●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.87 ●▲■
    発行日:2006年 10月4日(水)
 ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com


------------------< 目 次 >------------------

●▲■書籍紹介:「The Book of SAKE」
     ■清酒銘柄「植物系、動物系、健康・幸運系、、、」?
     ●「ハーパー・ポイント」??

●▲■書籍紹介:「愛と情熱の日本酒」
●▲■花酵母研究会、長期熟成酒研究会、桶仕込み保存会
●▲■日本産清酒輸出機構、日本酒輸出協会

                   (Text=Sienna K. Emiri)


ご紹介情報●1▲「7つの切り口で見た清酒ブランド、218蔵」New!
ご紹介アイテム●2▲「刻印入りのキャップ」
ご紹介情報●3▲「PPキャップの巻き締めについて(機械調整編)」New!
ご紹介アイテム●4▲「キュート180びん」New!


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チャーオ!(>~_~<)  シーナ・エミリです。
今回は、最近読んだジャパニーズサケの新刊(英文)のことを書きます。


   "The Book of SAKE, A Connoisseur's Guide"
   by Phillip Harper 2006年6月発行


解説によれば、
著者のHarperさんは大学卒業後1988年に来日、
1990年から奈良の酒蔵で働きだし、
2001年には南部杜氏の称号を取得、
本書を執筆時点で、
仕込み14回(シーズン)を経験、大阪の酒蔵の杜氏である、
という驚きの経歴の持ち主です。

「日本料理&ぬる燗ファン」の私は、
「ソンジョソコラの日本人(失礼)よりお酒は結構詳しいぞ♪」、
を自称しますが、この本は奥深い。
随分、新知識を学びました。


まずは、
酒の種類、利酒、料理との相性、ラベルの読み方、醸造の実際、
などがコンパクトにうまくまとめて書かれている。
通の人(サブタイトルどおりコノサー)も自分の知識をおさらいできます。

以下、原文で引用させていただくと、
「麹」の説明
(koji mold is the crux of sake brewing,,, produces enzymes  
that break down starch molecules,,, strongly influences the style of
sake,,,)

「並行複醗酵」の説明
(multiple parallel fermentation, making the right stuff the hard way,,,
 
two elements must be perfectly balanced,,,)

「アル添」の説明
(alcohol-added sake,,, after WWII, food shortage made necessity,,,  
but,,, has a crisp, clean finish,,, helped trap volatile aromatics,,,)

「生もと・山廃」の説明
(offer a more complex, dense and early set of aromas 
- yogurt and spice, cloves and nuts,,,)

など、的確で判りやすいと思いました。

またtidbits(一口知識、というか、囲み記事)が面白い。

たとえば、「清酒の銘柄」の記述。
「植物系、動物系(実在と創造)、人名系、地域系、健康・幸運系」
と分けてあって、「実在動物系」では、
(Saijo Tsuru, Tosa Tsuru, Haku Tsuru, Yama Tsuru, Kino Tsuru  
Hoku Shika, Aki Shika, Haku Shika, Haru Shika  
Haku Taka, Ten Taka, Kin Kame, Shin Kame,,,)
う〜ん、よく調べた!

また、
「日本語、a quick language lesson」
(サキと発音する人がいるが、日本語はサケが正しい、、、
そもそも日本語はアエイオウをはっきり短く発音し、、、
アはMadeiraのa、エはGlenfiddichのe、、、)

「祝樽、sake kegs at celebrations」
(kagamiwariに使う樽は、木の香りがきついのでイベント直前に詰める、、、)

「YK35」
(かつて鑑評会入賞には山田錦と熊本酵母で35%精米といわれたが、、、)

「Yeast Varieties,,, No.9, No10, No1601, M-310」
(1601は新しい酵母で、armor-piercing fragrance,,,)

なども、ガイジンには興味深いお話。

写真が美しいのも良いです。
清酒文化を世界にアピールする良書だと思いました。

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そして、
これからが今回のメルマガの本題なのですが、
この本のもう一つの面白さは、取り上げてあるお酒の銘柄。

50数銘柄について、
ソムリエ顔負けの非日本的表現?で印象を書かれています。

「ハーパー・ポイント」?をつけられちゃいそう、(-_-;)
(ワインの「パーカー・ポイント」の清酒版、ハハハ)
なんて想像しちゃいました。

毎月色々な銘柄の清酒を利き酒して、
17.5点とか、15点とか、ポイントを掲載している月刊誌も既にありますが、
個人的意見としては、
好き嫌いは区分できても点数が簡単にはつけにくい、
ところが日本酒の奥深いところ、のように思います。

さて、The Book of SAKEに掲載された50数銘柄ですが、
個人的には未体験ブランドが半分以上。
次に日本に行ったときには飲んでみたいと、
蔵元をエクセルに記録しました。

そんなことから始まって、
いろいろ情報を追加して出来たのが次の資料。


●▲■ ご紹介情報その1:アーカイブ資料 ●▲■
「7つの切り口で見た清酒ブランド、218蔵」
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/SakeBrand.pdf


上記のエクセルシートには、
1)The Book of SAKEに掲載された蔵元に加えて、
2)次に紹介する本、「愛と情熱の日本酒」に掲載された蔵元、
さらに、
5つの、さまざまな「清酒グループ」に属する蔵元も追加して、
合計7つの切り口で見た蔵元リストに仕上げました。

時間かかった〜、結構労作です。(^_-)

頑張っている蔵元、全国マップ@2006の感あり、かなと思います。
よく見ると、7つの切り口のうち、
5つや4つも丸が付いている蔵元もありますね。


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さて、もう一冊は日本語の本です。

   「愛と情熱の日本酒」
   山同敦子著、2005年10月発行


まず、この本の入手エピソードから。

たとえミラノに住もうとも、
いまやアマゾン(インターネットの本屋さん)で日本の本も即入手可能。

HarperのThe Book of SAKEを買い物カゴに入れると、
自動応答プログラムが
「The Book of SAKEを買う人はこんな本も買います」
と勧めてくれたのが山同さんの本。思わず購入しました。
(すごいプログラム!と感心)

焼酎やワインの著作もあり酒類全般に造詣の深い著者が、
蔵元を訪問したり、お酒を飲んだりしたうえで、
タイトルどおり「愛と情熱」の造りを実践する清酒を紹介したもの。

思い起こせば、
第一次地酒ブームから幾星霜 (ナンダカ突然、大上段)。
その間発刊された蔵元紹介の本、雑誌、ムック誌は星の数ほどあれど、
この本は一味違うように思いました。

幾星霜、の間に蔵元は随分変わってきた。
近年、自身が酒造りを行う若手蔵元、蔵元を渡り歩いて修行する造り手、
米つくりから取り組む蔵元、など、新しい動きがある。

そんな蔵元を、取材し紹介した本です。
主要記事で9社、その後に1ページに2社の割付で蔵元とお酒を記載。

特徴的なのは掲載された蔵元がとても「マニアック」なこと、
いや、マニアも知らないブランドを紹介してる、という感じ。

いつか行ってみたいなあ、、、と
この本で紹介されている蔵元も
Harperさんの本と合わせてエクセルシートに入れました。


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以上2つ、書籍、という「切り口」に加えて、ちょっと気になっている、
以下の5つの「清酒グループ」に属する蔵元もインプットしてみました。


  切り口3:「東京農大花酵母研究会」

東京農大の中田教授を中心とした会。
なでしこ、しゃくなげ、つる薔薇、コスモスなど、
実際の花から得た酵母を使用してお酒を造る蔵元のグループです。

この会は共同試飲会を各地で開催するなど活発で、
最近随分注目されているよう。
清酒以外に、単式蒸留焼酎も含まれていますが、
今回は清酒の蔵元のみをリストアップしました。

  切り口4:「長期熟成酒研究会」

この会も活発。
日本酒100年貯蔵プロジェクト、をスタートさせたばかり。

「貯蔵」清酒の味わいが魅力的なのは、多くの通人が認めるところ。
リストを見ると、中堅や小規模な蔵ばかりでなく、
大手ブランドの月桂冠と沢の鶴が入っていますね。

  切り口5:「桶仕込み保存会」

セーラ・カミングスさん(長野の枡一市村酒造場の取締役)が
音頭をとってできたグループ。

「いまさらおけを考える会」(なんだか面白い名前)
として、全国紙で新聞広告を出したり、
六本木ヒルズでフォーラムを開いたりと、活発な活動をしています。


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つぎ。

  切り口6:日本産清酒輸出機構
  切り口7:日本酒輸出協会

ここミラノではまだ飲める日本酒ブランドは限られているけれど、
ロンドンやパリでは日本以上にレアものブランドが飲めます。

アメリカでは、東海岸・西海岸とも、
日本食の普及とあいまってますます多くの日本酒ブランドが
飲めるようになってきているようです。

少し前のメルマガでツネオ(きた産業のボス)が、
台湾の日本酒ブーミングを書いていましたが、
日本酒は将来、日本より欧米・アジアのほうが主力になるかもしれませんね。


なお、日本酒の輸出では、
岡永(日本名門酒会)さんを取り上げるべきでしょうが、
たぶん名門酒会のブランドすべてが輸出されているのではないと思って、
(輸出されているブランドリストがわからないので、)
今回はリストに載せていません。


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ビジネスとしては、自社ブランドが売れることが大事だと思いますが、
「複数ブランドでマーケティングする」、
「グループで活動する」
ということは大いに意味があると思います。

ブランドや種類がいろいろあって楽しめる、
今までなかったブランドにめぐり合える、
そんなことが、お酒と、お酒文化の楽しみだと思います。

                      (text:Sienna K. Emiri)

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さて、当社の情報や商品の紹介です。

●▲■ ご紹介アイテムその2:KKディビジョン ●▲■
「刻印の入ったキャップ」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/closure/embosscap_ed02.PDF

刻印入りは高級なお酒に最適です。「お酒のキャップはきた産業」!
http://www.kitasangyo.com/Archive/CM_Library/CM_KK_web.pdf

なお、PPキャップの巻き締めの新資料を追加しました。ご参考に。

●▲■ ご紹介情報その3: e-アカデミー資料 ●▲■
「PPキャップの巻き締めについて(機械調整編)」
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/PPmakijime_S.pdf

●▲■ ご紹介アイテムその4:K2ディビジョン ●▲■
「キュート180びん」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/CUTE180.pdf

かわいらしい丸型の180mlびん。斜めにもおけるのが特徴です。

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