●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.128 ●▲■
発行日:2009年 6月23日(火)
■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com
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●▲■ Cold sake is still alive!!
(冷たい酒はまだまだ健在!)
■ボストンとNYから、
金融危機後のアメリカ・サケ事情
■貿易統計に見る、
アメリカ向け・サケ輸出最新動向
(text =鈴木基子)
ご紹介情報1●アーカイブ資料「Cold sake is still alive!!」
ご紹介情報2●清酒アルミ缶の充填機「TRON(トロン)」
ご紹介情報3●「清酒アルミ缶の商品事例」(P・D・A)
ご紹介情報4●「伸びている梅酒&サケリキュール」by Sienna
ご紹介情報5●段ボール組み立て式書類ラック「ジャバラック」
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皆様、こんにちは!
お元気でいらっしゃいますか?
アメリカ東海岸、ボストン在住の
酒ジャーナリスト、鈴木基子です。
とうとう6月末となり、
こちらボストンでは爽やかな初夏の緑の季節となりました。
日本ではそろそろ田植えが終わり、
梅雨の始まり、紫陽花の美しいころでしょうか?
さて今回は「サケ・ボストニアン」をお届けする予定でしたが、
予定を変更いたしまして、
皆様も気になる
「アメリカ・サケ市場での不況の影響」
について、ボストンおよびNYの
輸入業者、流通業者、小売店、レストランなどに取材してみました。
●▲■ Cold sake is still alive!!
ボストンから ●▲■
去る6月1日、
ついにジェネラル・モータースが破綻してしまいましたね。
4月のクライスラーに続くビッグ・スリーの相次ぐ破綻に、
現実とはわかっていても、1926年以来の恐慌もここまで来たか、
という印象を拭いきれません。
こうした経済状況の中、
マサチューセッツ州(ボストンのある州)で最大の日本酒卸業者、
クラッシック・ワイン社のロイド・フォスターさんに
昨秋から今春にかけてのお酒の流通状況について伺ってみました。
「確かに、昨年から今年にかけて会社全体、
つまりワインやスピリッツ(ウィスキー、ブランデーを含む)
の売り上げは下がってしまったんですが、
日本酒についてはそれ程影響を受けていません。」
「当社の日本酒の売り上げは通常全体の2%ほどなんですが、
昨年は4.9%に上がったぐらいです。
もちろん、ハイエンドな大吟醸などには影響が出ていますが、
輸入の日本酒は依然として飲まれているようです。」
ワインは不況の影響を受けやすいが、日本酒は不況に強い!?
これは一体どういうわけなのでしょうか?
「これはワインの問題というより、
最近のドル安の問題なんです。
販売量は前年比10%増ぐらいなんですが、金額が減少した。」
「つまり、消費者がレストランで高いボトルを敬遠し、
安いワインを飲むようになったのが
利益を40%〜45%も押し下げた原因ですね。」
やはり、レストランでワインはボトルで注文するもの。
しかし日本酒はグラス売りが中心なので、
それほどドル安の影響が見えにくい?という事なのでしょうか?
●▲■ Cold sake is still alive!!
ニューヨークから ●▲■
ところでフォスターさんは、
「NYでは日本酒の売上が激減したということですよ」
と、需要が大きく、変化の激しいNYの日本酒市場を
心配していらっしゃいました。
そこで、早速NYの市場を探索すべく、
アメリカNO.1の酒卸業者、
NY共同貿易のジョージ・カオさんに伺ってみました。
「NYCでは、昨年秋から今年春にかけては前年並みです。
でもここ2ヶ月ほどは景気の底打ち感が功を奏してか、
10%ぐらいまた売り上げが増加し始めました。」
と意外な答え。
「レストランによっては
ボトル売りだったところをグラス売りにしたり、
苦労しているところもあるようですが、
NYの消費者は日本酒について大変勉強しており、
今では、軽快な吟醸酒から、
生もと、山廃など、
もっとフルボディな純米酒に興味が広がりつつあります。
NYの日本酒市場はまだまだ可能性があると思いますよ。」
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それでは、NYで常に220種の銘柄を揃えるという
「酒蔵」レストラン
http://www.sakagura.com/
では、不況の影響があったのでしょうか?
新店長の橋本さんからお話を伺いました。
「この半年で特に大きな変化はありません。
大吟醸から純米酒まで満遍なく飲まれています。」
「この4月から酒メニューを変えた影響かもしれませんが、
焼酎より日本酒を選ぶお客様が増えたように思います。」
「日本国内でも焼酎から日本酒に戻ったお客様も多いようですが、
当店でも、アメリカ人、日本人ともに、
お酒を召し上がるお客様が増えています。」
さすがはNY。不景気などどこ吹く風?
日本酒の定着ぶりはボストン・マサチューセッツとは
比べ物にならないというところでしょうか?
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またNYで唯一の日本酒専門の小売店「SAKAYA」
http://www.sakayanyc.com/
のオーナー、リック・スミスさんのお話では、
自宅やお友達の家でのパーティなどでお酒を飲む人々も
依然として衰えていないようだということでした。
「私達が2007年に開店して以来、
ビジネスは順調に伸びています。」
「ニューヨーカーは、当店を訪れる蔵元さんや、杜氏さん、
それから酒専門家のジョン・ゴントナーさんを通じて、
さらに日本酒の勉強に熱心になって来ているように思います。
こうした試飲会などを通じて、お酒のファンが増え、
売り上げにも繋がっているようです。」
●▲■ Cold sake is still alive!!
再び、ボストンから ●▲■
まさにニューヨーカーの日本酒への興味は
汲めど尽きせぬ泉。
このようなアメリカでの日本酒人気はどこから来るのでしょうか?
冒頭のインタヴューでもお答えいただいた
日本酒を扱って二十年以上になる
クラッシック・ワイン社のロイド・フォスターさんは、
その理由をふたつあげてくださいました。
「ひとつにはアメリカ人は冷たい飲み物が好きな国民である、
ということです。
アメリカは大量のソフト・ドリンク(コーク・ソーダ類)の消費国。
アルコール飲料も、ビール、白ワイン、
オン・ザ・ロックやハイボール、カクテルなど
全てが冷たい飲み物です。
日本酒も冷たい吟醸酒が現れる前はこれほど売れなかった。」
「もうひとつは冷たい酒は精米歩合も高く、
香りも味も非常にデリケートでバランスが良く、
白ワインの味わいに似ていなくもない。
これがアメリカ人の口にあうんでしょうね。」
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そして最後にボストンのザガット・レストランガイドで
最上の日本レストランと讃えられた「O YA」
http://www.oyarestaurantboston.com/
の酒ソムリエ、
ナンシー・クシュマンさんが以下のようにまとめてくださいました。
「やはりこのような不況下ではレストランのお客様は
消極的、保守的なご注文になりがちです。
飲んだことのない吟醸酒よりは、
ビール、ワイン、カクテルの方が失敗がない。」
「そんな時、お客様のお料理のお好みに合わせて、
最適なお酒をすすめると、
大抵のお客様は満足しておられます。」
「お蔭様で、当店の日本酒の売り上げは前年並です。
お客様にいかにくつろいで頂いて、
質の良いサーヴィスが出来るかが、
お酒をお薦めする鍵ではないでしょうか?」
以上のように、NY・ボストンとも
冷たい吟醸酒、輸入日本酒の人気と売れ行きに、
昨今の不況の影響は基本的に現れていないように思われました。
●▲■ Cold sake is still alive!!
統計に見る最新事情 ●▲■
念のため、財務省の貿易統計で、
ここ数年間の月別輸出量及び金額を調べてみました。
以下のアーカイブ資料をご覧ください。
●▲■ ご紹介情報1:アーカイブ資料 ●▲■
「Cold sake is still alive!! From U.S.」
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/cold_sake_alive_0906.pdf
表1のように、2009年1〜4月の輸出量は
輸出額史上最高を記録した2007年や、
2008年の動きと大きく変わらないように見えます。
2008年10〜12月の輸出量・輸出金額の減少が目立ち、
これが円高ドル安を伴って、
輸出が大きく落ち込んだように感じられた?
ということなのではないでしょうか?
ただ表2でご覧いただけるように、
2002年以来過去5年間で2倍にまで伸びてきた輸出の増加が
2008年に至って前年並となった事も、
輸出日本酒の翳りのように、
国内のメーカー様には大きな変化と受け取られたのかもしれませんね。
(なお、このアーカイブ資料には、
クラッシック・ワイン社のロイド・フォスターさん、
共同貿易のジョージ・カオさん、
NYの日本酒小売店「SAKAYA」のリック&ヒロコさん、
にも登場いただいています!)
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冷たい酒はまだまだ健在。
今年2009年後半は
日本酒にとってどんな年になるのでしょうか?
目が離せないアメリカ日本酒市場からご報告いたしました。
2009年6月 ボストン郊外にて
鈴木基子
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(鈴木基子さんのご紹介)
お茶の水女子大学(仏文学仏語学科)卒。
東京大学修士課程(比較文学比較文化専攻)修了。
ハーバード大学東アジア研究所助手や、
タフツ大学日本語学科講師などを務めた。
2003年に酒類総研の清酒製造技術講習を修了。
現在ボストンに在住し、酒ジャーナリストとして活躍。
日本醸造協会誌では次の発表がある。
「新大陸の酒男達(1)」「新大陸の酒男達(2)」
醸協:100、(9)598-606、(10)666-677(2005)
「冷たい酒はまだ熱いか?“Cool” is still “Hot”?
−ニューヨーク・ボストン酒事情 2007年秋−」
醸協:103、(9)686-695(2008)
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さて、きた産業から商品・情報紹介です。
●▲■ ご紹介情報2:ROOTSディビジョン ●▲■
清酒アルミ缶の充填機「TRON(トロン)」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/machine/Tron.pdf
清酒や焼酎、ワインのアルミ缶をお考えの方に。
新設計の「蓋のせ機構」と「缶シーマー」。
ヘッドスペースの不活性ガス置換にも対応します。
●▲■ ご紹介情報3:K2ディビジョン ●▲■
「清酒アルミ缶の商品事例」(パッケージ・デザイン・アーカイブ)
http://www.kitasangyo.com/Archive/PDA/PDA_30.1.pdf
「パッケージデザインアーカイブ」は、
商品企画、パッケージデザインの参考資料集です。
こんなデザイン事例も収録。
「セクシー系!、サブカル系?のお酒ラベル」
http://www.kitasangyo.com/Archive/PDA/PDA_28.pdf
「お神酒、縁起物のお酒」
http://www.kitasangyo.com/Archive/PDA/PDA_27.pdf
「容量バリエーションのお酒」
http://www.kitasangyo.com/Archive/PDA/PDA_31.pdf
●▲■ ご紹介情報4:アーカイブ資料 ●▲■
「伸びている梅酒&サケリキュール」by Sienna
http://www.kitasangyo.com/Archive/SUR/sienna_pdf/SUR_0905_SW.pdf
「酒うつわ研究」最新号のシーナズウォッチング。
3ページめに梅酒の出荷統計があります。
●▲■ ご紹介情報5:K2ディビジョン ●▲■
段ボール組み立て式書類ラック「ジャバラック」
http://www.kitasangyo.com/Products/Data/package/JAVARACK_J_ed2_2_wop.pdf
こんなものも売っています。
とても印象的なデザイン。
最小単位3枚から、宅配で販売。
エコなカタログラックとしてご利用ください。
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●▲■バックナンバー閲覧可能!「メルマガ・クロニクル」
http://www.kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html
2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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