●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.288 ●▲■

発行日:2022年2月28日(月)
■ アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報 ■

発行:きた産業株式会社 https://kitasangyo.com



   -----<<<きた産業は、FOODEXに出展します>>>-----

2020年はコロナで展示会が中止、
2021年は緊急事態宣言で当社の自主判断で出展取りやめ、
したがって、今年は3年ぶりの復帰となります。

キャップ・びん・缶・ラベルなどのパッケージ資材を納入させていただいた
様々なお酒(実物商品)を展示します。


*場所:幕張メッセ
*日時:2022年3月8日(火)~11日(金) 
*ブースは4D-25(ホール4)

幕張メッセでお待ちしています。





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< 目 次 >------------------


●▲■ 「中国依存度」の考察
●清酒・ウイスキー・焼酎の2021年輸出先1位は中国
●「中国」依存度:清酒26%・ウイスキー37%・焼酎38%
●「モンシノワ」依存度:清酒49%あるいは53%
■■「シャンパンと表示できるのはロシア製だけ」?!

text = 喜多常夫


ご紹介情報●1▲ ガラス栓VINOLOK(2022年資料)
ご紹介情報●2▲ たまご型タンク(コンクリート&プラスチック)
ご紹介情報●3▲ 日本のミード(ハチミツのお酒)


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2021年のお酒の輸出実績が公表されて、
「ウイスキー(461億円)や日本酒(401億円)が過去最高」、が話題ですが、
「輸出先1位が中国」、にも注目すべきと思います。

少し前まで多くの日本の酒類で、
一番のお得意先(最大輸出先)は「アメリカ」でした。
また、清酒輸出では「香港」が1位の場合もありました。
それがいまや、「中国」が取って代わる時代となりました。


今回は、中国向け・アメリカ向けの動向比較と、中国依存度について考えます。



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●▲■ データ編 ●▲■


>>> 清酒 

<<2021年の輸出金額>>
●中国が1位:102.8億円
(総輸出額401.8億円の26%)
■アメリカは2位:95.9億円
(総輸出額401.8億円の24%)

<<2016年の輸出金額(5年前の状態)>>
●中国は4位:14.5億円
(総輸出額155.8億円の9%)
■アメリカは1位:52.0億円
(総輸出額155.8億円の33%)


5年間で中国は14.5→102.8、すなわち7倍。
アメリカは52.0→95.9、すなわち2倍。
中国はアメリカを一気に抜いて1位になった。
なお、輸入「量」では、2021年でもまだ1位アメリカ、2位中国である。



>>> ウイスキー

<<2021年の輸出金額>>
●中国が1位:170.1億円
(総輸出額461.5億円の37%)
■アメリカは2位:103.6億円
(総輸出額461.5億円の22%)

<<2016年の輸出金額(5年前の状態)>>
●中国は6位:3.9億円
(総輸出額108.4億円の4%)
■アメリカは1位:28.7億円
(総輸出額108.4億円の26%)


5年で中国は44倍。アメリカ4倍。
(因みに、3位のフランスは5年で2倍である。)
中国はアメリカを一気に抜いて1位になった。
なお、2021年の輸出「量」は、1位アメリカ、2位フランス、中国は3位。
中国が高価なウイスキーを買ってくれている証拠である。




>>> しょうちゅう

<<2021年の輸出金額>>
●中国が1位:6.6億円
(総輸出額17.5億円の38%)
■アメリカは2位:4.5億円
(総輸出額17.5億円の26%)

<<2016年の輸出金額(5年前の状態)>>
●中国はこの時から1位:4.2億円
(総輸出額14.7億円の28%)
■アメリカはこの時も2位:3.5億円
(総輸出額14.7億円の24%)


5年間で中国は1.6倍。アメリカ1.3倍。
中国1位は変わっていないが、成長率はアメリカより高い。
(なお、焼酎輸出は全体として伸びていないこともよくわかる。)





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●▲■ リスクの可能性 ●▲■

中国は今後、アメリカにますます差をつけて、
日本の酒類の輸出にとって大きく、欠かせない存在となると思う。

これは日本の酒類に限った話ではない。
いまや世界の多くの国・多くの産業にとって、中国市場が欠かせない。
EUの輸出先1位は、2020年に、アメリカから中国になった。
トヨタの総販売台数のうち中国の販売は約2割だが、
VWでは約4割に達するだそうだ。

一方、中国が輸出する資源、製品、農産物も、日本や各国にとって欠かせない。
21世紀に入って、世界経済は中国なしでは成り立たなくなっている。


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一方、販売戦略の一般論として、
「一国への依存度が高い」のは「リスクの可能性」であることは事実。

好調だった韓国向けの清酒やビールの輸出が、
2019年夏の反日運動・日本製品不買で一気にゼロ近くになった実例がある。


中国でも繰り返し反日運動が起こったことは記憶に残る。
ネットで昔の日経新聞の記事を検索して引用すると:

2010年10月16日

     「中国で反日デモ相次ぐ ヨーカ堂など被害」
       中国の四川省成都市で16日午後、大規模な反日デモが発生した。
       参加者は1万人を超えたとの情報もある。
       尖閣諸島沖での衝突事件を受けた日中摩擦に伴うデモで、
       集合場所になった商業地域にあるイトーヨーカ堂春熙店はガラスなどが割られ、
       営業を停止。近隣の伊勢丹も営業を停止した。



21世紀以降の中国の大きな反日デモは2005年、2010年、2012年で、
幸い、この10年ほどは起こっていない。
が、関係が根本的に修復したとはいいがたい。
今月も、こんな記事があった。同じく日経新聞のネット記事:

2022年2月3日
「中国、京都風施設を再開 批判受け日本色薄める 集客は好調」
中国で京都の街並みを再現した遼寧省大連市の複合商業施設が
2日、営業を正式再開した。
2021年8月に開業したが、ネット上で「日本文化による侵略だ」
などと批判され、9月に営業を停止していた。
ロシアなど多国籍な店舗をそろえ、日本色を薄めた。


中国と日本の間には、歴史問題・領土問題などがあるのはもちろん、
中国はアジア各国や西側各国とも、様々な問題を抱えている。
そんなリスクがある事は輸出戦略に織り込んでおかなくてはならないと思う。




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●▲■ モンシノワ ●▲■ 

フランスのシャンパーニュ協会(CIVC)が毎年公表する輸出統計では、
何年か前から「中国」ではなく、「モンシノワ」と記載される。
モンシノワMond ChinoisとはChinese World=中国世界のこと。
「中国に忖度」して、香港も含めで計上しているのではないか、、、と思う。

あるいは、、、
CIVCはシャンパーニュの輸出先をトップ10までを公表しているが、
1位アメリカ、2位英国、3位日本、、、10位スウェーデンとあって、
中国単体ではトップ10に入ってこない。
が、モンシノワにすれば8位あたりに入ってくるので、
まだまだシャンパーニュ消費が少ない中国にアピールする目的かもしれない。

いずれにせよ、中国対応で「実利」を得るためだと思う。



余談だが、去年(2021年)、こんなニュースがあった。
「シャンパンと名乗れるのはロシア産だけ」という法律がロシアで発効。
その結果、フランスはシャンパーニュというラベルではロシアに輸出できなくなった。
当然、シャンパーニュ大手やCIVCは激しく抗議したが、ロシアは応じず。
結局、フランス側が折れて、ラベルに「スパークリングワイン」と表示して、
ロシアへの輸出を再開したそうだ。

このケースも、CIVC、あるいはフランスは、「実利」をとった格好だろう。


なお、余談の余談だが、、、
先週のウクライナ進攻のニュースを聞いて、
私は「シャンパンと名乗れるのはロシア産だけ」、という一件を連想した。
世界常識と異なる考えでも押し通す、という点で共通している。

が、事の重大さは全く違う。
ウクライナの戦火は拡大している。
なんとか早期に収まること、世界秩序が悪化しないことを願っています。


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話題を中国・モンシノワに戻します。

2021年の清酒の総輸出額401.8億円のうち、
前述の通り中国向けは102.8億円で、中国依存率は26%となる。

2021年の清酒輸出は2位がアメリカ、3位が香港で93.1億円。
一国二制度で「香港も中国」という考え方をすれば、
中国+香港=195.9億円で、
総輸出額のうち、「中国+香港」への依存率は49%まで高まる。

台湾は輸出先5位で17.3億円。
中国は、「台湾も中国」と主張するが、
「中国+香港+台湾」で考えると213.1億円、その依存率は53%となる。


つまり、清酒輸出の「中国」依存度は26%だが、
「モンシノワ」依存率は、49%あるいは53%にもなる。
ウイスキーや焼酎もモンシノワ依存率はとても高い。


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リスクの可能性や依存度の高さについて書きすぎたかもしれないが、
隣国で大国である中国とは、リスクを避ける努力や工夫をしなければならない。


日本酒、日本ウイスキー、日本焼酎を愛飲する人たちが中国で増えることは、
素晴らしいことだと思う。
アメリカやEUでの消費ももっと増えてほしいが、
欧米より食スタイルが近い中国(やアジア)のほうが、市場ポテンシャルは高いだろう。

人類の歴史上、ワインやビールは、紛争の種になる事もあったが、
多くの場面で人と人、国と国の交流を促し、文化を高める役割を担ってきた。
日本のお酒も、世界の人々・国々と良い交流の礎になれば、と願う。


text = 喜多常夫



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さて、情報紹介です。




●▲■ ご紹介情報 その1  K2ディビジョン ●▲■

ガラス栓VINOLOK(2022年資料) 3ページ
https://kitasangyo.com/pdf/package/closures/VINOLOK-2202.pdf

ヴィノロックは、ワイン壜サイズの18.5、サケびん口サイズの20のほかに、
蒸留酒などで多い「21.5」や「23」もあります。
主なオプションもわかりやすく、一覧にしています。




●▲■ ご紹介情報 その2 ROOTSディビジョン  ●▲■

たまご型タンク(コンクリート&プラスチック)
https://kitasangyo.com/pdf/machine/wine-beer/eggtank-2202.pdf

コンクリート・エッグは、従来、20’コンテナに入る「7ヘクトリットル」しか輸入していませんでしたが、
サイズの大きな「17ヘクトリットル」の輸入実績もできました。
コンクリートと同じく、酸素透過度が特徴の「プラスチック・エッグ」もあります。




●▲■ ご紹介情報 その3 KK+K2ディビジョン ●▲■

日本のミード(ハチミツのお酒)
https://kitasangyo.com/pdf/archive/package-designs/PDA_306.pdf

ミードを造る醸造所は、約20か所になっています。
当社からパッケージ資材や、醸造設備を納入させていただいたブランドを

写真アーカイブに収録しています。








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●▲■バックナンバー閲覧可能!「メルマガ・クロニクル」

https://kitasangyo.com/Archive/mlmg/BN_top.html

2002年5月の創刊以来のバックナンバーを収録しています。
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2006年4月以来、きた産業のトピックスを写真で収録。
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