●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.53 ●▲■
    発行日:2005年 1月11日(火)
 ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:喜多産業株式会社 http://www.kitasangyo.com


------------------< 目 次 >------------------
●▲■ ボルドーにて (その1)
「どこでもドア」なら良いけれど「なんでもeメール」はちょっと、、、
 ●「選果システム」の急速なひろがり
 ■「重力式レイアウト」または「ストレスをかけない送液」

ご紹介アイテム●1&2▲ 「Diemmeの選果システム」
ご紹介アイテム●3▲ 「Ragazziniのチューブポンプ」
ご紹介アイテム●4▲「TCW Waukeshaのローブポンプ」

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こんにちは喜多です。暮れにボルドーに行ってきました。
目的はVinitech(ヴィニテック)というビエンナーレ(2年に1度)の
ワイン設備、ワイン資材、ブドウ栽培機械の展示会。

当社がワイン設備・資材の輸入をしているはご存知のとおり。
展示会は取引先が一同に会するので、打ち合わせが効率よく出来る。

近年、ビジネスは「なんでもeメール」化してしまったけど、
やはり顔を合わせて話すことが大事だなあ、と改めて思いました。

(多くの企業であるでしょうが、隣席の人にeメールする、
話すほうが、と思いながらもメールが楽で確実と思ったりして。
嗚呼、反省。ドラえもんの「どこでもドア」なら夢があるが、
最近の「なんでもeメール」は考え物、と感じる今日このごろ。)


閑話休題、今回は展示会やメール文化論でなくワイナリーのこと。
ボルドーといえば、やはりワイナリー(シャトー)訪問。

今回はボルドーのシャトー訪問で気づいたこと2点を書きます。

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その1)「選果システム」の急速なひろがり

つてを頼って5つのシャトーに訪問のランデヴー(約束)をとりました。
(約束なしの訪問を受けるシャトーは少ない。)
右岸・左岸、超高級・中級(機械収穫)などバリエーションある5つです。

驚いたのはなんと、訪問した5つのシャトーのうち、
3つが近年選果コンベアを導入(うち2つは21世紀になっての導入)、
1つが2005年導入に向けて検討中、と言っていた事。

●▲■ (参考資料)「健全果でしこむ、ボルドー編」
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/selecting_Bordeaux.htm

特に「あの」シャトー・ラツールで選果コンベアを見たのは印象的でした。
(マルゴー、ムートン、ラフィット、オーブリオンと並ぶ5大シャトー)

ラツールはこの3年程で設備を大きくリノベーションしたそうだけれど
その結果、葡萄を中二階から取り込む設計になっている。
2ラインの選果コンベアラインを含む処理室を中二階に設けて、
丁寧に手摘みした葡萄を、再度、選果しているそう。

不良果や、望ましくない梗をのぞくことで、確実に品質が上がる。
中堅、中小含め、話した限り皆さんが選果に関心を持っている様子でした。

正直言って、ボルドーでこれほど選果が拡がっているとは驚きでした。

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その2)「重力式レイアウト」または「ストレスをかけない送液」

除梗破砕後の葡萄や醗酵後の赤葡萄の移送で
「葡萄にストレスをかけない方法」に皆さん力点を置いていた。

葡萄にストレスをかける要因はポンプ。
ラバーインペラー、ピストン、モーノなどはその機構ゆえストレスがある。
ストレスをかけない具体的対処法には二つの方法論がある。

一つ目は、ワイン専門誌などでよく紹介されているけれど、
「重力式レイアウト」(2階で除梗破砕して1階のタンクに落とすなど)。

先述のシャトー・ラツールはリノベーション後、
選果→除梗→選果→破砕の処理室を中二階に設けて、
破砕後は半地下のタンク室にコンベアと「重力」で落ちる設計でした。

ラツールに限らず新工場は、
上から下に落とす重力式を取り入れているところが多い。


二つ目の方法は「葡萄にやさしい」ポンプを採用すること。

「チューブポンプ(英語ではperistaltic pump)が1番やさしくて、
2番目はローブポンプ(robe pump)でしょう」、とは
知人のワイン技術コンサルタント(アメリカ人)の見解。

破砕後の葡萄や、醗酵後の赤のポマースを、
ホッパーで受けてタンクに送る場合には必然的にチューブポンプになる。

工場が平面レイアウトの場合は「チューブポンプ」の採用が多い。
先の資料にあるシャトー・ベイシュビル然り、
後の資料に出てきますが、「あの」シャトー・マルゴー然りです。

「葡萄にストレスをかけない」ということは、一義的には、
「種とか皮を壊したり引きちぎったりしない」という意味でしょうが、
「液体そのものにストレスをかけずに優しくする」ことでもある、
と、なんだか哲学みたいなことをいう。

とにかくこぞって「ストレスをかけない」と語っていたのが印象的でした。

液と葡萄の移送法にこれほど気を使っているとは勉強になりました。

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ボルドーはワイン造りに保守的であるように思っていましたが、
その実、新しいことを取り入れているなと感じた今回の訪問でした。

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さて当社の商品ご紹介です。
(以上を述べた後では、我田引水がすぎるようですが、請許。)

Vintechでも、目立っていたのは選果コンベアの展示。
2年前のVintechで展示していたのは1〜2社だったと記憶しますが、
今回は10社以上は展示していました。

以下は、Diemmeの展示の紹介、学会誌や専門誌に見る情報、
それに、昨年秋にSワインさんにご採用いただいた事例。

●▲■ ご紹介アイテムその1:ROOTSディビジョン ●▲■ 
「Vinitech展示会でのDiemmeの選果システム」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/brewing/Diemme_VT2004.htm

●▲■ (参考資料) 「健全果でしこむ」
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/selecting.htm

●▲■ ご紹介アイテムその2:ROOTSディビジョン ●▲■ 
日本でご採用いただいた「Diemmeの選果システム」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/brewing/selectsystem.htm


なお(私はボルドーに行っていたので出席しませんでしたが)、
年末の日本ブドウ・ワイン学会に出席した社員によれば、
招待講演のアメリカのMartin Mochizukiさんの発表の、
最後の部分で述べられた「Winery inputs」の3つのうちの1つも、
「some wineries now use sorting belts before crushing 云々」

当社は2002年から選果コンベアシステムをPRしてきましたが、
間違ってなかったなあ、と思っている次第。ぜひお引き合いください。

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つぎにポンプ。

●▲■ ご紹介アイテムその3:ROOTSディビジョン ●▲■ 
「Ragazziniのチューブポンプ」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/brewing/Rotho_Pump.html

これはCh.マルゴーのことが載せてある資料です。
Ch.ベイシュビルは先掲の「健全果でしこむ、ボルドー編」をご覧ください。


●▲■ ご紹介アイテムその4:ROOTSディビジョン ●▲■ 
「Waukeshaのローブポンプ」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/brewing/TCW_RPD.htm

ローブポンプも場面によって非常に有用。
ポンプの一般的性状に関しての下記資料もご参考に。

●▲■ (参考資料)「ポンプの特性比較」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/brewing/Pump_chart.htm

            (text. T.Kita)

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