●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.73 ●▲■
発行日:2006年 1月18日(水)
■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:喜多産業株式会社 http://www.kitasangyo.com
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「日本酒の売れ筋は意外と甘口」
●▲■糖分は少なく、グルコースが多く、酸が少ない
●▲■血糖値測定用キットの利用?!
(text:入江経明)
アーカイブ資料●1▲「PPキャップの巻き締め(管理編)」
アーカイブ資料●2▲「PPキャップの巻き締め(トラブルシュート編)」
ご紹介アイテム●3▲「汎用デザインのPPキャップ」
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あなたはどんなお酒が好きですかと聞かれると
ほとんどの人が辛口とか甘口とか甘辛で表現します。
次いで口当たりとか香りでしょうか。
甘辛については約8割の人が辛口を好み、
甘口を好む人はわずか2割だそうです。
ずっと以前は世の中が不景気になるとお酒は辛口傾向となり、
景気が良くなると甘口傾向になると言われていました。
アルコールが沢山できる辛口酒はどちらかといえば経済酒ですから
不景気になると多く出回ったのでしょうか。
そういえば戦後、世の中が回復するにつれて甘口傾向となり
昭和40年代初頭に甘さはピークに達しました。
しかし以降、景気はバブル期に至るまで上り調子に推移しましたが
お酒は逆に辛口傾向に変わり
中には鬼殺しと云われる超辛口酒まで現れ
以前の話とはだいぶ違ったものになりました。
思うにずっと以前はお酒一升(1.8L)の値段と職人さんの日当が
ほぼ同じぐらい高価なものでそうガブガブとは飲めませんでしたが、
今はご承知のように大変安くなり手軽に飲めるようになりました。
飲む機会、量が多くなると
必然的にあまりしつこくなくあっさりしたものが好まれ、
その結果として 辛口酒が選ばれるようになったのではないでしょうか。
甘辛は、ずっと以前はメーカーの都合で決められ、
今は消費者の都合で決められていると思います。当たり前の話ですが。
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一般的に甘辛の尺度は日本酒度 (メーター)で表されます。
日本酒度は特殊な目盛を付けた比重計(日本酒度計)で測ります。
お酒の比重はその中の糖分量でほぼ決まりますから
日本酒度はお酒の糖分量を表していると云えます。
糖分の多いものが甘口、少ないものが辛口、極めて当然です。
ところが舌が感じる甘辛は糖分だけではありません。
有機酸も係わっているのです。日本酒度が同じでも酸が多いと辛く感じます。
さらに細かく云えばぬる燗で甘く熱燗で辛く感じ、
逆に冷蔵庫で冷やすと辛く感じます。
さらに困った事を云えば人間の舌は甘辛に対して意外と鈍感です。
キキ当て会でよく当るのが香り、酸味で
次いでアルコール濃度、味の濃さ
そして日本酒度でいう甘辛はあまり当たりません。
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お客様は辛口が好きと云われますが
そのまま額面通り受け取ってよいものか長い間疑問に思っていました。
そのような折に得意先の問屋さんの社長お気に入りのお酒を数点持ち込まれ
「こんなお酒が造れたらいくらでも売ってあげる」と云われました。
いずれも全国から集めた売れ筋商品です。
早速キキ酒をしたところいずれもふくらみがあって飲んだ後がすっきりとした
非常に飲みやすいお酒です。
日本酒度から云えば辛口タイプなのですが全く辛さを感じさせません。
いろいろな分析を試みて判った事はいずれも糖分は少ないのですが
グルコースが意外と多く且つ酸が少ないという単純な事です。
10数年前のことでした。
丁度グルコースの測定が比較的手軽に出来るようになった頃です。
グルコースの甘さがふくらみを、そして酸の少なさと糖分のすくなさが
飲み口をすっきりと感じさるのではないでしょうか。
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日本酒度で表される糖分はグルコースを含めた糖類の集合体です。
グルコースのように甘さを強く感じるものとか
あまり感じないデキストリン等が含まれています。
従って甘辛の表現には日本酒度よりグルコースが適切である
ことは判っていましたがグルコースの測定は非常に難しかったため
日本酒度で代用されていたのです。
グルコースの重要性に気が付き始めたころ
糖尿病を患っている母親が病院から血糖値測定用のキットを持ち帰ったのをみて
或いはお酒にもと試したところ見事測ることが出来ました。
10倍に薄めてチップに浸すだけです。今では広く普及しています。
脱線しますが今病院では血中の酸素飽和度を
赤外線でいとも簡単に測って酸素吸入量を調節しています。
センサーはリング状で指にはめるだけです。
お酒は酸素に弱いとされていますのでその測定に或いは応用出来るのでは。
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その後もいろいろと売れ筋商品を調べていますが
ほとんどが先に述べた特徴を有している事が判りました。
すなわち日本酒度で表されるほどに辛くないのです。むしろ甘く感じます。
2〜3年前から酒造組合中央会ではより舌の感じ方に近い尺度として
次のような新しい算式が提唱されました。
甘辛度=グルコース%−酸度
(酸度は清酒10mlを中和に要する1/10規定カセイソーダml数)
甘口: 1.9以上
やや甘口: 1.1〜1.8
やや辛口: 0.3〜1.0
辛口: 0.2以下
ただ残念ながら
各社のラベルを見るとあまり採用されていないように見受けられます。
いままで辛口と詠っていたものを実は甘口でしたとは云えないのもよく解りま
す。
せいぜい辛口表示をはずすぐらいでしょうか。
最後に、まずいと思われたお酒に砂糖を少し加えてみて下さい。
驚くほどにおいしく変身すること請け合いです。
text:入江経明 (大手酒造メーカーの技術担当部長を経て、
現在は清酒製造の指導やコンサルティングをおこなう。)
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さて今回は、アーカイブ資料のご紹介です。
●▲■ ご参考情報その1:アーカイブ資料 ●▲■
「PPキャップの巻き締めについて(管理編)」
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/PPmakijime_C.pdf
清酒、焼酎、ワインなどで広く使われているPPキャップ。
品質管理が意外とおろそかになっているケースを見受けます。
管理方法の基本的情報をまとめた資料で、改訂版です。
●▲■ ご参考情報その2:アーカイブ資料 ●▲■
「PPキャップの巻き締めについて(トラブルシュート編)」
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/PPmakijime_TS.pdf
こちらはトラブルが起こった場合の
基本的な対応をかいたもの。やはり改訂版です。
●▲■ ご紹介アイテムその3:KKディビジョン ●▲■
「汎用デザインのPPキャップ」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/closure/hanyoucap_PP_ed6.pdf
汎用デザインのキャップです。新製品などにご活用ください。
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●▲■バックナンバー閲覧可能!「メルマガ・クロニクル」
http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html
2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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