1. 創業期Establishment
    • 大正5年(1916年)/大阪市北区若松町にてコルク商「喜多鐵之助商店」創業。
    • 大正8~9年(1919~1920年)/鐵之助単身ヨーロッパへ。コルク産地のスペイン・カタルニア地方に長期逗留し、後のコルク直輸入、コルク加工の礎を築いたほか、ワイン産業等も視察。約1年後帰国。
    • 大正10年(1921年)/店舗を若松町から大阪市東区道修町へ移す。また東京・日本橋小伝馬町へ出張所開設。この頃の主な扱い品目はコルクの輸入及びコルク栓、王冠用コルクジスクの製造。
    • Mr. Tetsunosuke Kita started our company in Osaka as a cork dealer in 1916. Picture: 5 years celebration in 1921.
    (写真:創業5周年(1921年)記念写真。前列中央の白い背広に白い靴が鐵之助29才)
  2. 第二次世界大戦までPre-World War II
    • 海外に飛躍した時代。大正14年(1925年)/仏領アルジェリアの首都アルジェに出張所を開設しコルクの現地直接買い付けを始める。その後、昭和4年(1929年)/アルジェ出張所をよりコルクの集散するポルトガルのリスボンに移し、リスボン支店開設。また、昭和3年(1928年)台湾に台北出張所を開設し台湾市場での酒類向けコルク栓の販売をおこなう。
    • 一方、大阪では、昭和9年(1934年)/大阪市東成区鶴橋南之町で王冠製造開始、昭和10年(1935年)/本社を道修町から大淀区大仁本町に移転する。会社組織は昭和8年(1933年)/「合名会社喜多商店」に、昭和13年(1938年)/「株式会社喜多商店」(資本金45万円)に改組を重ねる。
    • この頃の事業は輸入したコルクを加工しコルク栓、王冠を製造することのほか、樽詰めワインの輸入・漁網の輸出なども手がけた。また、昭和14年(1939年)/当時冷蔵庫等の断熱材として用いられた炭化コルク板の製造を目的として、広島県佐伯郡廿日市に「日東コルク工業所」設立。
    • Cork business had grown very rapidly. To import cork bark directly from Mediterranean countries, we made an office in Alger of French Algeria, then we moved to Lisboa of Portugal as a branch. Pictures: a business card with address "Alger", a letter from our Portugal branch to Osaka with Gibraltar stamp dated in 1938. 
    アルジェリアのアルジェの住所表示のある名刺
    リスボン支店のあったAVENIDA DUQUE DE LOURE(デュークデローレ通り)と、当時の建物は今も健在。(2007年撮影)
    リスボン支店から日本にあてた封書。ジブラルタルの切手と1938年のスタンプがある。
  3. 戦中と戦後During & Post World War II
    • 昭和15年~19年(1940年~1944年)/戦争に伴い、リスボン支店、台北出張所を閉鎖。
    • 昭和18年(1943年)/「喜多産業株式会社に改組。昭和20年(1945年)/大仁本町の本社、本社工場を戦災で焼失。本社を王冠工場であった鶴橋南之町(現生野区桃谷。現在の本社所在地)へ移す。
    • 戦争中は王冠、コルクの製造はほとんどできず、兵隊用の金属食器のプレス加工などをしていた。
    • 戦後は酒造組合中央会の指定により、大蔵省からブリキ・コルクの割当を得て王冠を製造することでスタート。その後事業は順調に回復。昭和24年(1949年)/金属印刷を開始。昭和26年(1951年)/千代田区神田材木町(現岩本町。現在の東京支店所在地)に東京事務所再建。
    • Because of the war, we closed Portugal branch, we lost Osaka and Tokyo office/ factory due to bombing by US air-force. Mr. Yoshio Kita succeeded the company in 1941. During the war, we temporarily established a wooden boat factory (picture) in Chiba Pref. to prevent employee from conscription, but apparently it was a fault from a business point of view. After the war, Tokyo office was rebuilt using woods from this boat factory.
    ↑戦争中は社員の徴用を防ぐため、千葉県船橋市に木造船を製造する「千葉第一造船所」を設立(写真背景は建造中の木造船)。が、事業としては全く失敗であった。戦後、東京支店の建物はこの造船所の解体木材で再建した。
  4. 昭和40年代・50年代の成長期Growing Era of 60s to 70s
    • 昭和35年頃(1960年頃)/このころから清酒の需要増に伴い、業績も拡大。昭和42~47年(1967~1972年)/奈良県下に3工場(深川工場・高樋工場・御所工場)を設け増産。 
    • 昭和30年代・40年代・50年代と進むにつれコルクは徐々にプラスチックにとってかわられ、当社もコルク事業の比率は低下していく。昭和31年(1956年)/日東コルク工業所閉鎖、昭和40年頃(1965年頃)/コルクジスク製造停止、昭和50年頃(1975年頃)/コルク輸入業務停止。
    • 一方で、新しい分野・事業へも積極的に取り組む。クロージャ関係では 昭和35年(1960年)/冠頭商品化、昭和47年(1972年)/ワイドキャップ商品化、昭和51年(1976年)/ポリモールド商品化、昭和52年(1977年)/PPキャップ商品化など。新しい設備としては昭和44年(1969年)/射出成形機導入、昭和54年(1979年)/紙缶製造設備導入、昭和56年(1981年)/PET成形機導入など。
    • Sake market was growing, and our company was growing. One reason of our success was a patent for Sake bottle closure (picture). Along with crown cap manufacturing, we started to produce other items, such as paper can, PET bottle, metal can.
    ↑昭和36年出願の一升びん用のいわゆるデラックス王冠のパテント。当社の成長を支えた原動力のひとつはこのデラックス王冠だった。
  5. 新たな飛躍の時代80s, 90s and New Century, The Second Establishment
    • 80年代、90年代は新たな分野への挑戦の時代。86年に「加熱機能付き容器」の販売開始。95年に機械エンジニアリング部門関連会社、「株式会社ルーツ機械研究所」を設立し、ROOTSディビジョンとする。
    • 一方で奈良の3工場は、清酒用王冠の需要変化にあわせ1工場(高樋工場=現在の奈良工場)に集約。また、紙缶事業は売却し事業部門の集約化を図る。
    • 21世紀に入り、2001年「K2ディビジョン」を立ち上げ。K2とは「パッケージの新しい価値(Kachi)を開発(Kaihatsu)」のイニシャルの二つのK。「ガラスびん」、「アルミ缶」、「紙パッケージ」、「ステンレス樽」などのパッケージ分野でユニークな企画と提案を行っています。
    • 2003年、「本社、奈良工場」を対象事業所として「キャップ」、「プラスチック容器」、「加熱機能付き容器」及び「エアーバック点火装置部品」の製造についてISO9001の認証を取得。
    • 2006年、「喜多産業株式会社」に替わり、平かな表記の新ロゴ「きた産業株式会社」を採用。社名が一目でわかるように、またより親しみやすいイメージを目指しての変更。
    • We closed paper can factory, metal can factory, etc., on the other hand, we developed Self-Heating Can, we started machinery business (established a subsidiary, Roots Machinery Labs., Inc.), we entered glass bottle business. Scrap and build, but challenging mind is our un-changeable heritage. Mr. Yoshio had worked as the president for 50 years, then Mr. Tsuneo Kita succeeded to his position in 1991. We are watching the new century.
    1983年、新しい会社シンボルマーク、KKを定める。
    1995年、機械部門関連会社ルーツ機械研究所を設立。
    2001年、パッケージ販売のK2ディビジョンを立ち上げる
    2006年、平かな表記の新ロゴ「きた産業株式会社」を採用。

    2008年の展示会(FOODEX JAPAN 2008、FOOMA JAPAN 2008)での当社のブース。
    Our stand at FOODEX JAPAN 2008 Exhibition and FOOMA JAPAN 2008 Exhibition.

    歴史と信頼:戦前から戦後に当社が製造した清酒や焼酎の王冠。このすべてのブランドに現在もキャップを納入させていただいています。半世紀以上にわたる継続的お取り引きは当社の最大の誇りです。
    The picture shows old crowns of Sake and Shochu (our products in 1930-50). We are still providing closures to all of pictured brands. We are proud of continuous business relationship for over a half century.

    (081203/060420)

    以上は2008年にまとめた沿革です。2016年に作成した「きた産業の100年」もご覧ください。
    The above was edited in 2008. Please also review "100 years of Kita Sangyo" below, published in 2016.

    きた産業100年の歴史