●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.333 ●▲■

発行日:2026年
9月28日(月)
■ アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報 ■

発行:きた産業株式会社 
https://kitasangyo.com



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< 目 次 >------------------

●▲■ 「ガラスびん」に関する考察
●■(
イントロ・統計1)「ガラスびん入り」のシェア@2025年
 ■世界のワイン:70%程度   ■世界のウイスキー:90%+
 ■日本のビール:6%弱   ■日本の日本酒:45%程度
●■(
イントロ・統計2)日本のガラスびんの生産本数、過去25年の減り方
 ■ガラスびん全体:44%減   ■お酒のガラスびん:47%減
 ■清酒・焼酎のガラスびん:46%減   ■ワインのガラスびん:45%減
●■(本論)酒類におけるガラスびんの重要性

text = 喜多常夫


ご紹介情報●1▲ EUの
「BPA規制」や「PPWR」への対応について
ご紹介情報●2▲ 
さけビン口キャップ、「ZK」シリーズのご採用事例
ご紹介情報●3▲ 
「K2 ガラスびん」、総合カタログ



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当社、きた産業の主業は「キャップの製造」で、
そのほとんどが、「ガラスびん用のキャップ」で、かつ「酒類用のキャップ」である。

恥ずかしながら、、、
当社のキャップ生産数は、この半世紀、毎年、ほぼ減少傾向が続く。
当社の得意とする清酒・本格焼酎の分野では
小びん化(=キャップ数は増える)が進んできたが、それでも、キャップ総数は減ってきた。

すなわち、
「ガラスびんに入ったお酒は、毎年減少を続けている」
ということだ。

お酒全体の消費量が減るからキャップ数は当然減るわけだが、
「ガラスびん入りの減少」は「全体量の減少」を大きく上回るスピードで減ってきた。



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本論の前に、まず、
お酒の最終消費の場面で、「ガラスびん」入りがどのくらいのシェアなのか、
世界と日本の状況を観察してみる。

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●■「世界のワイン」消費における、ガラスびん比率の推定●■


2025年の世界ワイン消費量は2億0,800万hl(※)

これは、フルボトル(750ml)換算で277億本分に相当
(※:OIV(国際ブドウ・ワイン機構)による。
近年は毎年減で、2018年以降の累計では14%減
2025年消費量は、実に1957年以来の低水準だそう。
因みに、2025年の世界ワイン生産量は2億2,700万hlで、
毎年、余剰が出る状況。)

一方、フルボトル用のコルク栓・キャップの総数は180億個程度(※※)
(※※:ワインコルク大手のAMORIMやNOMACORC、
ワインスクリューキャップ大手のAMCOAやGUALAなどの情報から)


したがって、
■世界のワイン消費におけるフルボトル比率:180億/277億=約65%

フルボトル(750ml)以外にも、187、500、1500など様々なガラスびんがあるので、
■世界のワイン消費におけるガラスびん比率:70%程度

と推定します。

つまり、世界市場では、ワインの主流容器は「ガラスびん」。
が、そのシェアは低下傾向。
残り30%程度は、「BIB」などの紙容器や「量り売り」など。
アメリカでは「アルミ缶」も増えている。

ただし、日本市場ではガラスびん比率はもっと少ない。
「PETボトル」、「紙パック」が多いほか、「ボトル缶」も増加傾向。


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●■「世界のウイスキー」消費における、ガラスびん比率の推定●■


世界市場の規模をネットで調べると、
「2025年の世界のウイスキー市場規模は928億9,000万米ドル」

といった金額的データはあるが、量的データは見当たらなかった。

そこで、以下は推定だが、2025年の世界ウイスキー消費量は
ボトル(700や750ml)換算で35-40億本程度(※※※)ではないか。
(※※※:SWA(スコッチ・ウイスキー協会)による
2025年のスコッチウイスキー輸出は数量ベースで13億本相当、
アメリカのDistilled Spirits Councilによる
2025年のアメリカンウイスキー市場規模は3,000万ケース=3.6億本相当
などなどから、筆者の感覚的な推定。
35-40億本が、前掲のワイン277億本の1/7-1/8程度、というのも感覚に合致)

ワインの場合は、キャップ数データからガラスびん比率を推定したが、
ウイスキーはデータを持ち合わせていないので、私の推定を記すと以下。

■世界のウイスキー消費におけるガラスびん比率:90%+

日本では、大型PETボトル入りや、ウイスキー規格のハイボール缶などもあるが、
全体としては、日本でも「ガラスびん」が主流容器。


海外でも、国際線航空機の一部で採用されるPETボトル入りなどもあるが、
全体として、世界のウイスキーの最終消費の場面ではガラスびん入りが多いだろう。
バルクで売買されても、最終的にはガラスびん入り製品になることが多い。

すなわち、ウイスキーでは、「ガラスびん」が圧倒的主流容器、と言える。
「ガラスびん主流」はブランデーやジンなど、蒸留酒一般の傾向と言えるだろう。
(ただし後述のとおり、本格焼酎は異なる)


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●■「日本のビール」消費における、ガラスびん比率●■


■日本のビール類消費におけるガラスびん比率:6%弱
(注:ビール類=ビール+発泡酒+第三)

日本の大手ビール4社については、業界誌の「酒類食品統計月報」が
長年にわたって継続的に、「びん / 缶 / 樽」の比率を調査・公表している。
2025年は、概ね、
「びん / 缶 / 樽」 = 6% / 77% / 17%

ビールは、大手4社のほかに
オリオン、クラフトビール、輸入ビール、輸入PBビールなどがあるが、
全体で見ても、「ガラスびん比率6%弱(または5%強)」は変わらないと思う。

日本のビールでは、「缶」が圧倒的な主流容器、と言える。


クラフトビールは、1995~2005年ころまでガラスびんが主流だったが、
その後(特にこの10年で急速に)、アルミ缶比率が増えた。

アメリカでも、1990年代のクラフトの価値観は、
「クラフトビールはガラスびん」、
「缶はナショナルブランドのもの」、「缶入りクラフトビールは自己否定」
だったが、この10年ほどで缶が主流になってしまった。


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●■「日本の清酒」消費における、ガラスびん比率●■


■日本の清酒消費におけるガラスびん比率:45%程度

上の数字は、当社・きた産業による2025年の推定値。

2025年現在の清酒のパッケージ別構成比率は概ね、
「ガラスびん / 紙パック / その他」 = 45% / 52% / 3%
であると推定しています。

ガラスびんを、さらに「1.8Lびん」と「それ以外」に分け、
「1.8Lびん / それ以外のガラスびん / 紙パック / その他」
とした比率は、以下のような推移(当社の推定)。

1980年 (818万石)= 75% / 21% / 2% / 2%
1990年 (790万石)= 64% / 18% / 15% / 3%
2000年 (555万石)= 34% / 22% / 41% / 4%
2010年 (329万石)= 21% / 25% / 52% / 3%
2020年 (232万石)= 17% / 29% / 51% / 3%
2025年 (204万石)= 15% / 30% / 52% / 3%
(  )内は清酒の課税移出数量

清酒は
「出荷量の減少」に加え、
「ガラスびん比率の減少」を続けている。

現在、ガラスびん入りが45%程度あるとはいえ、

日本国内における主流容器は紙パック、と言える。
本格焼酎も、同じく、紙パックが主流容器になっている。

関連:きた産業のアーカイブ情報
「清酒出荷石数TOP20、55年の変遷+パッケージの変化」
https://kitasangyo.com/pdf/archive/sake-info/ranking_55years.pdf


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続けて、日本のガラスびん製造業界の状況も見ておく。

(注:以下は大手ガラスびんメーカー6社が加盟する「ガラスびん協会」の統計数字。
この協会に加盟しないに中堅ガラスびんメーカーが数社あるので、
実際の日本のガラスびん製造総数量は記載より若干(数%程度)多い。
ただ、全体としての経時的傾向は明確に示されている。)

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●▲■ ガラスびん全体:
お酒、化粧品、薬品、飲料、調味料など、
全てのガラスびんの合計出荷本数。

2000年 =   80.7億本
2010年 =   67.3億本
2020年 =   52.4億本
2025年 =   45.1億本(25年で▲44%)


●▲■ お酒のガラスびん:
清酒、焼酎、ビール、ワイン、洋酒など
酒類用のガラスびんの合計出荷本数。

2000年 =   13.5億本
2010年 =    9.7億本
2020年 =    7.5億本
2025年 =    7.2億本(25年で▲47%)


●▲■ (お酒のうち、)清酒・焼酎のガラスびん:

2000年 =    7.4億本
2010年 =    6.2億本
2020年 =    4.4億本
2025年 =    4.0億本(25年で▲46%)


●▲■ (お酒のうち、)ワインのガラスびん:

2000年 =    1.21億本
2010年 =    1.05億本
2020年 =    0.71億本
2025年 =    0.66億本(25年で▲45%)


ガラスびんは、全ての区分で長期的に減少傾向。
25年のレンジで見ると、どの区分も▲45%程度でそろっている。

飲料や調味料などに比べて酒類の減り方が少ないかと期待したが、
生活のどの分野でも、ガラスびん離れが進行していることがわかる。

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大手ガラスびんメーカーの石塚硝子が、
姫路工場でのガラスびん製造を2022年に停止したのは記憶に新しい。

ガラスびんメーカーの減産は、海外も同様である。
以前のメルマガで、以下の事例を書いた。

O-I社が2025年に、
ボルドー工場に4基あるガラスびん製造炉のうち1基を休止。
(ボルドーワインの不振に伴う措置)

Verallia社は2026年に、
シャトーベルナール工場に3基あるガラスびん製造炉のうち1基を休止。
(コニャックの販売不振に伴う措置)

O-I(Owens Illinois)とVerallia(サンゴバン社のガラスびん部門)は、
ガラスびん生産者の世界TOP3社の中の2社である。

ガラスびんの生産本数・消費本数は
日本でも世界でも減少している。



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さて以下が本論。
「ガラスびん」についての、筆者の考えです。


「ガラスびん、PETボトル、アルミ缶、紙容器」の4つのパッケージを比較すると、
製造時や輸送時の炭酸ガス排出量は、ガラスびんが多いだろう。
また、ガラスびんは廃棄に手間がかかるし、
「洗ってリユースするシステム」に沿って処理される本数は減っている。

PETボトル、アルミ缶、紙容器は軽くて便利で、
「コモディティ商品」、
あるいは「量を売る」目的には、
適していると言えるだろう。
(マイクロプラ問題、BPA/PFASなどの化学品規制、EUのリユース規制など、
複雑な要素が加わって、本当に適していると言えるのか不透明だが)


一方、
「どのパッケージが、プレミアム感があるか?」
という質問をすると、
男女・世代にかかわらず、ガラスびんがトップになると思う。
日本人だけでなく、多くの国の人に共通する認識だと思う。

さらに、年単位の「長期保存」には、ガラスびんが圧倒的に優れている。
また、「美味しそう」に見えるのも、たぶんガラスびんが優位だと思う。

もしも、お酒をコモディティ商品ととらえるなら、PETボトル、アルミ缶、紙容器でよい
。
しかし、
お酒の今後は、「非コモディティ商品」(あるいは「ブランド商品」)の性格を強くすべき。
「量を売る」ことも必要だが、それはだんだん困難になる。
今後、お酒は、「価値や文化の商品」として育てる必要がある。
そのためには、ガラスびんを重視すべきである、と考える。



シルバーウィーク中、自宅近くのCOOPやスーパーマーケットで、
清酒・焼酎の売り場で紙パック商品が最大フェースになっているのを見た。
清酒では2Lパックで1,000円程度から並んでいる。
長年見慣れた光景とはいえ、改めて、
日本のZ世代やアルファ世代にこの光景が刷り込まれるのが怖い、、、
インバウンドの日本酒愛好家がこれを見てどう思うだろうか、、、
と心配になった。


清酒・本格焼酎は、出荷量で紙パック入りが過半となっているが、
世界市場で、清酒・本格焼酎を「非コモディティ商品」として育成していくには、
日本
市場から、ガラスびん比率を増やす努力をしなければならないと考える。

世界市場ではワインの70%程度がガラスびん入り、と書いた。
清酒や本格焼酎も、世界市場で価値のある酒類としていくには、
日本国内でのガラスびん比率70%程度を目指すべきだろう。

世界市場ではウイスキーの90%+がガラスびん入り、と書いた。
本格焼酎はアルコール度数が低いが、同じ蒸留酒カテゴリー。
ガラスびん比率90%を目指せれば、世界戦略の上ではとてもよいと考える。

                                   text = 喜多常夫



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さて、当社情報のご紹介です。

●▲■ ご紹介情報 その1:KKディヴィジョン ●▲■

EUの
「BPA規制」や「PPWR」への対応について

酒類のヨーロッパ輸出の実務で、
最近発効した2つのパッケージに関する規制がよく話題になる。


■2026年7月21日
発効
  EU 2024/3190(EU 10/2011、いわゆる「PIM」規制の補足規則)で 、
「BPA(ビスフェノールA)」+「有害ビスフェノール類(bisphenol derivatives)」の規制が発効
。
  「BPA」だけでなく 「有害ビスフェノール類」があるので、
従来の「BPANI(BPAの意図的添加無し)」の宣言書では不足と言われる場合がある
。

■2026年8月12日発効
  EU 2025/40(いわゆる「PPWR」=包装・包装廃棄物規制)のうち、
「PFAS(ペルフルオロアルキル化合物)」と「重金属4種」に関する規制が発効
。
  実務的にはもっぱら、「PFAS」対応が課題だが、
日本国内で流通するパッケージは対応していない場合がある。


きた産業は、自社で製造するキャップ製品について、
順次BPAやPFASの規制
の対応を進め、また宣言文書を準備しています。



●▲■ ご紹介情報 その2:KK ディヴィジョン ●▲■

  さけビン口キャップ、「ZK」シリーズのご採用事例
https://kitasangyo.com/pdf/archive/package-designs/DRB2025_ZK.pdf

AZK、MZK、jZKは、720mlびんで多くご採用いただいています。
日本酒・本格焼酎のプレミアム化に貢献するキャップです。



●▲■ ご紹介情報 その3:K2 ディヴィジョン ●▲■

  「K2 ガラスびん」、総合カタログ
https://kitasangyo.com/pdf/K2glassbottle_ed5.pdf

清酒・焼酎用、ビール用、ワイン用、スパークリング用など。
「国産びん」のほか、「輸入びん」のラインナップも豊富です。
王冠・キャップと合わせて、ガラスびんもお任せください。




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https://kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html

2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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2006年4月以来、きた産業のトピックスを写真で収録。
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