●▲■ きた産業 メルマガ・ニューズ vol.320 ●▲■

発行日:2025年5月12日(月)
■ アルコール飲料産業のためのクロスオーバー情報 ■

発行:きた産業株式会社 https://kitasangyo.com



------------------< 目 次 >------------------

●▲■ 酒造所が増える酒類、現状と2030年予測
● ウイスキー・ジン生産者の数
ウイスキー  現在:約120 → 2030年予測:約180
ジン      現在:約105 → 2030年予測:約150

● (ブドウの)ワイナリーの数
現在:約560 → 2030年予測:約700

● クラフトビール醸造所の数(ビール免許+発泡酒免許)
現在:約910 → 2030年予測:約1,200
(清酒蔵元の数より多くなる!?)

text = 喜多常夫


ご紹介商品●1▲ <輸入びん>ESTALエスタルとVeralliaヴェラリア
ご紹介情報●2▲ ルーツ機械研究所のビール充填機、醸造所向けの機器
ご紹介情報●3▲ 日本酒の「びん燗殺菌」対応のサケびん口キャップ・PPキャップ


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当社は、1995年の地ビール解禁の年から、
全国に存在する地ビール醸造所(今の呼称は「クラフトビール」)リストをつくり、
30年間
ほぼ毎年更新している。
ごく最近、2024年末の状態までアップデートした。


全国の「ワイナリーリストウイスキー・ジンリストホームページで公開している。
こちらは毎年更新手が回っていなかったが、
このたび両方とも2-3年ぶりにアップデート

これら3つの酒類は、
「過去5年に生産者が急増」
という共通点がある。


一人当たりアルコール消費量は減っていくなかでも、
ウイスキー、ワイン、クラフトビールに取り組む人が増えるのは、
お酒の持つ魅力、文化性によるのだと思う。




今回はアップデートした3つのリストを眺めた分析を書きます。
あわせて、管見ながら5年後の2030年予測も書きます






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   ●●● ウイスキー・ジン生産者の数 ●●●


  ●▲■ ご紹介情報 その1  : 「きた産業リスト」から
   「ウイスキー・ジンリスト」をed.6更新
   https://kitasangyo.com/list/whiskey.html


ウイスキー、ジンのほか、ラム、ウオッカなどについて
「2024年末時点で稼働の蒸溜所」+「近日開業が公知の蒸溜所」までアップデート
(ブランデー、グラッパ、マールなど、非穀物由来の蒸留酒は掲載対象ではない)

なお、リスト掲載の「ウイスキー生産者」には、自社蒸留はほとんどしていなくても、
ウイスキー製造免許を持って、ブレンドや貯蔵した自社ブランドを販売している者を含む。
(ウイスキー製造免許を持
っていないが、国内向け自社ブランド、
あるいは海外専用ブランドを持つ会社もあ
ってヤヤコシイが、これはカウントしていない。)


ed.1
(2017年)のリスト掲載の総数は約38か所だったのが、
ed.6(2025年)のリスト掲載の総数は約200か所
8年で5倍である。


ed.6
リストを酒類毎にカウントすると以下の通り:

●ウイスキー生産者118か所
(ウイスキー専業が70%、ウイスキー以外にジンなども造る兼業が30%
      ただし、兼業者もほぼすべて、最終的にはウイスキー生産が主目的
●ジン製造者105カ所程度
(ジン生産主力が69%、他酒類が主力だジンも造るものが31%)
●ラム製造者10カ所程度
(ラム生産主力が90%、他酒類が主力だがラムも造るものが10%)
●ウォッカ製造者5カ所程度
(ウオッカ主力が20%、他酒類が主力だウオッカも造るもの80%)

注)上記の兼業%は、ed.6ウイスキー・ジンリスト上の兼業のみカウントしたもので、
清酒・焼酎・泡盛・クラフトビールから参入したウイスキー・ジンなどは
兼業としてカウントしていない
ジン、ラム、ウオッカについては正確な補足ができていないかもしれないので
「105か所程度」などと表現している。

なお、本稿論旨からはそれるが、ed.6リストには118か所のウイスキー生産者が、
「ウイスキー生産に主に使用する蒸留器」の種類も書いている。

■ポットスチル  50か所
■ハイブリッドスチル   21か所
■焼酎蒸留器など   36か所
■大型の連続蒸留器   4カ所
■不明、および蒸留器なし   13カ所

ポットスチル使用の50か所の蒸溜所にある
ポットスチルの総数は、当社の集計では139基で、
   三宅製作所78基
フォーサイス30基
その他31基(アメリカ製、ドイツ製、イタリア製、ポルトガル製、日本製、中国製など)
となっている。

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一方、国税庁のデータから「ウイスキー」の状況を見ると以下の如し。

<ウイスキーの製造場数※>

■2020年 35場 (「外」※※ 99場)
■2021年 46場 (「外」 111場)
■2022年 54場 (「外」 127場)
■2023年 66場 (「外」 未発表)
■2024年 未発表 (「外」 未発表)

   ※「製造場数」=国税庁の「酒税関係総括表」記載の製造場数で、
複数の品目を製造している場合はウイスキーの製造量が一番多い製造場

※※「外」=国税庁の「酒のしおり」の「酒類製造免許場数の推移」に
「外」、として記載される数で、
ウイスキーを含む複数の酒類を製造しているが、
一番多い生産量の酒類はウイスキーではない製造場



新たにウイスキー蒸溜や貯蔵、輸入原酒のブレンドを始めた場合、
国税統計がどの時点で「製造場」や「外」にカウントするのか把握できていないが、
現在のウイスキー生産者の「70%がウイスキー専業」、
「30%の兼業者も最終の主目的はウイスキー」であるのを考えると、
2030年にはウイスキーの製造場数(主たる製造)は150程度になるのではないか。



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<ウイスキーの「新規」製造免許の取得者数>

■2020年 17
■2021年 23
■2022年 24
■2023年 26
■2024年 14
     5年合計で104新規ウイスキー製造免許

   ※「新規」製造免許=「移転」、「法人なり」などを除く、
また「試験」免許も除く、「新規」交付の「製造」免許のみの数

2001年(21世紀)以降で累計150程度の新規ウイスキー製造免許が出たと思われる。
2030年までには21世紀の新規累計が200程度になるのではないか。

もっとも、免許取得者すべてがウイスキー蒸溜に参入するわけではなく、
ウイスキーハイボール缶の自社製造や受託生産のために取得するケースや、
輸入原料やOEM調達品をブレンドする目的で取得するケース、
あるいは過去には、免許を取得したが、結局なにもしなかったケースも見受ける

しかし、9割以上は自社蒸溜を行う新規ウイスキー生産者となるので、
2030年には、ウイスキー生産者は180程度になると推定する
180だと、スコッチウイスキー蒸溜所の数と似たレベルだろう。

ジンについては詳細は省略するが、2030年には150程度を予測する。


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私は、「ブランド数の多さは酒文化の必要条件」と考える。

玉石混交やフェイク的商品の危惧があるとはいえ、
日本ウイスキーのブランド数が増えることは、良いことだと思う。

サントリー、ニッカがいかに優れたウイスキー
・ジンであっても、
ほかに
日本ブランドがたくさんあることは、
世界における日本ウイスキー
、日本のジンの魅力を高めると思う。





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   ●●● ワイナリーの数 ●●●


  ●▲■ ご紹介情報 その2  : 「きた産業リスト」から
   「ワイナリーリスト」をed.17更新
   https://kitasangyo.com/wine/Winery-List.html

リストは
「2024年末現在稼働のワイナリー」+「近日開業が公知のワイナリー」までアップデート

リストには、網羅性を持たせるため、
「ワイン醸造を行う研究所、大学、高校」
「ブドウ以外
の果実原料だが、社名や商品に「ワイン」と名がつく生産者」
「果実酒免許は持つが受託充填が目的の会社」
なども掲載しているので、これらを除いた、
「ブドウのワイナリー」=557社
について、創業年を観察すると以下の如し


ワイナリー創業年分析

1999以前創業 142社、25%
2000年~2009年の10年間の創業 48社、9%
2010年~2019年の10年間の創業 178社、32%
2020年~2024年の5年間の創業 189社、34%


ワイナリーの数は21世紀に入って数が急増、
とくに、この5年の増加が際立っていることが分かる。

感覚的な予測だが、今後の5年(2025年―2029年)で、
さらに120程度は新しいワイナリーが開業するのではないか。
2030年には、ブドウのワイナリーは700程度になると予測。


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一方、国税庁のデータから「果実酒」の状況を見ると以下の如し。
からも、この5年の増加ぶりがよくわかる。

果実酒※の製造場数※※

  ■2020年 447
■2021年 479
■2022年 512
■2023年 552
■2024年 未発表

「果実酒」は、ブドウのワインが大半だが、
リンゴのシードル専業などブドウ以外のものも含まれる。
※※
「製造場数」=国税庁の「酒税関係総括表」記載の製造場数で、
複数の品目を製造している場合は果実酒の製造量が一番多い製造場

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5月4日の日経新聞で、

ジャンシス・ロビンソン、ワインリポート特別編
日本の赤、熟成度の高さに「驚き」

という1ページ全面記事があった。
日本のワインは世界水準になってきたのだと思う

世界市場がターゲットなる日本ウイスキーと違って、
日本ワインは世界市場で量を売るの難しいだろうが、
国内市場でワイン愛好家の市場で成長していけると思う。





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   ●●● クラフトビールの数 ●●●

  ●▲■ ご紹介情報 その3  : 「きた産業リスト」から
   クラフトビールリスト」更新
  https://kitasangyo.com/beer/MAP.html

リストは
「2024年末現在稼働のクラフトビール」までアップデート

当社リスト掲載のクラフトビールの数に推移

■2020年末 491 
■2021年末 558 
■2022年末 677 
■2023年末 803 
■2024年末 907

2024年末時点で、全国で900か所を超えた。
4年間で倍増に近い

907
の県別分布をみると、以下の如し

  1位・東京都123
2位・神奈川61
3位・北海道44

4位・長野40
5位・大阪39
6位・静岡34


首都圏集中であることが分かる。

ご存知の通り、
アメリカではクラフトビールやクラフトディスティラリーが減少局面に入りつつある
日本も今後は成長鈍化するのだとは思うが、
れでもあと数年は、醸造所数の増加傾向が続くと思う。

2030年には1,200程度になるのではないか。


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近代統計を取り始めた明治以来、
各種の酒類製造者の中で清酒生産者が常に最多である。
清酒は新規免許が出ないこともあって、ほぼ一貫して減り続けているが、
今も、酒類製造者の中で清酒生産者が最も多い。

現在1,500社以上が清酒製造免許を持っていると思うが、
実際に清酒醸造を行っているのは1,200程度ではないか。

クラフトビール醸造所の数が、実動の清酒蔵元の数を追い越す日が来るのかもしれない。
(それまでに、清酒免許の解禁がありそうな気もするが。)



                        text = 喜多常夫


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さて、当社商品のご紹介です。


●▲■ ご紹介商品 その1 :K2 ディヴィジョン ●▲■

<輸入びん> ESTAL エスタル
https://kitasangyo.com/pdf/bottle/estal.pdf
<輸入びん> Verallia ヴェラリア
https://kitasangyo.com/pdf/bottle/verallia.pdf

ウイスキー、ワイン、クラフトビール、清酒・焼酎に、
国産びんだけでなく、輸入びんもお勧めしています。
日本に在庫を持っているものもあります。お引き合いください。




●▲■ ご紹介商品 その2 :ROOTSディヴィジョン ●▲■

ルーツ機械研究所のビール充填機、缶とびん(ポスター)
https://kitasangyo.com/pdf/archive/adposter-library/BeerExpo2025_1.pdf
クラフトビール醸造所の様々な機器(ポスター)
https://kitasangyo.com/pdf/archive/adposter-library/BeerExpo2025_2.pdf

小規模生産用・ラボ用のビール充填機をラインナップしています。
スプント、ストーン、エアテスター、ガスブレンダーなど、様々な機器も扱っています。




●▲■ ご紹介商品 その3:KKディヴィジョン ●▲■

日本酒の「びん燗殺菌」対応のサケびん口キャップ・PPキャップ
https://www.kitasangyo.com/pdf/package/closures/binkan.pdf


ガラスびん入りの日本酒では、
「びん燗殺菌」(ボトル・パストライズ)されるものが年々増加しています。

清酒用「びん燗殺菌」キャップで最も豊富な実績を持っています。
性能向上のため、仕様変更しているキャップ品種もあります。




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