●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.63 ●▲■
    発行日:2005年 9月12日(月)
 ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:喜多産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

------------------< 目 次 >------------------
●▲■ スリランカ
 ●「アカデミック」にいきたい?
 ■清酒における紙パック比率は50%
            (Text=喜多常夫)

ご紹介アイテム●1▲汎用キャップ「一升びん用とPPキャップ」
ご紹介アイテム●2▲ガラスびん「KK徳利750」
ご紹介アイテム●3▲シャンパンびん用の圧力ゲージ
ご紹介アイテム●4▲卓上ラベラー、「はるぞう」&「BGL2000」

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  ●▲■スリランカ

選挙と台風が過ぎた。9月半ばというのにまだ暑い日が続くが、
短い夏休みの記憶は夙(つと)に遠ざかる。

薄まる記憶の中で、
今年のお盆は戦争・戦後を振り返るテレビ番組を
随分たくさん放映していたことが印象に残っている。
戦後60年、人でいえば還暦の節目。
前回ゲリ−・メリウォルが、シンガポールの日本占領時代のこと、
各国の戦争特番のことなどを書いていたが、
他の国でもたぶん同様の事情だったのだろう。

「日本人は自分の国の歴史を知らなさ過ぎる」
といっていた発言が印象深く残っている。
第二次世界大戦に関して日本人、中国人、韓国人が
スタジオライブで討論するNHKテレビの番組での
若い中国人女性の発言である。

今回は冒頭にその連想をひとつ書こう。

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少し前の新聞に、泥沼化するスリランカの内戦を解説する記事で
「終戦後のサンフランシスコ講和条約で、スリランカ(当時のセイロン)
のジャヤワルダナ大蔵大臣(後に初代大統領)は
「憎しみは憎しみによっては止まず、ただ愛によってのみ止む」
と演説し、日本に対する賠償請求権を放棄した」
という書き出しの記事があった。
現在の反政府勢力との関係にもそのような考えが必要ではないか、
といった内容だったと思う。

この演説は有名で、特に年配の方はご存知の方も多いと思うが、
そもそもなぜサンフランシスコ講和条約にセイロンが出席しているか
は知らない人が多いのではないだろうか。

第二次大戦中、日本は何千キロも離れたセイロンを空爆している。
当時は英連邦の自治領だったから。中国・韓国・台湾や、
ビルマ・インドネシア・シンガポールに対する侵攻は知っていても、
セイロン空爆は知らない人が多いのではないか。
(教科書にさえ出てこない?)

偶々何年か前、スリランカの女の子を援助
(フォスタープランという組織を通じて)していた時期があって、
私もそのときにはじめて知った。
若い頃に一度スリランカに行ったことがあるが、
そのときには露知らなかった。

日本人のうちいったいどのくらいの人が、セイロンを空爆した歴史を
知っているのだろうか、、、と思いながら、中国人女性が
「日本人は自分の国の歴史を知らなさ過ぎる」といっていたのを思い出す。


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 ●▲■「アカデミック」にいきたい?


さて、話題を変える。

我が喜多産業では、経営方針の中に「フィロソフィー」(経営哲学)
なるものを設けているのだが、
そのひとつに「アカデミックであること」を謳っている。

経営がアカデミック、とは我ながらワケワカラン表現だが、
まあなんというか、ものを買っていただくだけでなく、
文化的・学術的な貢献もしたい、
特にお酒産業に対してそうありたいという、ダイソレタ希望(?)
からである。

実態は日々のビジネスに悪戦苦闘しているわけだが、
念じれば通ず、というか、
そんなフィロソフィーなるものを掲げて2〜3年もすると、
多少は会社もアカデミックになってきたような気もする。

最近、私自身が講演させてもらう機会が多いのもその影響かも。
1月:広島の酒類総研さんで「ビールの充填技術について」
7月:醸造協会さん主催のセミナーで「最近のワイン醸造設備の動向」
8月:新潟県の杜氏さんの講習会で「清酒のパッケージ考」
と講師を務めさせていただいた。誠に光栄なことである。

ビール、ワイン、清酒、と的(まと)が定まっていないところが
自分らしいところ、まあ幅広いのも悪くない。


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  ●▲■清酒における紙パック比率は50%

8月の新潟での講演のことを少し書く。

場所は新潟県柏崎市、杜氏・蔵人ばかり200人くらいが聴講。
私のほかは、醸造試験場、酒造組合中央会、酒類総研、
などから講師がこられていた。

毎年蔵に入る前のこの時期に2日間の講習会を実施しており、
いつもこのくらいの人数が参加するとのこと、熱心さに驚かされる。

さて私が話したのは、紙パック、ガラスびん、その他のパッケージ
に関する価値観や歴史の一考察。
そもそも容器の多様化が始まった当初、昭和50年代前半は、
紙パック、バッグインボックス、PETボトルの3つ巴の戦いだったが、
何故ゆえに紙パックが勝ち残ったか、などといった話をした。

約400万石が現在の清酒出荷量。清酒の各種パッケージを仮に
(紙パック):(一升びん):(カップびん):(小壜その他)
と区分してみると、その割合は、
(50):(30):(5):(15)
というのが現在の全国平均。いまやほぼ半分が紙パックである。

講演を行った新潟ではどうか。
新潟に限ったデータはないが、
業界関係者はご存知のとおり全国平均からは明らかにずれている。
私の感覚では、
(5):(60):(5):(30)
くらいと思う。

一方、NB(ナショナルブランド=大手)はというと、
各社によって相当個性があるので一概には言えない。
が、平均化したイメージをいうと
(65):(15):(10):(10)
だろうか。紙パック重視のメーカーが多く、
出荷量の75%〜80%が紙パックというところもある。

参考までに今から20年前の話をすれば、
1985年の清酒出荷は約750万石で全国の比率は
(8):(73):(4):(15)
であった。

この20年で、紙パック比率は実に8%から50%に(NBはそれ以上に)
増加したわけだ。
一方、新潟は一番変わっていない地域といえる。
(以上のデータは日刊工業通信社の酒類食品統計月報、
ならびに当社の推定。以下も同じ。)

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さて、「紙パック」の中にはさらに、
バーゲン対象になる「経済パック」といわれるカテゴリーがある。
ご存知のとおり1.8リットルを2リットルに増量したものが主流。
現在では紙パックの80%以上がこの「経済パック」に属する。
「経済パックにあらずんば紙パックにあらず」的な状況だと思う。

1985年の経済パックは23万石(うちNB製品のシェアは55%)
2005年の経済パックは170万石(うちNB製品のシェアは30〜40%)

清酒約400万石のうち、なんと、いまや170万石が経済パック。
20年の数量変化だけ見ると
「経済パックこそが清酒の需要量下落を下支えしてきた」
という言い方もできるが、私の意見は否定的。

NB製品のシェアに着目すると、この20年で大きく下げている。
地方の中堅蔵も参入し、混戦を展開している状況である。
「増量戦略(2リットルパック)」や「ディスカウント戦略」の
マーケティング上というか、経営手法的な目的は
「自社のシェア向上」や「酒類間のパイ拡大」にあるはず。
だが、結果はかえってシェアを下げている。

選挙ではないが、「過半勢力が全体を方向付ける」のは当然。
すなわち、「紙パックは清酒全体のイメージに影響」する。
しかも紙パックのほとんどが経済パックである状況は、
今後改善していかねばならない状況ではないか、と考える。

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話は変わるが、スウェーデン、ノルウェーなどの北欧では、
ワイン販売のうち60%(!)が紙容器(バッグインボックス)
になっていると聞く。

ワインは、清酒と違って容器多様化が進んでいなかった酒類だが、
世界的に見るとここに来て缶詰や紙容器など新容器の展開が華やか。
ワインで世界6位のThe Wine Groupが
バッグインボックス戦略をとっていることが大きい。
(The Wine Groupの「フランジア」は単独ブランドでの
販売量世界一のワイン。日本ではキリンさんが扱う。)

紙パックには、軽い、遮光性、コンパクトネスなど本来の良さがある。
ディスカウント商品にせずに、
紙容器の本来の良さを生かした商品戦略を立てればよかったはずだが、
清酒の場合、イメージ回復はなかなか難しいのではないかと感じている。

たとえばボルドー型、ブルゴーニュ型などといった、
地域アイデンティティーのあるガラスびんが確立しているワインは
一つのヒントになるのではないか。
               (text:喜多常夫)

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さて当社の商品ご紹介です。

●▲■ ご紹介アイテムその1:KKディビジョン ●▲■ 
汎用デザインキャップ「一升びん用王冠とPPキャップ」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/closure/hanyoucap07.pdf

順次新デザインを導入しています。
オールプラスチックの替栓を内蔵した組み合わせ王冠もラインナップ。

汎用デザインのキャップで、在庫圧縮をご検討ください。


●▲■ ご紹介アイテムその2:K2ディビジョン ●▲■ 
ガラスびん「KK徳利750」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/Tokuri750.htm

720mlまたは750ml容量でご利用いただける、
というのがユニークです。
輸出用にもご採用いただけるのではないかと思います。


●▲■ ご紹介アイテムその3:ROOTSディビジョン ●▲■ 
シャンパンびん用の圧力ゲージ
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/gas/ChGauge.htm

シャンパンびんに詰められた
壜内二次醗酵ワインやガス入りワイン、シードルなどのための測定器具。
壜内径固定タイプ、王冠穿孔タイプ、シャンパンコルク貫通タイプ
の3つがあります。

なお、ビールなどにはザーム・ナーゲルの測定装置をどうぞ。
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/gas/ZN_airtester.html


●▲■ ご紹介アイテムその4:ROOTSディビジョン ●▲■ 
卓上ラベラー、タックの「はるぞう」&糊貼りの「BGL2000」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/machine/Haruzokun.html

小ロット生産にとても便利。
ラベル自体の受注にも力を入れています。
営業担当にご照会ください。


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●▲■バックナンバー閲覧可能!「メルマガ・クロニクル」

http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html

2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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