●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.246 ●▲■
発行日:2018年10月24 日(水)
■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■

  発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com

 

------------------< 目 次 >------------------

●▲■ 続・サケやウイスキー関係の統計データ

  ▲● 「清酒総生産に占める輸出比率、加速度的に増加」
今後は+1%/年で増加?
●■ 「日本酒輸出と日本食レストラン数の相関」
2020年には15.9万店必要なのか?
■▲ 「日本食レストランの呪縛がないウイスキーとジン」
本格焼酎輸出が、ジン輸出に追い越される!
おまけ・「日本食ブームで儲けるのは日本ではなくノルウェー」

 

                    text = 喜多常夫

ご紹介情報●1▲「カップ酒」の広口キャップ
ご紹介情報●2▲「サケびん口」のキャップ「AZK」「MZK」
ご紹介情報●3▲「びん内二次醗酵スパークリングの機械・資材一覧」

 

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前回メルマガに続いて、統計データの個人的分析、その2です。

 

●▲■ 日本酒輸出の状況
「清酒総生産に占める輸出比率、加速度的に増加」●▲■

 

30年前の1988年(昭和の最後)には、
清酒の生産量が804万石、輸出は3.66万石だったので、
3.66 ÷ 804 = 清酒総生産に占める輸出比率は0.5%
となる。

以下、節目越えの年と、その輸出比率を書くと

 1988年         0.5%
2003年         1.0%
2010年         2%超え(2.2%)
2015年         3%超え(3.2%)
2017年         4%超え(4.3%)

0.5ポイント上がるのに2003年まで15年かかったが、
その後、1ポイント上がるのにかかった年数が7年、5年、2年と短縮。
輸出比率は加速度的に高まっている。

個人的推測だが、

 2019年(平成最後の年)        5%(予測)
2020年(オリンピック)  6%(予測)
2030年                                15%(予測)

すなわち、今後は、
「1年1ポイント増」のペースで輸出比率が増えるのではないか。

 

そこまではなかろう、と疑う関係者も多いと思うけれど
輸出比率が急成長したこんな事例もある。

<ニュージーランドのワイン輸出比率>
1981年                                2%
1991年(10年後)               12%
2001年(20年後)               35%
2011年(30年後)               70%

 

1981年に2%(2010年の日本酒と同じ)だったものが、
30年間で70%になった。

 

因みに、
ボルドーワインの輸出比率は約4割
シャンパーニュの輸出比率は約5割
スコッチウイスキーの輸出比率は約9割
コニャックの輸出比率は9割5分以上
である。

 

「海外マーケット」は、
NZワインやボルドーワインにとって、
スコッチやコニャックにとって、そして、
日本酒にとっても、欠かせないものである。

 

 

●▲■ 世界のサケマーケットの状況
「日本酒輸出と日本食レストランの相関」●▲■

近年、農水省から
世界の日本食レストランの数が公表されるようになった。

最初の公表はたぶん2006年で
当時の世界の日本食レストラン数は2.4万店ということだった。

 

この年の清酒輸出は5.71万石だったので、
5.71 ÷ 2.4 = 1店当たり平均日本酒消費は2.38石/店・年
となる。

以下、農水省の公表年(毎年ではない。最近は2年に1度)について
日本酒輸出量・日本食レストラン数・1店当たり石数を書くと

 2006年         5.71万石         2.4万店          2.38石/店・年
2010年         7.65万石         3.0万店          2.55石/店・年
2013年         9.00万石         5.5万店          1.64石/店・年
2015年         10.10万石       8.9万店          1.13石/店・年
2017年         13.05万石       11.8万店        1.11石/店・年

 

日本食レストラン数は11年で5倍。
調査方法は、各国の領事館など日本の出先機関が電話帳などで調査、
というから正確さは限界があるだろうが、急増なのは確か。

 

2017年の1店当たり日本酒消費量1.11石/店・年とは、
一升びんで111本/店・年
720mlびんで278本/店・年
に相当。

日本食レストランといっても近年は
カレー屋や牛丼店などサケ消費とは縁遠いものが多数あること、
一方で、
世界のサケ消費で日本酒のシェアは
30%に過ぎない(海外製が70% 前回メルマガ参照)こと、
なども考慮しなければならないが、

   <日本酒輸出量>と
<海外の日本食レストラン数>には
<相関関係>がある

のは疑いない事実。

 

2020年の日本酒輸出は17万石くらいと予測するが、
今の相関を当てはめると必要な日本食レストランは16万店となる。
オリンピックイヤーまでは日本ブームで、
たぶん、そのくらいのレストランの増加は見込めそうに思う。

 

2030年の日本酒輸出は40万石くらいと予測(期待)するが、
同じ相関係数だと、日本食レストラン36万店が必要になる。
が、そこまで増えるかどうかは、、、怪しいと思う。

今の海外のサケ需要は
「店で買って自宅で消費」「日本食ではないレストランで消費」
される量はごくわずかだろう。

今の海外のサケ需要は
「日本食レストラン需要90%」(米・欧では95%)
と推定するので、
相関関係を薄めるためには、あと10年くらいで
「小売店(家庭)需要の20%化」
「非日本食レストラン需要の10%化」
などの戦略が必要だ。

 

「日本ワイン」も「甲州」などの輸出に力を入れていて、
和食とのペアリング、すなわち、
海外の日本食レストラン需要を狙っていることも考慮すべき。

 

因みに、日本におけるワイン消費は、すでに、
「店で買って自宅で消費」されるようになっているので、
レストラン数とは無関係に消費量を増やせるフェーズである。

 

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海外のサケ需要の構造の変化についてもう一つ書いておきたいこと。

20世紀の100年間の海外のサケ需要は
「日本人・日系人向けほぼ100%」
だった。ところが21世紀の現在は
「日本人・日系人向け10%+日本人以外向け90%」
ぐらいであろう。

 

これについて、
「この20年で変わった」
という人も多いだろうが、
「100年かかった」
がより正しいと思う。
世界の国々で100年を超える日本人の営々とした活動の末、
この20年で変わった。

海外需要でサケに先行する日本食品である、醤油、
今から来るであろう、味噌、鰹節、麹なども同じだろう。

 

 

 

●▲■ 日本ウイスキーとジャパニーズ・ジン
「日本食レストラン数の呪縛がない」●▲■

ちなみに、
ウイスキーは、日本食とは無縁のバーやレストランでも消費される。
故に、日本ウイスキーは「日本食レストラン数の呪縛」がない。
日本酒にはぜひ頑張ってほしいが、
日本ウイスキー輸出が日本酒輸出を凌駕する日がくるかもしれないと思う。

 

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クラフト・ジンの新製品が相次いでいるのは、業界の話題であるが、
輸出でも注目株となっている。

財務省貿易統計に2016年から「ジン」のコードが新設された。
(それまでは、その他のスピリッツに含まれていた)
このジンの輸出が急成長中である。

  2016年                   0.15億円
2017年                   6.41億円
2018年8月現在      11.65億円

サントリー「六」の比率が圧倒的で、
その他のブランドはまだ少ないとは思うが、
ジャパニーズ・ジンが海外市場で認知され始めているのは確か。

2018暦年ではジンの輸出は15億円くらいになりそう。
2017年の焼酎の輸出が15.4億円(ほとんど本格焼酎)なので、
たぶん今年、遅くとも2019年には
「ジャパニーズ・ジン」輸出が「焼酎」輸出を上回る可能性が高い。

 

ジャパニーズ・ジンの輸出が好調なのは、
「日本ウイスキー人気」の影響があるだろうし、
「日本ボタニカルの潜在力・目新しさ」もあるだろうが、
ジャパニーズジンは日本ウイスキーと同じく、
「日本食レストラン数の呪縛」がない酒類である強みがある。

 

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日本酒類の3大輸出品目は、清酒・ウイスキー・ビールであるが、
実はビールも「日本食レストラン数の呪縛」が「少ない」酒類である。

もちろん日本食レストランで消費される日本ビールは多いのだが、
「大手ビール」の主要輸出市場である韓国、台湾など
「クラフトビール」の主要輸出市場であるアメリカ、シンガポールなどでは、
洋食や地元料理のレストラン・バーで消費される量も増えている。
持ち帰り需要も増加基調のようだ。

 

ビール、ウイスキー、ジンは、もともと洋酒なので、
「日本食レストラン数の呪縛」がないのがあたり前ではあるが、
世界ではニッチでしかない日本ブランドは、どうしても
日本食レストランが主要需要にならざるを得なかった歴史的経緯がある。

 

 

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●▲■ おまけの話題
「日本食ブームで儲けているのはノルウェー!?」●▲■

 

以下は最近聞いた話の受け売りだが、印象深かったので収録。
ノルウェーは世界のスシ店で圧倒的シェアらしい。

 

世界でもっともスタンダードな日本食は「スシ」、
スシでもっともスタンダードな食材は「サーモン」。

元来、日本ではサーモンを生で食べなかった。
確かに私の記憶でも、昔はスシにサーモンなどなかった。
そんな状況で、生サーモンの握りずしを考案し、
80~90年代に日本に広めたのはノルウェーなのだそう。

恐るべき戦略家(国)である。

今や、日本でもサーモンは人気のスシネタだが、
ノルウェー製のシェアが高いのだそうだ。

そして世界の日本食レストランでも、
ノルウェー製サーモンが圧倒的シェアで、
日本以上にノルウェーがもうかっているらしい。

ノルウェーのサーモンのウリ:
①寒い北極海産で寄生虫がいない
②冷凍していない
③世界中48時間以内に届ける

 

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日本:政府は農林水産物・食品の輸出を
2019年に1兆円とすることを目標としている。

ノルウェー:中国に次ぐ世界2位の水産物輸出国で、
水産物のみで年間輸出額1兆円以上(100億ドル程度)だそう。
しかも、それは日本食ブームのおかげが大きい!

 

                       text = 喜多常夫

 

 

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さて、商品紹介・情報紹介です。

 

 

●▲■ご紹介情報 その1  KKディビジョン ●▲■
「カップ酒」の広口キャップ
http://www.kitasangyo.com/pdf/package/closures/WMWQcap_ed03.pdf

アメリカでは最近、
「カップ酒」を置く居酒屋風和食店が増えています。
コップ一杯分づつ、多くのサケ銘柄を楽しめるのは、
居酒屋の楽しみです。

きた産業は奈良工場で、
カップ酒のための広口キャップを製造しています。

 

 

●▲■ご紹介情報 その2  KKディビジョン ●▲■
「サケびん口」のキャップ「AZK」「MZK」
http://www.kitasangyo.com/pdf/package/AZK_hanyo.pdf
http://www.kitasangyo.com/pdf/package/closures/MZK.pdf
http://www.kitasangyo.com/pdf/package/closures/AZK.pdf

「AZK」と「MZK」は、安全で開け易い、
ユニバーサルデザイン(高齢化社会対応)のお酒のキャップ。
ご採用いただいた銘柄は、50社以上になりました。

 

 

●▲■ご紹介情報 その3 ROOTSディビジョン ●▲■
「びん内二次醗酵スパークリングの機械・資材一覧」(2ページ)
http://www.kitasangyo.com/pdf/machine/for-sparkling-cider-and-brandy/ch_equipment3r.pdf 

 

ジャイロパレット、ネックフリーザーなどは、
スパークリングワイン用の特殊機器ですが、
清酒のスパークリングにもご採用いただいています。

スパークリングの設備と資材については、
多くの実績とノウハウがあります。

 

 

 

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2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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2006年4月の以来、きた産業のトピックスを写真で収録。
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