●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.325 ●▲■
発行日:2025年12月23日(火)
■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:きた産業株式会社 https://kitasangyo.com
------------------< 目 次 >------------------
●▲■ 年末恒例、2025年の〇と✕
■ アメリカのクラフトのお酒は、明確な減少局面に・・・×(バツ)
→ クラフト蒸溜所が1年で787か所減少!
■ 日本のクラフトビールはまだ増加中・・〇(マル)& △(サンカク)
→ 日本が減少し始めるのは5年先=2030年?
■ アサヒ、サントリー、サッポロ、キリン、オリオンでの出来事・・・!(ビックリ)、ほか
■ 2025年の✕(バツ)・・・アメリカ、中国、コメの価格
■ 2025年の〇(マル)・・・酒をテーマにしたTV番組、若い酒造家
●▲■ 年の瀬のご挨拶
text = 喜多常夫
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年末恒例、2025年の〇✕(マル・バツ)、
独自の視点で、お酒・アルコール飲料業界の1年を振り返って、
〇=マル:よかった
✕=バツ:NG
△=サンカク:ちょっと問題アリ
!=ビックリ、ドッキリ
を書きます。企業名は敬称略で失礼します。
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●▲■ アメリカでクラフトの酒が「明確な減少局面」・・・✕(バツ)
●▲■ 日本のクラフトビール醸造所数は増加継続・・・〇(マル)~△(サンカク)
アメリカのクラフト酒造所(ビールと蒸溜所)の数は2023年まで増え続けた。
生産量の上でも、概ね増加基調できた。
今や、クラフト酒造所で働く人は20万人以上だそうで、一つの産業となっている。
それが、初めて減少局面に入ったことを
昨年、2024年末のこのメルマガで書いたのだが、
今年、2025年末も書かねばならない。
2024年は、「減少の兆候」程度だったが、
2025年は、「明確で、大きな減少局面」となったことを数字が示している。
■■アメリカの「クラフトスピリッツ蒸溜所」の数■■
ACSA(American Craft Spirits Association)は、
クラフトスピリッツについて、蒸溜所数や生産規模などを毎年公表している。
「暦年データ」の確定は翌年春先まで待たねばならないので、
その年の傾向を示す速報として、毎年「年央(8月)時点の数字」が公表される。
最近公表された2025年年央のクラフト蒸溜所数を、過去2年の同時期と並べて書くと以下。
2023年8月現在 2,753か所
2024年8月現在 3,069か所
2025年8月現在 2,282か所(▲787か所=▲26%の大幅減!)
「1年で787か所も蒸溜所が減少」、とはちょっとイメージしにくいので、
「閉鎖」ばかりでなく「蒸溜休止」もカウントしているように思うが、
いずれにせよ、極端な不振になっているようだ。
クラフト蒸溜所数の「暦年データ」の推移を書き出すと、以下の通り。
後述のクラフトビールには及ばないものの、急激に増えてきた。
が、2024年に初めて微減、2025年は未公表だが大幅減は確実である。
2000年 24か所
2005年 60か所
2010年 204か所
2015年 1,163か所
2020年 2,279か所
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2021年 2,450か所
2022年 2,710か所
2023年 2,853か所
2024年 2,807か所(▲46か所=▲2%の微減)
2025年(ACSAは未公表だが、年央値からすれば2,200程度か)
2026年はさらに厳しい年になりそうだ。
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■■アメリカの「クラフトビール醸造所」の数■■
BA(Brewers Association)は、
クラフトビールについて、醸造所数や生産規模などを毎年公表している。
(同じことを書くが)
「暦年データ」の確定は翌年春先まで待たねばならないので、
その年の傾向を示す速報として、毎年「年央(ビールは6月)時点の数字」が公表される。
最近公表された2025年年央のクラフトビール醸造所数を、過去2年の同時期と並べて書くと以下。
2023年6月 アクティブ=9,339か所
(総数=9,456か所)
2024年6月 アクティブ=9,352か所
(総数=9,528か所)
2025年6月 アクティブ=9,269か所(▲83か所=▲1%の微減)
(総数=情報なし)
BAの年央の数字は、「アクティブ」(活動を行っている醸造所)の数、としている。
(去年までは「存在する醸造所の総数」も併せて公表されていたが、今年は見当たらない。)
前掲のクラフトスピリッツ蒸溜所数に比べて、減り方は軽微だが、
「生産量」(対前年比を表示)は以下のように3年連続減で、減少度は毎年増えている。
2023年 ▲1%
2024年 ▲4%
2025年 ▲5%(暫定)
アメリカのクラフトビールは明確な転換局面に来ている。
この3年は、毎年400か所以上が閉店(!)しているそうだ。
継続している醸造所でも、ビール以外のことに取り組むところが増えているそう。
クラフトビール醸造所数の「暦年データ」(=年末時点)について、
前掲の「クラフト蒸溜所」のデータと同じ年について記載しておく。
BAは、25年の「暫定値」も公表している。
2000年 1,556か所
2005年 1,447か所
2010年 1,813か所
2015年 4,803か所
2020年 8,921か所
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2021年 9,210か所
2022年 9,675か所
2023年 9.761か所
2024年 9,796か所
2025年 暫定9,778か所(▲18か所=▲0.2%の微減)
アメリカのクラフトビールの歴史は10,000を超えることなく、
2026年は相当減るのではないかと思う。
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■■日本の「クラフトビール醸造所」の数■■
一方、日本のクラフトビール醸造所数は、2025年も増加を継続している。
当社(きた産業株式会社)は、
クラフトビール醸造所数を継続的に調査し、毎年公表している。
前掲までと同じ年について、データを記載しておく。
2025年の暦年データ(年末)の数字が出るのは来春だが、
概ねの今年の新規開業と閉店の情報は入手しているので、予測値を書いている。
2000年 310か所
2005年 267か所
2010年 219か所
2015年 250か所
2020年 491か所
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2021年 558か所
2022年 677か所
2023年 803か所
2024年 907か所
2025年 予測985±5か所(78±5か所=8.5%程度の増加)
内心、2025年末で1,000か所以上かと思っていたが、届かない見込み。
先進国の、近年の酒類マーケットでは
「クラフト」としてのポテンシャルシェア(量的シェア)は上限で5~10%だろうと考える。
(クラフトが10%を突破して、15%に迫るのは本来難しそうに感じるが、
BAによればアメリカでは13%程度になっているそう。それも減少局面に至った要因かもしれない。)
なお、「プレミアム」のポテンシャルシェアも上限5~10%程度で、両者は重なる部分もあると思う。
日本では、クラフトビールのマーケットシェアは、アメリカに比べてとても低い。
故に、日本のクラフトビールは2026年以降も増加すると思うのだが、
シェア上限になる前に、減少に転じる可能性は高い。
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日米のクラフトビール醸造所数の増加カーブには共通点がある。
日本のクラフトビール醸造所数は、
21世紀に入って2015年ころまで200~300か所で停滞し、
2015年ころから一気に増加して、2024年に900か所を突破した。
あまり知られていないが、
アメリカのクラフトビール醸造所数も、日本と同じようなカーブ特性で
21世紀に入って2010年ころまで1,400~1,600か所で停滞した時期があって、
2010年ころから一気に伸びて、2021年に9,000か所を突破した、という経緯がある。
伸び始めた時期に日米で5年の時差があることを思えば、
減少に転じる時期も、日本はアメリカの5年遅れ(=2030年頃)かもしれない。
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●▲■ アサヒ、サントリー、サッポロ、キリン、オリオンでの出来事・・・!(ビックリ)、ほか
2025年は酒類大手で、大きな出来事が相次いだ。
コメントを書く立場にないので、項目のみ記録しておきます。
■アサヒ:9月、ランサムウェアの攻撃で、受発注システムが停止
■サントリー:9月、新浪会長の辞任
■サッポロ:11月、不動産事業売却、KKRへの優先権を解除
バランス上、キリンも、それにビール酒造組合の5社目であるオリオンも書いておきます。
■キリン:ミャンマービールを手放したのは正しい判断だった
■オリオンビール:9月、東証プライムに上場
キリンの話題は他社と種類が異なるが、最近、印象的だったので書いたもの。
2025年12月6日の日経新聞によれば、
軍事クーデターにかかわった国軍の系列であるミャンマービールは、
かつてはミャンマーで8割のシェアだったが、大きくシェアを落としていている。
今はハイネケンが1位で50%近いシェア
2位がチャーン(タイ)、3位がカールスバーグ。
2022年の話だが、キリンは、
国軍の関係企業であることを理由にミャンマービールの持ち分を手放した(撤退した)。
3年経過して、それが正しい判断だったことが分かった、という記事。良かった。
なお、ハイネケンとカールスバーグは、ミャンマーではシェアをとったが、
ロシアのウクライナ侵攻で2022年にロシア生産から撤退しているので、
苦い経験はキリンと同じ、相見互い(あいみたがい)である。
世界市場では、予想できないリスクが増えている。
ただ、一方、酒類大手にとって、国際戦略は欠かせない。
ごく最近報じられた以下も、2025年の大きなニュースである。
■アサヒ:12月、ディアジオから東アフリカの事業を4,600億円で買収
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●▲■ 2025年の✕(バツ)・・・アメリカ、中国、コメの価格
以下も、コメントを書くだけの知見がないが、
2025年の大きな出来事として、項目のみ掲載しておきます。
■アメリカ(=2024年の日本酒輸出、量1位・金額2位):
日本酒の輸入について、8月から関税15%となったことは、
2025年の大きな出来事。
2026年以降、輸出への影響が出てくるのだと思う。
■中国(=2024年の日本酒輸出、量2位・金額1位):
11月、日本への渡航自粛を呼びかけで、中国からのツーリストは大幅減。
緩和されそうになった水産物の輸入規制も継続。
日本酒の輸入規制は、従来通りの10都県対象だが、今後の動向は気がかりである。
香港からの日本渡航も減っているようで、
少なくともインバウンド需要には大きな影響がでるだろう。
■コメの価格の問題:
2024年からの食用米の価格高騰の影響で、酒米が高くなった。
酒米から食用米栽培に転換する農家もあって、量も不足。
今回の一連のコメ高騰に関する一般報道で、
日本酒には「加工用米」や「特定米穀」などが相当量使われることも、
広く認識されるところになった。
●▲■ 2025年の〇(マル)・・・酒をテーマにしたTV番組、若い酒造家
最後に〇(マル)だったことも書きます。
個人的な印象によるものですが、二つ選びました。
■酒をテーマにしたTV番組の増加
酒をテーマ(または、隠れたテーマ)にしたTV番組がずいぶん増えたと感じる。
吉田類、太田和彦、六角精児などの酒有名人の番組以外に、特にBSで多い。
一時途絶えていたNHKの「世界入りにくい居酒屋」も、最近時々放送される。
酒好きには楽しみが増えて、2025年の〇(マル)であった。
(関連:日経新聞の夕刊に2022年から連載が始まった「酒紀行」は、
興味深く見ていたが、残念ながら今年終わったようだ。3年ほどの連載だった。
ただ、小泉武夫さんの「食あれば楽あり」は、昨夜の夕刊にもあった。驚きの30年以上の連載。)
■酒で働く若い人たちの増加
日本酒、ワイン、ビール、クラフトサケなどの酒造所で、若い人がとても多い。
夢をもって、お酒造りにチャレンジする人が増えていることを感じる。
若者増加は今年に始まった事ではないが、これを2025年の〇(マル)としておきます。
クラフト、小規模酒造、日本伝統の醸造技術、お酒の文化、、、などが
21世紀に入って、新しい価値として捉えられるようになって、
最初のクォーター(25年)が過ぎた結果の、一つの到達点であると感じます。
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今年も押し詰まりました。暮れのご挨拶を申し上げます。
https://kitasangyo.com/2026message/message_2026.html
(↑「クリスマス&年賀のカード、それに、年末年始の休日のご案内」)
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個人的に、印象深い2025年のニュース。
ドイツとフランスで、志願制ながら「徴兵制」が導入されるそう。
ロシアとEUの対立懸念が高まる中での導入決定だそうだ。
ドイツは、当初案では義務的徴兵だったが、最終的には志願制となったのは救い。
お隣の韓国では以前から徴兵制があるが、
G7の国で、新たに徴兵制が議論される時代になるとは想像しなかった。
世界の社会・経済・政治はますます混迷を深め、
民族・宗教・人種の対立は深刻化する様相だが、
2026年は、ウクライナとガザの状況だけでも改善することを心から願うものです。
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きた産業は、2026年5月で創業110周年となります。
これを機に、より一層お役にたつ企業となるよう努めてまいります。
2026年も、なにとぞ宜しくお願いいたします。
きた産業株式会社 代表取締役 喜多常夫
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