●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.79 ●▲■
    発行日:2006年 5月15日(月)
 ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:喜多産業株式会社 http://www.kitasangyo.com


------------------< 目 次 >------------------

●▲■「飲まないお酒」その3
    ▲●灰持酒「赤酒」(を飲む)▲●

●▲■(お知らせ)
   「少し愛して長く愛して、きた産業、90周年」
                   (text=喜多常夫)

ご紹介アイテム●1▲「SMB-ROOTS 15L/4S」3000cphビール缶詰機
ご紹介アイテム●2▲「PM−PPキャップ」(インシェルモールディング)
ご紹介アイテム●3▲「トリノカップ150」カップ酒の新企画に!

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本文に入る前に、
読者からの「飲まないお酒」関連情報を紹介します。

前々回メルマガで、Slug X(ビールを使うナメクジ取り器)に関して、
「イタリアビールより英国ビールのほうが、ナメクジがたくさん取れる」
と、イタリアのシーナが書いていました。

これについてある読者(工学博士)から次のコメントをいただきました。

「10年ほど前、ビールにナメクジが集まることを試験しました。
ビールの種類によって集まるナメクジの数が全く異なり、
一位がXXビール、二位はXXビールとXXビール」
(筆者注:名前は伏せるが大手4社の高級ビール銘柄や代表ビール銘柄)
「一方、発泡酒などにはほとんど集まりませんでした。
これが、美味しさを測る物差しなら良いのですがね。」

面白い話であるなあ、と感心しました。


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さて、「飲まないお酒」の第三回。

少し前、熊本に出張する機会がありました。
熊本には「赤酒」という「灰持酒」があるのをご存知でしょうか。
新潟に「赤い酒」というのがありますが、それとは違い日本古来のお酒。


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「灰持酒(あくもちざけ):清酒のもろみを搾る前に
保存性を高めるために木灰を添加し、搾った酒。
この灰持酒に対し、清酒は火入れ殺菌により保存性を高めていたため
火持酒(ひもちざけ)と呼ばれていました」

「熊本県で製造されている灰持酒を赤酒(あかざけ)と呼んでいます。
これは色が赤褐色であったことから来ているとのこと。
現在は主に料理用やお屠蘇(とそ)用に使われています」

「赤酒は「お国酒」として庇護されていたが、
明治以降、特に西南戦争に伴って熊本に入ってきた火持酒によって
生産が少なくなり、第二次世界大戦でいったん途絶えました。
しかし、昭和25年に復活を遂げています」
        酒類総合研究所発行の情報誌「お酒のはなし」より要約


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赤酒の代表的なお蔵、熊本の瑞鷹株式会社さんの東肥蔵に伺った。
(瑞鷹(ずいよう)さんでは清酒、赤酒、焼酎などを製造されている。)

赤酒は、肉や魚の煮付けにとてもいいと料理人の間で評判のよう。
最近、新たに赤酒製造に参入した会社もある由。

料理用の代表格、みりんや料理酒は酸性、
いやワインもビールもお酒はたいていが酸性であるが、
赤酒は木灰由来の微アルカリ性なので、
料理のタンパク質を固めないのがいいらしい。

赤酒はエキス分が多く、甘めで粘重な酒。
前述の酒類総研さんの資料どおり、
需要のほとんどは料理目的と、正月のお屠蘇に売れるものだそう。

料理用、お屠蘇用、すなわち「酔うためのお酒」ではないので、
「飲まないお酒」の範疇に近いと思う。

が、しかし、赤酒を少し冷やして食前酒にすると、
これがなかなかいい。
そこで、本稿に取り上げようと思った次第。


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赤酒を飲む話の前に、
株式会社熊本県酒造研究所さんの話もしておきます。

熊本では、吟醸酒「香露」で有名な、熊本県酒造研究所さんにも伺った。
「香露」は、幻の酒ブームのはるか以前から、
手に入りにくい貴重なお酒として有名である。

業界に大きな貢献をされた野白金一博士が技師長を勤められたことや、
吟醸用の熊本酵母(協会9号)発祥の蔵としても、つとに名高い。

いただいた資料をよく読ませていただくと、
熊本県酒造研究所の設立経緯は、
「明治42年、県産酒赤酒から清酒への切り替えの必要性が強まり
県内業者が力をあわせて品質向上目的の研究所を設立」とのこと。

すなわち、細川藩の時代から明治末期まで、
赤酒は熊本で、ふつうに酔うためのお酒として飲まれていた。
しかし、100年ほど前から徐々に清酒に切り替わったわけだ。


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さて、料理酒として脚光を浴びているが、
「致酔飲料として飲まれることが少なくなったお酒」、赤酒を飲んでみる。

定番的な作法から外れるといわれるかも知れぬが、
私の場合の飲み方をご紹介します。

「ティオペペ(ドライシェリー)」と「赤酒」の両方を冷やして、
中くらいのグラスに1杯ずつ、
合計2杯をならべて食前酒にする。

これがなんともいい。

いまはどうか知らないが、かつてスペインでは
「シェリーは葡萄をつぶす時(石灰ならぬ)石膏を入れていた」
と読んだ記憶がある。
木灰を入れる灰持酒と、石膏を入れるシェリーは相性がいいのかも。

トロリと甘い赤酒と、
辛口で独特の風味のドライシェリーをかわるがわる飲み、
しかる後に食事をいただくと食が大変進む。

和食にも洋食にもよいように思います。

伝統的なお酒を、
改めて今の食スタイルに合わせて飲むお酒として
見直すのは意義深いことではないでしょうか。


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灰持酒には熊本の赤酒のほか、
鹿児島の地酒(じしゅ)、出雲の地伝酒(じでんしゅ)もある。

以前につくった資料ですが、下記に写真があります。
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/Onkochishin.html


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(お知らせ)
「少し愛して長く愛して、きた産業、90周年」

ワタクシゴト、というか当社ゴトですが、当社は今年90周年で、
今日5月15日が「一応」創業記念日。

実は正確な創業日が不明なので、前社長が、
「自分の誕生日を創業日にしとこう」
、で決めてしまったので、一応、なのである。

周年行事は何もしないのですが、90周年を機に社名を
「きた産業」とひらがな表記に改めることとしました。
(登記上は「喜多産業株式会社」のまま)
このメルマガは2002年の創刊以来「きた産業」でやってきたので、
読者の皆さんは見慣れていると思いますが。

わずかな変更ですが、
ひらがなでより親しみやすいよう、また、
心機一転100周年を目指すぞ!という思いをこめての、
変更です。なにとぞ宜しくお願いいたします。


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余談ながら、、、当社はいわゆるファミリーカンパニー。
祖父が創業、父が2代目、私が3代目。
戦前に、最初の25年間を祖父が社長を勤め、
戦中から平成初めまで、50年間(!)父が社長を勤め、
そして私に交代してはや15年が過ぎた。

15年、どんな業績を残せたか、どう業界に貢献ができたか、
と自問すると、嗚呼、お恥ずかしいばかりなりけり。
天上界の父や祖父に、頑張りが足らん、と叱られそう。

しかし、
大企業で15年も社長を続ける人は少なかろう、
中小企業ならでは、であるけれど、
長く続けることも意義がある、と思います。


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16-17世紀の詩人Robert Herrickの作で、
Love me little, love me long
「少し愛して、長く愛して」という詩がある。

You say, to me-wards your affection's strong;
Pray love me little, so you love me long.
Slowly goes far: the mean is best: desire,
Grown violent, does either die or tire.

「情熱の、炎を燃やす、とおっしゃるが、
願わくば、少しでいいから長〜く愛して。
ゆっくり歩けば、遠くへいける。
人生は、ほどほどこそが、最良なり」、云々

会社を大きく飛躍させたいという気持ちはもちろんあるが、むしろ、
多くの皆さんから少しずつのご愛顧をいただいて、
長く継続的に仕事を続けられることこそ、事業者として幸せなこと。

たとえば、前段の文章に登場した、
瑞鷹株式会社さんや株式会社熊本県酒造研究所さんとも、
半世紀以上にわたるお取引。本当に感謝しています。


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社長15年にして、
Love me little, love me long、の心境です。

あと10年くらいは頑張らねばならないかなあ、
あと10年で100年だしなあ、
という気持ちの今日この頃であります。

改めまして、皆さん宜しくお願いいたします。

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さて当社の商品ご紹介です。


●▲■ ご紹介アイテムその1:ROOTSディビジョン ●▲■
「SMB-ROOTS 15L/4S」3000cphビール缶詰機
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/machine/15L4SJE.pdf

自信作、時間3000缶のビール缶詰機。
15ヘッド充填機、4ヘッド缶シーマーのモノブロック。
デパレやツイストリンサーなど、コンプリートラインで施行します。

なお、時間1000缶のビール缶詰機「SMB-ROOTS 6L/2S」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/machine/6L2S.html

ラボ用、小規模商業生産用のビール缶詰機「ビアラディクスIII」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/machine/B_RADIX.html

もあります。
缶詰機械のことならお任せください!


●▲■ ご紹介アイテムその2:K2ディビジョン ●▲■ 
「PM−PPキャップ」(インシェルモールディング)
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/closure/PMPPCap.html

「シートライナーのPPキャップ」と
「PM(インシェルモールディング)ライナーのPPキャップ」には
それぞれメリットとデメリットがあります。

シール性向上とコストリダクションのために、ご検討ください。

●▲■ ご紹介アイテムその3:K2ディビジョン ●▲■ 
「トリノカップ150」カップ酒の新企画に!
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/Torinocup.htm

カップ酒用びんの新製品です。
200のカップと同じ高さで、容量は150ml。
ご検討ください。

                      (text:喜多常夫)


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●▲■バックナンバー閲覧可能!「メルマガ・クロニクル」

http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html

2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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