●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.241 ●▲■
発行日:2018年5月7日(月)
■アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報■
発行:きた産業株式会社 http://www.kitasangyo.com
------------------< 目 次 >------------------
●▲■ ロンドン・パリ・ニューヨークでサケ観察
▲● 世界3大都市、6店舗の「サケオーダー比率」は平均45%(!)
●■ バーチャル店舗観察、1990年代のパリの「カーブ・フジ」
■▲ 「英・仏・米のサケブランド」 by Japanese Sake
「ズーマ吟醸」「エンター・サケ」「ヘブンサケ」「タイク」
text = 喜多常夫
ご紹介情報●1▲ 最近更新した「汎用キャップ」の資料
ご紹介情報●2▲「サケびん口」の新型キャップ「AZK」「MZK」
ご紹介情報●3▲ ネジ山の見えないキャップ「スマート・スクリュー」
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「ロンドン・パリ・ニューヨーク」
ブランド品のCMなどでよくでてくるフレーズですが、
昨年(2017年)の秋と冬に、この3都市に行く機会がありました。
もちろん、
日本食レストランでサケを飲み、
サケ販売店の状況を見てきました。
訪問後半年以上も手が回らなかったのですが、
このゴールデンウィークに写真を整理してアーカイブを作ったので、
「世界3大都市でのサケ観察」を書きます。
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観察記録の前に、世界3大都市の属する3つの国向けの
サケ(清酒)輸出実績を見ておきます。
●サケ輸出「量」@2017年
英国 9位: 2,150石
フランス 12位: 1,470石
アメリカ 1位:3万2,100石
●サケ輸出「金額」@2017年
英国 9位: 3億4,700万円
フランス 11位: 2億6,600万円
アメリカ 1位:60億3,000万円
●サケ輸出「1.8リットルあたり単価」@2017年
英国 6位:1,613円
フランス 4位:1,804円
アメリカ 3位:1,881円
(注:単価の順位は主要国のみのランキング)
アメリカは「量」「金額」とも1位の大事な国。
英国とフランスは、
「量」ではアジアの国々に及びませんが、
「1.8リットルあたり単価」ではトップクラス、
非常に重要な国であることがわかります。
アメリカ向けサケ輸出では、
西海岸のサケ需要が多く、ニューヨーク分は1割に満たないと思いますが
英国とフランス向けは、
ロンドンとパリが大きな比重(感覚的に8-9割)を占めると思います。
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さて、3都市の6つのレストランでのサケ観察記録。
以下の3つの指標を%表示しています。
●「日本人客濃度」:全来客のうち、日本人らしき客の比率
●「日本人スタッフ濃度」:料理人とフロアサービスの人のうち、日本人の比率
●「サケオーダー比率」:全来客のうち、サケをオーダーしている客の比率
あくまで、私が店舗を見渡した範囲、の感覚的数字ですが。
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ロンドン・その1:
●▲■ 日系「酒蔵(Sakagura)」
●日本人客濃度≒10% ●日本人スタッフ濃度≒20% ●サケオーダー比率≒50%
ニューヨークの「酒蔵」(後述)と同名だが、別の経営。
トリドール(丸亀製麺)が、月桂冠、チョーヤ梅酒などと共同で
2016年暮れに開業した高級居酒屋。
場所も高級でピカデリーサーカスから歩いてすぐ。
分厚いサケメニューのうち、「純米大吟醸」のページを紹介すると、、、
「月桂冠・鳳麟」「風の森」「梵」「白露垂珠(山形・竹の露)」
「横山50(長崎・重家酒造)」「獺祭」「紀土(平和酒造)」とマニアック。
これらはボトル売りで75~90ポンド(約1万1,000~1万4,000円)。
高い例では「残響Super7(新澤酒造店)」で900ポンド(13万5,000円)など。
(2017年9月訪問時のレート1ポンド=\150で換算)
ロンドン・その2:
●▲■ 非日系「ROKA(ロカ)」(Aldwych店)
●日本人客濃度≒0~3% ●日本人スタッフ濃度=0% ●サケオーダー比率≒30%
非日本人経営の高級和食・ろばた。ロンドン市内に何店舗かあるが、
このオルドウィッチ店(ウォータールー橋近く)は2年ほど前にできた新店舗。
平日8時に行ってみると、100席以上の大きな店がほぼ満席。
日本人客は見渡す限りいない。日本語が出来るスタッフもいない。
しかし3組に1組くらいはサケを飲んでいて、サケオーダー比率は高い。
梅酒を飲む人も多かった。料理メニューは英文だけれど全て和食。
サケメニューは「香り-Fregrant」、「端麗-Clean」、「うまみ-Flavourful」
などでカテゴライズされて銘柄が記載されるが、これらはボトル売り。
100mlや250mlカラフェで頼める銘柄は別ページで、
「加茂泉」「南部美人」「白壁蔵」「獺祭」「土佐鶴」「浦霞」など。
パリ・その1:
●▲■ 日系「Ken Kawasaki(川崎健)」
●日本人客濃度≒5% ●日本人スタッフ濃度≒67% ●サケオーダー比率≒50%
モンマルトルから下ったところにある、日本人シェフ川崎健さんのお店。
カウンター席のみで15席ほど。
料理はジャパニーズフュージョン、あるいは和食の良さを取り入れたフレンチ。
料理とあわせた「サケペアリング」を頼んだところ、
「山花(真澄)」「惣誉」「楯野川」の3銘柄が登場。
輸入元は3つとも「Importe par ISEE & Cie」。
料理、お酒ともすばらしい。パリ滞在でとても印象的なお店でした。
パリ・その2:
●▲■ 日系「EnYaa(エンヤー)」
●日本人客濃度≒15% ●日本人スタッフ濃度≒90% ●サケオーダー比率≒50%
パレロワイヤル近く、遠藤大輔さんのお店。
「サケとシャンパーニュ」の店と銘打つ、珍しい取り合わせがコンセプト。
サケは一升壜中心で、自社で輸入されるそう。
料理とのペアリングは
「サケ2種+シャンパン2種」など「混合ペアリング」もあるのだけれど、
この日は
「真澄」「菊姫」「洌(山形・小嶋総本店)」などサケのみをいただきました。
「Galerie K」の宮川圭一郎さん(フランスで日本酒卸をされる)とご一緒で、
うまい料理と美味しいお酒を味わいました。
ニューヨーク・その1:
●▲■ 日系「酒蔵(Sakagura)」
●日本人客濃度≒30% ●日本人スタッフ濃度≒50% ●サケオーダー比率≒50%
NYで居酒屋といえばここ、といわれるお店。
「日本人客濃度30%」は、今回紹介する6店で最も高い。
場所はグランドセントラル駅と国連の間くらい。
サケメニューは分厚い。200銘柄以上のサケがオーダー可能。
日本でこれほどのサケ銘柄を取り揃えている店は思い浮かばない。
欧米では飲みたいサケ銘柄が「ボトル売り」のみで断念することが多いが、
この店は全銘柄で「グラス」「カラフェ」「マス」「ハーフ」「ボトル」
の5段階の容量でオーダー可能なのは誠にうれしい。
この日飲んだのは、まず、
「黒龍」「梵」「真澄」。
さらにマスクをかぶった「SAKEMAN」(アーカイブ参照)推奨の
「千代むすび」「御前酒」。そして3種のみ比べの
「大七」「天功」「澤乃井」もいただいた。
「NYは日本酒を楽しむために行く価値がある!」と思った、一晩でした。
ニューヨーク・その2:
●▲■ 非日系「ZUMA(ズーマ)」
●日本人客濃度≒0% ●日本人スタッフ濃度≒0% ●サケオーダー比率≒40%
ズーマはロンドン発の日本食店で、NYのほか、香港、ドバイ、ラスベガスなど、
世界の主要都市に店舗がある。
吹き抜けのある大型店舗。当方以外の日本人客はいない。
観光客も多いようで、隣の席はカナダからのツーリストだった。
「NYでは美味しい日本食を食べようと思ってZUMAにきた」とのこと。
まず「出羽桜」をグラスで。
そして「ZUMA吟醸」(ボトル売りのみ)をオーダー。
裏ラベルには製造は「Akita Brewing(秋田酒造)」とありました。
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以上の「サケオーダー比率」だけ抜書きすると、
■ロンドン「酒蔵」 ≒50%
■ロンドン「 ROKA(ロカ)」 ≒30%
■パリ「Ken Kawasaki」 ≒50%
■パリ「EnYaa(エンヤー)」 ≒50%
■ニューヨーク「酒蔵」 ≒50%
■ニューヨーク「ZUMA(ズーマ)」 ≒40%
世界3都市、6店舗の平均は45%。
訪問したのは、
料理とサケのペアリングが話題の店や、
様々なサケの提供に力を入れている店ばかりを選んだとはいえ、
「サケオーダー比率平均45%」というのは、
まことに今後のサケ市場が期待できる観察結果でした。
もっとも、、、
美味しいフレンチやイタリアンのレストランでは、
半数以上のテーブルでワインがオーダーされるのはごく普通だから、
美味しいジャパニーズレストランに入れば
45%のお客さまがサケを頼むのは当たり前、ともいえますが。
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以上のレストラン訪問記はアーカイブ資料に写真をまとめています。
●▲■きた産業の酒類情報アーカイブ
「サケwatching in ロンドン2017」(全8ページ)
http://www.kitasangyo.com/pdf/archive/sake-watching/sake_London2017.pdf
「サケwatching in パリ2017」(全9ページ)
http://www.kitasangyo.com/pdf/archive/sake-watching/sake_Paris2017.pdf
「サケwatching in NYとボストン2017」(全10ページ)
http://www.kitasangyo.com/pdf/archive/sake-watching/sake_NY2017.pdf
「レストランのサケ観察」だけではなく、
以下のような「販売店のサケ観察」も収録。
ロンドン
■英国系ワインショップ「ヘドニズム・ワイン」
■米国系高級食品スーパー「ホール・フーズ」
■高級デパート「ハロッズ」と「ハーヴェイ・ニコルズ」
パリ
■日系食品・サケ専門店「Work Shop ISSE」
■日系食品店「KIOKO(京子)」
■バーチャル登場、1990年代の日本名門酒会のお店「カーブ・フジ」
■フランス系スピリッツ専門店「LMDW, Maison du Whisky」
■高級デパート「ギャラリー・ラファイエット」
ニューヨーク
■サケ専門小売店「Sakaya(サカヤ)」
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さらに、ロンドン・パリ・NYで見つけた
「英・仏・米のサケブランド」
produced by Sake Brewery in Japan
も収録しています。
●「ZUMA(ズーマ)吟醸」(アメリカ・英国)
裏ラベルに「Akita Brewing(秋田酒造)」とあることは書きました。
そのほか、、、
●「Enter Dot Sake(エンター・ドット・サケ)」(英国)
裏ラベルに「by Richie Hawtin」とある。
ホウティンさんはミュージシャンで、サケサムライでもある。
製造者は「Sekiya Brewing」(愛知・関谷醸造)。
●「Heaven Sake(ヘブン・サケ)」(フランス)
裏ラベルに「Regis Camus」。
カミュさんはシャンパンのパイパーエドシックのセラーマスター。
黒いびんはcollaboration with Dassai(獺祭)、
青いびんはcollaboration with Urakasumi(浦霞)。
●「Tyku(タイク)」(アメリカ)
三角形が特徴のアメリカのブランド。
裏ラベルには、
「the famed Umenoyado Brewery(梅乃宿酒造)in Nara」。
ロンドン・パリ・ニューヨークのサケは、
どんどん変化を続けているのを実感しました。
text = 喜多常夫
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さて、情報紹介。
●▲■ご紹介情報 その1 KKディビジョン ●▲■
汎用デザインキャップ[PPキャップ(カラーシリーズ)のご案内]
http://www.kitasangyo.com/pdf/package/hanyo_PP_color_ed10.pdf
汎用デザインキャップ[一升壜用~冠頭・替栓組み合せタイプ]
http://www.kitasangyo.com/pdf/package/KK_hanyo_ed14.pdf
最近更新した、汎用キャップの資料です。
●▲■ご紹介情報 その2 KKディビジョン ●▲■
「サケびん口」のキャップ「AZK」「MZK」
http://www.kitasangyo.com/pdf/package/closures/MZK.pdf
http://www.kitasangyo.com/pdf/package/closures/AZK.pdf
「AZK」と「MZK」は、安全で開け易い、
ユニバーサルデザイン(高齢化社会対応)のお酒のキャップ。
ご採用いただいた銘柄は、50社近くになりました。
●▲■ご紹介情報 その3 KKディビジョン ●▲■
ネジ山の見えないキャップ「スマート・スクリュー」
http://www.kitasangyo.com/pdf/package/closures/smart_screw.pdf
清酒・焼酎で一番多く利用されるびん、「30STD」口規格に対応。
プレミアム商品にどうぞ。
お酒のキャップなら、きた産業にお任せください。
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