●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.184 ●▲■
     発行日:2013年8月23日(金)
  ■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■

発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

 

------------------< 目 次 >------------------

●▲■ シングルモルトの聖地、アイラ島を訪問して

 その3:<8つの蒸留所を巡って>
    日本1+米国1+フランス2+英国4 → 国際化
    アイラモルトとプティヴェルド → 5%の存在感
    白酒(パイチュウ)と水タバコ → サケや本格焼酎も?
    ポットスチル観察 → 上向きラインアーム多し

                  (text = 喜多常夫)

ご紹介情報 ●1▲YouTube動画「フランスZALKIN社のCA2+2キャッパー」
ご紹介情報 ●2▲YouTube動画「フランスCDa社の半自動ラベラー」
ご紹介情報 ●3▲YouTube動画「フランスValentin社のシャンパコルカー」

 

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スコットランドのアイラ島訪問記、3回目です。

言葉では伝えにくいことが多いので、
アイラ島ウイスキー事情の写真資料を作りました。

 ●▲■ アーカイブ資料 ●▲■
   「アイラ島の8つのウイスキー蒸留所を見る
          +日本焼酎、日本ウイスキーなどとの比較」
http://www.kitasangyo.com/Archive/Data/Islay_whisky.pdf

パラパラと眺めながらメルマガ文章を読んでもらうと
わかりやすいと思います。

ウイスキー製造プロセスも写真で紹介しています。

 

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ボウモア、ラフロイグ、アードベッグなど、
アイラ島のシングルモルトウイスキーを、
飲まれた事はあるでしょうか?

アイラモルトは、
  「スモーキー(煙ったい)」、
  「ピーティー(ピート臭)」に加え、
  「シーウィーディー(seeweedy:海草臭=ヨード臭)」が特徴。

うがい薬のイソジン(有効成分がヨード)に通じる味で、
最初は「!?」と思う人が多いと思いますが、
飲みなれるとクセになる、海の香りです。

 

アイラ島で宿泊したボウモア(街の名前でもある)の海岸には
大量の「海草」が打ち上げられていました。

アイラ島のピート(泥炭、燃やしてモルトの乾燥に使う)は、
ヒース(荒地低木)、苔、ハーブ、草花のほか
「海草」が堆積しているのが特徴です。

 

 

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  ●▲■ アイラ島の蒸留所のリスト ●▲■
    「日本1+米国1+フランス2+英国4」

まず、アイラにある8つのウイスキー蒸留所を、
創業年順で書きます。

スペリングと発音が相当違うものがありますが、
すべて「ゲール語」(ケルト族の言葉)の名前で、
ハイフン(−)のあとに書いているのがその意味です。
(英語の「whisk(e)y - ウイスキー」という言葉自体も、
ゲール語の「ウィシュケ・ベーハ - 命の水」が語源。)

  ●Bowmore・ボウモア −「大きな海の岩」
    創業1779年、オーナー:日本のサントリー

  ●Laphroaig・ラフロイグ −「広い入り江の美しい窪地」
    創業1815年、オーナー:アメリカのBEAM社(バーボンのジムビーム)

  ●Ardbeg・アードベッグ −「小さな岬の地」
    創業1815年、オーナー:フランスのLVMH社(ルイヴィトン)

  ●Lagavulin・ラガヴーリン −「粉挽き小屋のそばの窪地」
    創業1816年、オーナー:英国のディアジオ

  ●Caol Ila・カリラ −「アイラ海峡」
    創業1846年、オーナー:英国のディアジオ

  ●Bunnahabhain・ブナハーブン −「河口の地」
    創業1881年、オーナー:英国のBurn Stewart Distillers社
               (いくつかのスコッチ銘柄を持つ会社)

  ●Bruichladdich・ブルイックラディ −「岩の多い海辺の斜面」
    創業1881年、フランスのレミーコアントロー社

  ●Kilchoman・キルホーマン −「聖コーマンの教会」
    創業2005年、英国の個人、アンソニー・ウィリスさん

オーナーの国籍をまとめると、
    「日本1+米国1+フランス2+英国4」。

人口3,400人の小さな島ですが、国際的。
8蒸留所のうち6つは世界的企業の傘下です。

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一番生産量(年間蒸留量)が多いのはカリラで6,000KL。
(もっと多い数字を書いている資料もありましたが、
カリラのツアーガイド嬢の言っていた数字)

以下、ラフロイグ3,000KL、
ラガヴーリン2,500KL、ボウモア2,000KL。

一方、一番小さいのはキルホーマンでわずか90KL。
2005年に熱心な個人が始めた、いわばマイクロ蒸留所です。

アイラ島全体では、
1万7,000〜2万KLが近年の年間生産量だと思われます。

 (スコッチはLPA−純アルコール換算リットルで表現するので、
   最終製品の40%に換算すれば2.5倍量に相当。
   しかし、樽貯蔵する間に「天使の分け前」で1〜2割減少するし
   アルコール度数も変わってしまう。
   したがって1万7,000〜2万KLの蒸留液が、
   いったいどれだけの製品になるのかの推定は難しいが、
   仮に「10年物のシングルモルト」ばかりつくると仮定したら
   700ml壜で5,500万〜6,500万本分くらいになるはずです。)

 

 

   ●▲■ ブレンド原料としてのアイラモルト ●▲■
     「アイラモルトとボルドーのプティヴェルド」

いまでこそシングルモルトは人気がありますが、
それでも平均すれば、
「自社ブランドのシングルモルト用」の割合は僅か。
「他社ブランドのブレンド用」に大半が売却されます。

カリラ蒸留所では、ツアーガイドさんが、
   「カリラの全生産の95%はブレンド用。
    ジョニーウォーカーなどに使用されます」
と話していました。

日本の清酒・焼酎メーカーで、
   「95%は売り酒、自社用は5%です」
なんて見学者に言うことは考えられませんが、
そこがスコッチウイスキー・カルチャーです。

一方、世界的にそのシングルモルトが人気のラフロイグは、
自社ブランドのシングルモルト用が70%程度。
ブレンド用外販は30%程度しかない。
ボウモアも似た比率らしい。
ただし、これら2社は例外的であるし、
こんな比率になったのもこの数年の話。
スコッチ全体で見れば勿論、
アイラ島として見ても大半はブレンド原料にまわるようです。

 

関係者の話を総合すると、
アイラ島の全生産量のうちの8割程度、
量にしたら1万4,000〜1万6,000KLくらいのアイラモルトが、
ブレンド用に売却されるようです。

2011年のブレンデッドスコッチの総販売量は31.4万KL。
1万2,000〜1万6,000KLのアイラモルトは計算上、約5%。

1万2,000〜1万6,000KLは「将来」のブレンド量なので、
「2011年」の販売量で割るのは正確ではないのだけれど、

  「ジョニーウォーカーも、ホワイトホースも、バランタンも、、、
    ほとんどすべての有名ブレンデッドウイスキーには
    アイラモルトが少なくとも<5%>入っている」

と言われることと非常によく合致します。

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やや専門的になりますが、
アイラモルトの特徴、スモーキーさは、
その主成分が揮発性フェノールなので、
「フェノールxx ppm」という数値で管理され、また表現されます。
アイラ島外では例えばマッカランが1ppm。
それに対しアイラモルトの一般的な数値は30〜50ppmと高い。

ブレンデッドウイスキーにアイラモルトが<5%>入ると、
ブレンド後のフェノール値は1.5〜2.5ppmになる計算。
そのレベルで効果があるのでしょう。

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ワイン関係の方はご存知のとおり、
ボルドー左岸のシャトーのワインは
「プティヴェルド」(ブドウの品種名)をごく僅か、
比率にして<5%>ぐらいブレンドするのが定法。
(シャトーやヴィンテージによって2〜7%くらいの幅がある)

主体は「カベルネ」と「メルロ」。
シャトーによって「カベルネフラン」も5〜10%。
それに「プティヴェルド」をあたかもスパイスのように少々添加する。

プティヴェルドは、強い個性を持つぶどう品種、
ワインに個性を与えるために少量使う、ということです。

  「プティヴェルドを5%入れないとどんな味になるのか?
    たった5%が消費者に判別できるものなのか??」

と、ワイン関係者に尋ねたことがあるのですが、
   「差がある」
   「差はわからないんじゃないか、
     現にボルドー右岸は使っていない」
と、両方の意見を聞きました。

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もしもプティヴェルドがなかったら、
ボルドーワインの味はどうなっていたのか。。。

この世にアイラ島がなくてアイラモルトが存在しなかったら、
スコッチの味はどうなっていたのか。。。

飲み比べたわけでもないので想像の域を出ませんが、
たぶん<5%>の存在価値は大きいのだと思います。

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とにかく、アイラモルトの独特の「ピート臭」は、
ブレンデッドウイスキーに「必須」と言われます。

前回書いた<100年前の蒸留所数>→<現在の蒸留所数>
を再度引用すると:

  ●スコットランド全体:<200くらい>→<100強>
   ●アイラ島:<たぶん10>→<8、うち100年以上が7>

スコッチウイスキー全体で蒸留所が半減している中、
アイラ島では創業100年以上が7社も生き残っているのは、
「この15年ほどのシングルモルトブームのせい」ではなく、
「いつの時代もブレンド原料に必須であり続けたから」だそうです。

 

 

  ●▲■ 大手企業のポートフォリオとして ●▲■
   「白酒(パイチュウ)と水タバコ → サケや本格焼酎も?」

スコッチの最大手は、ディアジオ社。
先のリストのとおりアイラ島でカリラ蒸留所とラガヴーリン蒸留所を持つほか、
全部で12のスコッチ・モルト蒸留所をもつ。
(スコッチの蒸留所は全部で100箇所強なので、軒数で1割)

ブレンデッド・ウイスキーでは、
ジョニーウォーカー(=世界最多販売のスコッチ銘柄)のほか、
ブラック&ホワイト、ヘイグ、J&Bなど多くの有名銘柄を保有する。

(ディアジオがトップシェアであるのは、そのルーツの一つが
19世紀にスコッチウイスキー大手が企業合同してできた
DCL社であるから、当然といえば当然ですが。)

 

2番手は英国ならぬ「フランス」のペルノリカール社。
モルトではグレンリベット、ロングモーン、スキャパなど8つ、
ブレンデッドウイスキーでは、
バランタイン、シーヴァス・リーガル、ロイヤル・サルート、その他を保有。

(因みに、ペルノリカールのルーツはペルノとリカールという
フランス・ローカルなアニスの食前酒リキュール。
そんな企業が、といっては大変失礼だが、いまや世界に冠たる大手。)

 

英ディアジオと仏ペルノリカールで
スコッチ全量の6割以上を保有・供給するそうだ。

スコッチウイスキーは、
「英国の伝統産業」であることを維持しながら、
「世界の大手酒類企業のポートフォリオの一つ」という位置づけでもあります。

坂口謹一郎博士の「世界の酒」によれば、
1950年当時で「DCL社のシェアが6割」となっているから、
長期的に見て寡占度が高まっているわけではないのかもしれません。
(独禁法の壁もあるでしょう。)

しかし、オーナーの国際化は確実に進んでいます。

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連想で書くのですが、ディアジオやペルノリカールが、
世界市場としては伸びる要素が大きい「サケ」や「本格焼酎」を
そのポートフォリオに加える日も、
遠からずやってくるのではないか、と個人的には思います。

現に、ディアジオは、
ブラジルでは(販売だけですが)サケを取り扱っているし、
すでに「中国の白酒(パイチュー)」を買収して傘下に持っています。
(1408年創業の「水井坊−Shui Jing Fang」という名門銘柄)

最近、日本のJTが、200億円で、
「エジプトの水タバコ会社」を買収したニュースがありましたが、
似た話だと思います。

 

 

  ●▲■ 全33基のポットスチルの特徴観察 ●▲■
      「ラインアームは上向き↑が多い」

技術的な話も書いておかねばなりません。

アイラ島の8つの蒸留所には、
全部で33基のポットスチル(蒸留器)があります。
素人ながら、その形式を観察してきました。

ラインアーム(蒸留器最上部から横に伸びる管)が、
斜め下向きか・水平か・斜め上向きか、も記録しました。

  ●初留釜(ウォシュ・スチル):16機

   <形式>
     「ストレート型」:9基
     「オニオン型」:6基
     「ランタン型」:1基
     「ストレート+バルジつき」:0機

   <ラインアーム角度>
     「斜め下向き↓」:8基
     「ほぼ水平→」:4基
     「斜め上向き↑」:4基

  ●再留釜(スピリッツ・スチル):17機

   <形式>
     「ストレート型」:7基
     「オニオン型」:4基
     「ランタン型」:5基
     「ストレート+バルジつき」:1機

   <ラインアーム角度>
     「斜め下向き↓」:5基
     「ほぼ水平→」:5基
     「斜め上向き↑」:7基

(現地で見たことを基本に、専門誌などの写真も参照して集計。
  各蒸留所毎の形式・角度は、冒頭記載の写真資料に記載。
  下から見上げる場合などラインアームの角度が判別しにくく、
  見まちがいもあるかもしれないことをお断りしておきます。
  各形式名がどんなカタチか、どういう特性のモルトになるかは、
  ウイスキー専門書をご覧ください。)

 

<ラインアーム角度>というものは、
素人感覚では「斜め下向き↓」にしたくなるものですが、
(蒸気を液化しようとしたら管を下げるのが自然でしょう)
アイラでは「斜め上向き↑」が多い(33基中11基)。
上向きだと蒸発成分中で重たいものは釜に還流する。

アイラ島から帰った後、記憶の新しいうちにと、
サントリーの山崎蒸溜所も見学に行ってきたのですが、
(筆者は西宮在住なので山崎は阪急電車ですぐ)
初留6基、再留6基の合計12基あるスチルのラインアームは、
「斜め下向き↓」か、もしくは「ほぼ水平→」で
「斜め上向き↑」はないように見えました。
(現在スチルの増設工事中。新しいスチルは見ていません。)

焼酎やコニャックなど多くの蒸留酒でも「斜め下向き↓」が普通だと思います。

 

<形式>では、
ごく普通の「ストレート型」のほか、
「オニオン型」が多い事に気づきます。
(ストレートとオニオンの境目は主観的判断ですが。)

一方「バルジつき」(蒸留器途中に膨らんだ部分がある形式。
軽くてスムースなモルトになるといわれる)は1基しかない。
しかもこの1基は2005年にできたキルホーマンなので、
伝統的にはアイラにはバルジは1基もないことになります。

因みにサントリーの山崎蒸溜所では12基のうち、
5基が「バルジつき」でした。

 

しかし、まあ全体をまとめてみると、、、
   「アイラ特有の蒸留器の形式はない
    アイラモルトの特徴は蒸留器によるものではない」
という結論だと思います。

 

 

  ●▲■ Tidbits
       ・・・「へえ、そうなの」という豆知識 ●▲■

 ▲■ 1.本土で貯蔵してもアイラモルト

蒸留が終わったニュースピリッツは、当然、
自社貯蔵庫で樽貯蔵する、、、と思っていました。

もちろんそうする蒸留所もあるのですが(ボウモアやラフロイグなど)、
ブレンデッドウイスキーの原料として外販する部分はもちろん、
自社ブランドのシングルモルト用でさえ、
タンクで本土(エジンバラやグラスゴー近辺)に運んで、
樽詰めを行う蒸留所もある(アードベッグやカリラなど)。

その場合、シングルモルト用はアイラ島に戻して貯蔵することもあるし、
本土でエージングを続けるものもあるそうです。

 

 ▲■ 2.「土・人・水・風」

アイラモルト独特の特徴、
   「スモーキー」「海草臭」「海の香り」
は何によって生まれるのでしょうか?

先述の通り蒸留器の形式によるものではないと思います
また、原料に由来するものでもありません。
(原料大麦は99%が島外からやってくるので。)

地図を見るとわかりますが、アイラ島はアイルランドより北に出ている。
大西洋に直接対峙しているので、
島のあらゆるものは潮風に包み込まれる。

潮風は鍵のかかった貯蔵庫の隅々まで入ってくるだろうし、
10年もすればオーク樽さえ貫いてモルト原酒に触れるだろう。
すなわち、「潮風はアイラモルトの重要な構成要素だろう」、
と思っていたのですが、、、

エジンバラやグラスゴーでエージングするものもあるなら
島の潮風は実はそれほどのインパクトがないのかもしれません。

しかしアイラの特徴は、
あえて潮風も入れて以下の4要素で決まる、
というのが、個人的感想です。(影響度の大きい順に記載)

  「土・人・水・風」
   (=海草を含むピート・アイラ気質を受け継ぐ蒸留所の人たち
       ・たいていは少し濁っている仕込み水・大西洋の潮風)

 

▲■ 3.カタチは変えない

アイラ島に限った事でなく、スコッチウイスキー共通の話ですが、
100年・200年たっても、
創業時の蒸留器の形を変えていない蒸留所がほとんど。
銅が減ったらまったく同じ形で作り直すのだそうです。
ボウモア、カリラ、ブナハーブンなど、2セット以上のスチルがある場合、
ウォッシュ(初留)の形、スピリッツ(再留)の形はそれぞれ同じ。
(私なら、2基目をつくるなら形を変えたくなりますが)

ラフロイグにはスピリッツが4基ある。
4基のうち1基だけ容量が2倍なのですが形は相似拡大、
4基とも形は全く同じでした。

  「蒸留器のカタチがウイスキーの特徴を決めている、
    カタチを少しでも変えたら味が変わってしまう」
という発想なのだそうです。

 

▲■ 4.蒸留所は売買の対象である

たとえばブルイックラディ蒸留所の場合、
1881年に創業して以降、
1907-1918、1929-1935、1941-1945、1994-2000と4回休止している。
しかしそのつど不死鳥のように再開。

21世紀に入ってからは休止はしていませんが、
すでに2回オーナーが替わっています。
2001年にマーレー・マクダヴィッドという会社が買収し生産再開。
2012年にレミー・コアントロー(レミーマルタン等をもつ大手)
が買収し、今に至る。

オーナーが代わること、蒸留所を売買することは、
高い頻度で起こるし、ごく普通であるようです。

なお、ボウモアはサントリーさんが所有していますが、
ニッカさんや宝酒造さんもスコッチウイスキーの会社を持っています。

(ボルドーでは
中国のオーナーが増えていることが話題になっていますが、
スコッチではまだ中国のオーナーはいないようです。)

 

▲■(おまけ)サントリー山崎蒸留所の最中とピート

先述のとおり、アイラ島から帰ってすぐ、
サントリー山崎蒸溜所も見学させてもらいました。
世界に認められたブランドだけあってすばらしい蒸留所。

見学後のテースティングでウイスキーに合う物として
「虎屋の最中(和菓子のもなか)」が出てきたのはビックリでしたが、
(確かに良くマッチする!)
もっと驚いたことがありました。

  「ピートはどこで取ってるのですか?」
と尋ねたところ、

  「英国から運んでいます(!)
    使用量はそれほど多くないので」

ピートは泥炭、土くれのようなもの。
北海道か東北あたりの湿地で取るのだろうと思っていましたが、
わざわざ輸入しているとは!
驚きました。

その話を聞いた後、京都のとあるバーで
「山崎ヘビリーピーテッド」(ピートの効いた原酒による限定品、
そんな商品があるのを知らなかった)を見つけました。

英国製ピートの話や蒸溜所の様子など思い出しながら飲んだのですが
とても味わい深く、
あたかも自分のウイスキー感受性が向上したかのように、
感じました。

 

アイラ島でも感じたのですが、

    ウイスキーとは、
     蒸留所を実際にたずね、
     いろいろな知識を得て、
     思い巡らせながら飲むと、
     味わいが深まるお酒なのである

と思いました。

                   (text = 喜多常夫)

 

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さて、情報紹介です。

今回はYouTube動画です。もしもリンクで見難ければ、
YouTubeで「kitasangyo」と入れて検索してください。

●▲■ ご紹介情報 その1:ROOTSディビジョン  ●▲■
YouTube動画「フランスZALKIN社のCA2+2キャッパー」
http://youtu.be/FMLnGl--s4A

30mmスタンダードPPキャッパーが2ヘッド、
一升びんの冠頭・替栓用キャッパーが2ヘッド、
合計4ヘッドを搭載したキャップ2種兼用機。

型換えがきわめて簡単なのが特徴。
3000bph〜5000bphのスピードで、
中規模の清酒・焼酎ボトリングライン用に最適です。

 

●▲■ ご紹介情報 その2:ROOTSディビジョン  ●▲■
YouTube動画「フランスCDa社の半自動ラベラー」
http://youtu.be/cIUhCQrSvOo

CDa社は、年間400台以上のラベラーを製造する専業メーカー。

使いやすく、リーズナブルな価格の半自動ラベラー、
2ロールタイプの「ニネット・ドゥ」をお勧めしています。

 

●▲■ ご紹介情報 その3:ROOTSディビジョン  ●▲■
YouTube動画「フランスValentin社のシャンパコルカー」
http://youtu.be/oPPIAnjzbK0

ヴァランタンはシャンパーニュに本拠を置く、
伝統あるシャンパン機器の会社。

「シャンパンコルカーとワイヤー装着機のモノブロック機」は、
世界中で長年使われている信頼あるモデルの改良機。

「キャップシューラー」は、
1ヘッドでプリーツとフォールドの2工程を処理、
作業効率が大幅アップします。

 

 

 

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