●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.72 ●▲■
    発行日:2005年 12月28日(水)
 ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:喜多産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

------------------< 目 次 >------------------

    年の瀬のご挨拶。 それに、2005年の●と▲。

- - - 2005年の● (その1)東京にてレバノン料理→ヤマブドウ
- - - 2005年の● (その2)ロンドンのレバノン料理→幻のパップリカ
- - - そのほか諸々の2005年の●と▲と■
   カップ酒ブーム、酒類総研、山梨大学、
   ミラノに持参した日本ワインがブショネ、ゴルフ下手のイスラエル人
                           (text:喜多常夫)


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今年も暮れようとしています。一年お世話になりました。

http://www.kitasangyo.com/2006Message/message.html
(↑「少し早いですが謹賀新年、それに年末年始の休日のご案内」)


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この1年を振り返って、「2005年の●(マル=良かったこと)」と、
「2005年の▲(サンカク=ちょっと困ったこと)」を書きます。


- - - 2005年の● (その1)東京にてレバノン料理→ヤマブドウ


日産自動車のカルロス・ゴーン社長の奥さん、リタさんはレバノン生まれ。
知る人ぞ知る、ですが、
リタさんは東京・恵比寿でレバノン料理店を経営しています。

私はエスニック料理好きなので、先日食べに行ってきました。
店の名前は「マイ・レバノン」。リタさんもチラリと見かけました。

日本ではレバノン人もレバノン料理もなじみが薄いと思いますが、
皆さん、レバノン料理は想像がつきますか?

このお店の場合は、
チーズ系の前菜に始まって、豆やナスをすりつぶしたの、
ほうれん草のパイ、千切りにしたビーフやチキン、、、などなど。

お酒は、まず食前酒にアラック(アニス入りぶどう蒸留酒)。

ギリシャのウーゾなどと同系列で、水を加えると白濁するタイプ。
もちろん水割りで出てきますが、それでも強烈。
(何故白濁するのか前から疑問です。ご存知の方、よければ教えてください。)

そして、感心したのはワイン。
メニューにあるのは、「シャトー・XXX(すいません名前を忘れました)」
というレバノンのワイン。

ヴィンテージによって5000円前後から1万円超えクラスまで。結構な値段。

1本1万円のものはさすがに憚られたので、
5000円のものを頼んでみたのですが、これがまことに結構な出来栄え。

裏ラベルを見ると
「カベルネS50%、メルロ40%、プティベルド10%」
などとハッキリ書いてあり、まんまボルドー左岸スタイル。

翌日、フランスでワインを作られていたSさんとお会いしてこの話をしたら、
「レバノンは昔フランス統治下だったので、
ボルドーからエノログ(ワイン醸造技術者)が行ってるんでしょう」
とのコメント。なるほど。

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さて、マイ・レバノンに行った夜は偶々ベリーダンスのショーがありました。
妙齢のレバノン人女性ダンサーの、腰の振り方はセクシーで感動的!
しかも腰振りと同時に、
おなかの筋肉をすごく早い周期(50bpm?くらい)でヒクヒク振るわせる!

この夜はお客が少なく、ベリーダンサーに誘われるままに
しばし私も一緒に踊った(踊るまねをした?)のですが、
とても真似できるものではないと思い知らされました。

おなかの筋肉を震わせるのも試しましたが、、、
、、、せいぜい5bpmだった。(悲! 嗚呼、よる年波には勝てません)

ベリーダンスのせいか、食前のアラックのせいか、
はたまた美味しいレバノンワインのせいか、ずいぶん酔ってしまいました。

酔っ払ってホテルに帰って、
その夜みた夢がわれながら面白かったのでご報告しておきます。

「そうだ、日本では、、、
カベルネS50%、メルロ40%、ヤマブドウ10%、というのがいいぞ。
プティベルドの濃い色、濃いタンニンのキャラを、
アントシアニンたっぷりのヤマブドウ(Vitis coignetiae)で置き換えれば、
日本オリジナルだ」
と、自分で樽からワインをラッキングしてアッサンブラージュする夢。

2005年の●(マル)でした。


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- - - 2005年の● (その2)ロンドンのレバノン料理→幻のパップリカ

パリのベトナム料理やアフリカ料理、
シカゴのハンガリー料理、
鶴橋(大阪、わが社の近所)の韓国料理、
ロンドンのインド料理やレバノン料理、、、など、
都市によって、お店が圧倒的に集積している名物エスニック料理があります。

今年、久しぶりにロンドンにいく機会があったのですが、
レバネーゼ(Lebanese=レバノン料理)を食べにいきました。

ロンドンにはどういうわけかレバノン料理店が非常に多く、
地図でいうと左下に集まっています。

お客はレバノン人が多い。レバノン人は決まって男ばかりのグループで、
しかもお酒なしで食べている場合が多いので、すぐわかる。

東京のマイ・レバノンではそんなことはなかったけれど、
ロンドンのレバノン料理店では、決まって本番料理の前に、
前菜代わりの「生野菜が一杯の皿」がでてきます。

サラダ、ではなく、生野菜の盛り付け、という感じ。
トマト、ピーマン、白菜(風)、きゅうり、などが
切らずにそのまま盛り付けてある。これを適当にとって食べるわけです。

いや、久しぶりだなこれ、と思いながら、
ワインを流し込みつつ食べていると、ガッツーンときました。

見ためピーマン風のものをかじったら、じつは唐辛子だった。
ウェイターに聞くと
「ホット・パップリカだ、ベリーホットだよ」とのこと。

このとき私は「あった、あった!ついにめぐり合った」と小踊りしたのでした。


- - -

私の知識では、料理の味付けで一般に用いられるパップリカは、
あまり辛くありません。
通称で、辛い(ホット)パップリカ、というのはよくありますが、
実は種類としてはパップリカでなく緑のハラペーニョだったりする。

学生時代にロンドンの安宿にしばらく滞在していたとき、
毎朝一緒になるユーゴスラビア人のおじさんが、
まさにレバノン料理店ででた、このホット・パップリカを愛用していたのです。

朝食のときズボンのポケットからピーマンみたいな緑のパップリカを取り出し
て、
アーミーナイフで長さにして1cm分くらいに切って、
さらにそれを細切れにして目玉焼きにパラパラ振りかける。

イギリスなので朝食には毎朝ベーコンエッグがでるのですが、
寝坊をしたりすると目玉焼きは冷めてしまう。

ところが!このユーゴスラビアおじさんのパップリカを、
ほんの少しパラリパラリと振りかけると、
あーら不思議、冷めているはずの目玉焼きが
できたてのような温かさを感じるのです。

「ユーゴから持ってきたんだよ、これなしで食事はできないよ」
と、おじさんの弁。

私もこのパップリカにはまってしまって、
毎朝分け前に預かっていた。

学生時代の夏休みだったので、このとき1ヶ月くらいロンドンにいたのですが、
最後のほうになるとパップリカがついになくなってしまった。

さあ困った、なにしろユーゴのおじさんはこれなしでは食事ができない。

私がせがんで消費を早めた手前、私にも責任がある。
ユーゴおじさんといっしょにパップリカを探すこととあいなった。

世界に冠たる都市ロンドン、このパップリカだってあるにきまってるよ、
と、ロンドンのいろんな野菜売り場を1日回ったが、なかった。
もちろん、辛い唐辛子やピーマン風野菜は各種売っている。
だがついに「ユーゴおじさんのホット・パップリカ」は見つけられなかった。

- - -

これは30年以上前(チトー大統領が亡くなってユーゴが崩壊する前!)の話。
このパップリカ独特の辛味の記憶も薄れる一方だが、
以来、私は海外に行くたび、あのホット・パプリカはないものか、
とずいぶん気に留めて探した。が、一度もめぐり合わなかった。

辛い唐辛子の代表、ハバネーロとかハラペーニョと同じくらい辛いのだけれど、
独特のスパイシーさで、味が違う。
当社の近く(鶴橋)にはコレアタウンがあって、
野菜売り場には韓国から空輸されるスパイシーな細長い緑の唐辛子が並ぶ。
これもとても辛くて美味しいので時々買うが、この辛さとも違う。

あのホット・パップリカにはもう一生めぐり合えないのか!
と思っていたのが、ついに2005年、ロンドンのレバノン料理店でめぐり合った。

30数年ぶりの邂逅(かいこう)。2005年の●でした。


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- - - 2005年の● (その3)カップ酒ブーム

2005年は「カップ酒(グラス風のびんに広口キャップの清酒)」
がブームになりました。

ブームを仕掛けたといわれるお酒屋さん「味ノマチダヤ」や、
カップ酒で有名になった渋谷の立ち飲み居酒屋「buchi」が、
たびたびメディアに登場。
「カップ酒全国コンテスト」まで行われました。

当社はカップ酒用の広口キャップを製造しています。
普段、工場では大手ブランドのキャップを中心に製造しているのですが、
突然、地方ブランドの数量が増えて大忙し。
出荷が間に合わずご迷惑をおかけしたお得意先も多々ありました。
まことに申し訳ありません。

しかし、うれしい悲鳴。2005年の●でした。

こんなこともあるんだなあ、次は一升壜ブームにならないかなあ、、。

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- - - 2005年の● (その4)酒類総研、山梨大学

以前も書いたことがありますが、当社は経営方針に、
「アカデミックであること」などと、大それた目標を書いています。

2005年、私は、清酒(新潟県)、ワイン(醸造協会)、ビール(酒類総研)と、
3分野で講演させていただきました。
まことに光栄なことで、多少「アカデミック」という目標に近づいたかな、
と思って喜んでいます。
(焼酎・泡盛・ウィスキー・グラッパなどの分野でもお役に立てるよう、
最近は蒸留器の情報を収集・勉強などしています。)

加えて今年は、
独立行政法人・酒類総研へ、ビールの試験設備を、
山梨大学・ワイン科学研究センターへ、ワインの試験設備を、
それぞれ納入させていただきました。当社にとってはじめてのことです。

2005年の●●!でした。

どちらも小さな設備ですが、
日本を代表するお酒の研究機関に納入させていただくことができたとは、
本当に光栄であると感謝すると同時に、
ますます研鑽せねばと思っています。


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- - - 2005年の▲ (その1)ミラノに持参した日本ワインがブショネ

ワイン設備を輸入販売している関係で11月にミラノに行ったときの話。

ワイン設備メーカーのエージェントミィーティングのあと、
世界各国のエージェントで懇親パーティーをするというので、
日本から、これは太鼓判、とヨーロッパ人にも自信を持って薦められる
国産ワイン(長野県のワイン、結構高価なシャルドネ)を2本持参しました。

パーティーが始まって、さあ日本ワインを自慢するぞ、
と、ウェイター氏にワインをあけてもらったところ、
ウェイター氏はコルクを嗅いで、、、首を振る。

「このワインはタッポ(=ブショネ、コルク臭)だ」とのたまう。

そんなことはなかろう、と私もコルクとワインを嗅がせてもらいましたが、
記憶にある中でもひどい部類の、素人にもわかるブショネ。

幸い、2本のうち1本はまったく問題なく、
居合わせた世界の人から驚きをもって賞賛されましたが、
それにしてもミラノまで持っていったワインのうち1本がブショネとは、、、

2005年の▲でした。


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- - - 2005年の■? (おまけ)ゴルフ下手のイスラエル人

最後に、私事で恐縮ですが2005年の珍しい体験を書きます。

夏前に、南アフリカ人、私を含めた日本人2人、イスラエル人の合計4人で、
ゴルフをするチャンスがありました。

メンバー1:南アフリカのお兄さんは、中堅企業のディレクターで白人。
なんと年間100回はゴルフをすると豪語する(仕事してるの?)、
タイガーウッズ並み(?)または、藍ちゃん並み(?)の凄腕。
ドライバーで打つ第一打は、私の2倍くらいの距離を飛ばす。

メンバー2:私のゴルフは、一部業界では「有名な」腕前。
いや、、、上手くて有名ではなく、恥ずかしながら、
何年やっても上達しない、下手で有名、な腕前です。
(最近はご迷惑をかけぬよう業界コンペなども遠慮している始末)

メンバー3:もう一人の日本人。
とてもゴルフ好きで、ゴルフにのめりこんでいるのですが、
そのくせ、私とどっこいどっこいの腕前。
スコアはふつうは120代半ば。たまに110代。

こんな組み合わせで果たしてどうなるの、と心配してスタートしたら、
メンバー4:イスラエル人のおじさん、これが、まあなんというか、
どうしようもない下手。
空振りする、方向は出鱈目、パターではグリーンを何往復もする。

さすがのわれわれゴルフ下手の日本人二人も
このイスラエル人には勝ちました。
国際的組み合わせも珍しいし、印象深い体験でした。


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つい長く書いてしまいましたが、2005年はいろいろありました。

2006年もいろいろあるだろうし、いろいろな方とお会いすると思います。
またなにより仕事で皆様のお役に立つ成果を上げたいと思っています。

来年もなにとぞよろしくお願いいたします。

      喜多産業株式会社 代表取締役 喜多常夫


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