日本のパーカピタ「ワイン」消費量
  
    ■1995年:1.15L(カッコ内:この年を100とすると)
    ■2000年:2.13L(185)
    ■2010年:2.09L(182)
    ■2022年:2.71L(236)
    ※資料出所:メルシャン
  
    ●▲■ 日本のパーカピタ「清酒」消費量
  
    ■1995年:10.4L(カッコ内:この年を100とすると)
    ■2000年: 7.9L(75)
    ■2010年: 4.6L(44)
    ■2022年: 2.9L(27)
    ※資料出所:国税庁の課税移出と総務省の人口統計から筆者が算出
  
  
    過去のいろいろな資料を検索して見ると、たとえば清酒については、
    「成人一人当たり消費量
    昭和48(1973)年度22.5L
    平成15(2003)年度8.1L
    令和2(2020)年度4.0L」(国税資料から抽出)
    といったように、「成人人口」で割り算したものはありますが、
    本資料の数字は「パーカピタ」=「未成年も含む全人口1人当たり」の数字です。
  
    ワインは、母数が小さいこともあって、
    95年→22年の27年間で2.36倍になりました。
    「グローバル化に伴う酒類多様化の法則」の代表例といえます。
  
    一方、日本の伝統酒である清酒は、
    95年→22年の27年間で27%に縮小。
    「先進国における伝統酒逓減の法則」を如実に示しています。
  
  個人的にはそれほどの実感がないので驚いたのですが、
  ワインのパーカピタ消費量2.71Lは、
    いまや、清酒の2.9Lの9割にまで肉薄しています。
  
      ただ、いくら食生活・ライフスタイルが変わるとはいえ、
      ワインが清酒を追い越すことはないだろう、、、すなわち、
      ほぼ半世紀にわたって伸びてきたワインも、
      2030年ころにはサチュレーションになるのではないかと思います。
  
  
      「海外市場における清酒」は、
      「グローバル化に伴う酒類多様化」の一環で今後も伸びる余地は大きいですが、
      「日本市場におけるワイン」は、
      「グローバル化に伴う酒類多様化」による増加フェーズのピークになりつつあると思います。
  
  
  
  
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      ●▲■ フランスのパーカピタ「ワイン」消費量
  
      ■1995年:78.9L(カッコ内:この年を100とすると)
      ■2000年:72.3L(92)
      ■2010年:57.4L(73)
      ■2022年:43.6L(55)
      ※資料出所:OIV (Organisation Internationale de la Vigne  et du Vin)
      (追記:OIV統計には、日本のパーカピタワイン消費量も記載されるけれど、
      あまり現実と合っていないようなので、前節ではメルシャンの数字を採用)
  
      ●▲■ イタリアのパーカピタ「ワイン」消費量
  
      ■1995年:73.4L(カッコ内:この年を100とすると)
      ■2000年:63.1L(86)
      ■2010年:45.4L(62)
      ■2022年:46.6L(63)
      ※資料出所:OIV
  
  
  言うまでもなく、フランス・イタリアの伝統酒はワインです。
    95年→22年の27年間で、それぞれ55%と63%に縮小。
    これも、「先進国における伝統酒逓減の法則」を如実に示しています。
  
    減り方は日本の日本酒(同じ期間で27%に縮小)に比べるとだいぶましですが、
    フランス・イタリアのワインも、日本の日本酒も、
    「半世紀にわたって減り続けている」のは同じです。
  
  
    ただ、イタリアのワインは近年、若干増加傾向、あるいは下げ止まった感じ。
    (上記の通り、2010年と2022年が、ほぼ同水準)
    伝統酒逓減の法則にも、底があるのだと思います。
      日本の日本酒も、2030年頃には下げ止まるような気がします。
  
  
      フランスではワイン生産は基幹産業の一つ。
      OIVによれば、フランスのワイン生産量4,560万HL(2022年)のうち、
        国内消費分は55%、輸出が32%(残りは持ち越しなど)だそう。
(注:4,560万HL=約2,500万石、日本の清酒生産の25倍規模) 
  フランスでは、ブドウ農家を含む農家全般で、
    他のEU諸国からフランスに入る安いワインや農産物に抗議して、
    (農業に関する税制・法律変更への抗議もあって)
    主要国道の交通を大量のトラクターでブロックする、
  EU諸国から入ってくるワインや農産物をトラックの荷台から路上にぶちまける、
    などの過激な行動が盛んに行なわれていて、
      いま、大きな社会問題になっています。
  
  ただ、ワインの場合は、そもそもフランス国内消費が年々減ることが背景にあって、
    これは如何ともしがたいファクターと言えます。
  それに「フランス人は高くてもフランスワインをもっと飲め」というのも、土台無理な話です。
  
  一方、フランスは今や世界一のウイスキー消費国の一つです。
  日本ウイスキーの主要輸出相手国でもあり、
    (中国ほどではないにしても)比較的高価なウイスキーが売れています。
  フランスにおける、ワインから蒸留酒へのシフトは、
    「グローバル化に伴う酒類多様化の法則」を示す、と言えます。
  
  
  
  
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    ●▲■ 日本のパーカピタ「ビール類」消費量
    (注:「ビール」のほか、「発泡酒」「第三ビール」も含めた、
    「ビール類」の数字です。)
  
    ■1995年:56.0L(カッコ内:この年を100とすると)
    ■2000年:56.0L(100)
    ■2010年:45.4L(81)
    ■2021年:33.2L(59)
    ※資料出所:キリンビール「キリン大学」
    (注:先述のワイン、清酒の数字は直近が2022年ですが、
    ビールの直近データは上記の通り2021年。以下同じです。)
  
    ●▲■ ドイツのパーカピタ「ビール」消費量
  
    ■1995年:138L(カッコ内:この年を100とすると)
    ■2000年:126L(91)
    ■2010年:107L(78)
    ■2021年: 90.4L(66)
      ※資料出所:キリンビール「キリン大学」
  
      ●▲■ アメリカのパーカピタ「ビール」消費量
  
      ■1995年:84L(カッコ内:この年を100とすると)
      ■2000年:82L(98)
      ■2010年:78L(93)
      ■2021年:72.6L(86)
      ※資料出所:キリンビール「キリン大学」
  
  
  ドイツの数字は、「先進国における伝統酒逓減の法則」を示しますし、
  日・独・米3か国の減り方は、「アルコール摂取量減少の法則」を示しています。
  
    また、日本のビール類の減少の背景には、
    RTDに需要がシフトしたことがありますが、
    これは「酒類多様化の法則」を反映しているといえます。
  
  
  
  
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      以上のように、パーカピタお酒消費量は、
      「お酒の基本3法則」をよく実証しています。
  
      人口減少・高齢化の日本は、
  今後、基本法則のうち、
  第3法則「アルコール摂取量減少の法則」の重みが増してくると思います。
  
    国連のWHO(世界保健機関)は世界的にアルコール摂取量を制限しようとしているし、
    日本の厚労省は「飲酒ガイドライン」を検討されていますが、
    そんな措置がなくても、総量はいまから「自然にどんどん減る」と思います。
  
  
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      ただ、例外のケースもあって、
  チェコでは、伝統酒のビールが以下のように近年伸びているようです。
  
    ●▲■ チェコのパーカピタ「ビール類」消費量
  
    ■1995年:157L(カッコ内:この年を100とすると)
    ■2000年:158L(101)
    ■2010年:132L(84)
    ■2021年:184.1L(117)
    ※資料出所:キリンビール「キリン大学」
  
  公表統計は2017年から急に増えていて、
    アサヒがピルスナーウルケルを取得して統計の母数が変わった?
    などの影響もありそうに思うのですが、
  もちろん、法則には例外あり、と言えます。
  
                               text = 喜多常夫
  
  
  
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    さて、当社情報のご紹介です。
  
  
    ●▲■ ご紹介情報 その1  :KKディヴィジョン ●▲■
    サケびん口キャップ「AZK」がバイオ樹脂10%に
   https://www.kitasangyo.com/pdf/package/closures/AZK-BIO.pdf
  
  AZKの標準品は、バイオ樹脂10%。
    少しでも環境にやさしい材料を取り入れる目的です。
    AZKは多くの720mlびんのお酒で採用いただいています。ご採用事例は以下でご覧ください・
  https://www.kitasangyo.com/pdf/archive/package-designs/DRB22_sbk.pdf
  
  
  
  
  ●▲■ ご紹介情報 その2  :ROOTSディヴィジョン ●▲■
    「ガッシング付きハンドシーマー」
   https://www.kitasangyo.com/pdf/machine/seamer-capper-labeler-etc/handseamer_g.pdf
  
  クラフトビールではアルミ缶が増えています。
    ガッシング機能を備えた、ベーシックな卓上のアルミ缶巻締機です。
    (現行モデルは、カタログ掲載写真と若干異なります。
    マイナーチェンジで、350缶・500缶が兼用できる予定です。)
  
  
  
  
    ●▲■ ご紹介情報 その3  :会社情報 ●▲■
    きた産業の「CSR/ESGレポート」
   https://www.kitasangyo.com/pdf/company/CSR_ESG_report.pdf
  
  環境や社会貢献に関するレポートを作成しました。
    全生産に占めるBPA(ビスフェノールA)不使用のキャップ比率
    お客様満足度の点数
    製造工程で発生する不良キャップの資源分別度の改善
    20年近く継続している週末の大阪事業所周辺の清掃活動
    などを紹介しています。
  
  
  
  
  
  
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    ●▲■バックナンバー閲覧可能!「メルマガ・クロニクル」
  
  https://kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html
  
    2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
      __________________________
  
  
      ●▲■ブログもやっています!「スローなブログ」
  
  http://blog.goo.ne.jp/kita-slow_blog/
  
    2006年4月以来、きた産業のトピックスを写真で収録。
      __________________________
  
  
  
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      紹介商品に関するお問い合わせは、営業部まで。
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