●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.50 ●▲■
    発行日:2004年 11月5日(金)
 ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:喜多産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

------------------< 目 次 >------------------
●▲■ (後編)「ガス入りお酒」 滋賀県、近江八幡にて

●▲■メニュー1: 「サラダ・ニソワーズ・フナズシ」
●▲■メニュー2: 「モロコ(湖魚)の佃煮」
●▲■メニュー3: 「近江牛のすき焼き」

ご紹介アイテム●1▲「祝!5000万缶達成。加熱機能つき容器」

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前回は、以下の3種のガス入り清酒を試作したところまででした。
  ●吟醸酒ベースの低ガスボリューム清酒:10℃前後で飲む酒
  ●濁り酒ベースの中ガスボリューム清酒:10℃前後で飲む酒
  ●甘口低アルの高ガスボリューム清酒:5℃前後で飲む酒

今回はその続編。(本稿は、小社発行「酒うつわ研究」誌9月号の
「ガス入りのお酒」をメルマガ向けに再編集したものです。)

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●▲■ 滋賀県、近江八幡にて。

今春になって再び来日。当然「あの酒を開けよう」と衆議一決。
2004年4月の週末、シャンパン壜に入ったガス入り清酒3本を携えて、
ツネオ(きた社長)と私は滋賀県近江八幡(おおみはちまん)を訪問した。
めざすは旧市街の中にある、古い小さな土蔵。

近江八幡は「近江商人」の故郷。
有名な商人(アキンド、と発音する)の豪壮な家が保存され、
旧市街は歴史的景観保全地域に指定されている。

碁盤に区切られた細い街道筋、「ベンガラ格子」や「うだつ」が残り、
辻々にある地蔵尊にはみずみずしい供花がある。

そんな古風な町並みにあるこの土蔵はツネオの父方の実家の蔵だった建物。
100年以上前の建物でいまは誰も住んでいない。
侘び寂びを感じさせ、日本酒を楽しむにふさわしい場所である。

手作りのガス入り清酒3本に組み合わせる料理は、
前菜には「サラダ・ニソワーズ・フナズシ」(?)と「モロコの佃煮」、
メインに「近江牛のすき焼き」という豪華メニュー。

夕刻、食事の用意も万端整い、テースティングをはじめる。
外はこの時期珍しい大雨、人通りの絶えた街道に雨音だけが聞こえる。


●▲■ メニュー1:「サラダ・ニソワーズ・フナズシ」

まずは「吟醸酒ベースの低ガスボリューム清酒」でスタート。
冷蔵庫から出してしばらく置いたので設定目標どおり10℃強くらいか。
シャンパンコルクはポンッという音とともに抜ける。

「吟醸酒は微炭酸と相性がいい」という直感は、当たり、と思います。

軽快でサラリとした酸味のせいか、
わずかに砂糖を入れたはずだがむしろ辛口に感じる。
これに組み合わせるのは創作料理「サラダ・ニソワーズ・フナズシ」。

近江名物、「フナズシ(鮒寿司)」をご存知ですか?
いわゆる寿司とは程遠いシロモノ。
琵琶湖特産のニゴロ鮒のはらわたを取り除いて数ヶ月塩漬けしたあと、
ご飯を腹に詰め込んでさらに数ヶ月から長ければ2年くらい樽でつける。

「乳酸醗酵」というと聞こえがいいが
見た目も匂いもほとんど「腐った」状態。
まさに珍味。食べられない人も多かろうけれど、好きな人は癖になる。
今回はサラダニソワーズ(ニース風サラダ)仕立てで、
アンチョビ替わりに「雌フナズシのスライス」を散らした自作の一品。

ガス入り吟醸酒で新鮮野菜とフナズシをいただく。
2-3ミリの薄い切片のフナズシを口に入れると、
ブルーチーズをさらに腐らせたような、異次元醗酵臭が口腔に広がる。

これと吟醸酒の組み合わせは最高。
フナズシの後味を適度なガスが入った吟醸酒が整える。
試作的ガス添加ではどうしてもエステル系アロマが少し飛んでしまうが、
かえって吟醸香が強すぎないのがいい。

「ウーン、絶妙」。

自然とフナズシに箸がのび、吟醸酒がすすむ。
シャンパンびん1本の吟醸酒と「サラダ・ニソワーズ・フナズシ」は
あっという間に二人の胃袋に消えてしまった。


●▲■ メニュー2:「モロコの佃煮」

二皿目の前菜は近所で仕入れた「モロコ(琵琶湖の魚)の佃煮」である。
八幡の街中には数軒の湖魚屋さんがあり、佃煮が近江名物。
なかでも2〜3cmほどの小魚、モロコはファンが多い。

これに組み合わせる酒は、、、
残る二本のうち、少し迷った末「甘口の高ガスボリューム清酒」に。

十分に冷やしてあるのでさわやかなガス。
モロコの佃煮は甘すぎず、それだけでパクパク食べられる淡白さだが、
ガス入りの酒と合わせると食欲はさらに加速。
中皿に盛り付けたモロコは瞬く間になくなる。

ただ正直なところ「甘口アルコール10度ガス入り」
というコンセプトは難しいと感じた。

(ワインでいう)火打石のフレーバーがあればなあ、
いや、硬水で割ってミネラル味があれば良かったのかも、、
あるいは、、、アルコール度がもう1度ずれていたら、などと思いがよぎる。

とはいえ十分に美味しかった。
佃煮に冷やしたガス入り甘口酒、こんな組み合わせもアリである。


●▲■ メニュー3:「近江牛のすき焼き」

そして最後に残るは、お楽しみの濁(にご)り酒。
私もツネオも濁り酒ファン。やはり楽しみは最後に残しておきたいもの。

シャンパンコルクをポンッと開けてグラスで味わう。

温度は12-13℃といったところか。辛口である。
ガスは過度ではなく醗酵中の炭酸ガスのように自然に感じる。
酒好きの食中酒としてこれ以上ない酒。

「近江牛のすき焼き」も煮えてくる。
霜降り(脂肪)の近江牛を生卵につけて戴く。

ウマイ。アメリカ人は生卵に抵抗があるだろうけれど、
この至福を知らないとはまことに不幸なヒトタチである。

近江牛とガス入り濁り酒は絶妙なるマッチング。
まことに語彙不足であるが、
二人とも肉を食べては美味い!酒を飲んでは美味い!!の繰り返し。

私の母方の曾祖父は日本人ですが、
こんなに美味いすき焼きを食べ、こんなに美味い濁り酒を飲んでいると、
私の中で半世紀以上眠っていた、
1/8の日本人のDNAが一気に目覚める感じ。

「日本酒の需要を底上げするには日本人のDNAに訴えることだ」、
と実感したことが大いなる収穫でした。

こうして3本のシャンパンびんに入ったガス入り清酒と、
「サラダ・ニソワーズ・フナズシ」、「モロコの佃煮」、「近江牛のすき焼き」
は二人の胃の腑にすっかり納まりました。
二人は大満足し、そして深い酔いに落ちていきました。
               (text:Gerry Meliwol)

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さて、当社の商品ご紹介です。

●▲■ ご紹介アイテムその1:KKディビジョン ●▲■ 
「祝!5000万缶達成。加熱機能つき容器」
http://www.kitasangyo.com/SHC-System/SHC-System.htm

1986年の生産開始以来、累計5000万缶を越えた記念写真です。

初期のころは、缶は紙缶で、発熱操作はピンを突き刺す方式でした。
いまではアルミ缶だし、底ボタンをプッシュする方式に進化し、
操作性、安全性ともおおきく進歩しました。

5000万缶に至る道は、結構長い道のりでしたが、
皆様のおかげでここまできました。ありがとうございました。

これからお燗のお酒の美味しい季節。
コンビニなどで販売されている各種お燗機能つき容器をご愛飲ください!
(加熱機能つき容器の生産に関してISO9001の認証を取得しています。)


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2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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